2026.7.16
早期競技特化ながらの晩期マルチアスリート型
2026.7.16
早期競技特化ながらの晩期マルチアスリート型
(右投げなら開かずに)
前回の投稿が大反響でした。嬉しい一方でちゃんと書かないと、と自分に言い聞かせております。疲れ果てた夜に書いておりますので、文章がピョンピョン跳ねて飛んでるかと思いますがそこはご了承ください。言い訳です。
前にも記した通り、ここの文章は息子への手紙。AIなど使っておりません。父が考えたことをダイレクトに息子に残したいと思っているので。自力で書いております。チグハグしたところ、誤字脱字も見落としているかと思います。将来息子が読んだ時に笑われないように。
今日は息子人生初のマウンドでした。公園に行き、キャッチボールや遠投、ゴロやフライのキャッチ・送球で1時間ほど汗を流し、併設の野球場へと恐る恐る歩いていく。マウンド付近にはブルーシートが置いてあったけど、投手板が剥き出しになっている。誰かが剥がしたのか、マウンドの横にある修復スペースを保護するためなのか。ホームベースはそこに置いたまま。常設か。ただ、併設のテニスコートとは違い、野球場には利用方法を明記した看板がありません。息子と熟考を重ねた結果、自由に使ってい良いとの結論に至り、10分ちょっと使わせていただきました。土日は野球少年たちの姿で溢れかえっている。今がチャンスということで。
まずは息子からの強い要望で、父がピッチャー、息子がキャッチャー。私はおそらく小学校1年生以来のマウンド。数球投げてから、今度は息子がマウンドに上がる。人生初。記念すべき第1球目。炎天下のなか暑すぎてどんなボールだったか忘れてしまいました。ミットに収まったような記憶はあるけど、いくつか暴投もあってそれが1球目だったか... 初めての割には良い球を投げていたと思う。途中、ネット裏でおじさんがこちらを見ていた。ここの管理者か。予約制なのか。マウンドは使用禁止なのか。我々親子の様子を1,2分眺めた後でその場を去ってしまった。少年野球チームの監督でスカウトマンだったかもしれない、なんて。声はかけられませんでした。
その後はラウンドを回避して、運動教室に参加するために東京に舞い戻って、その前に近くのホームレンジで練習。私は一番左端の打席、息子はその右隣打席。誰からも見られずに伸び伸びと練習できると思いきや、本練習場の支配人さんから声をかけられる。「また一段とたくましくなりましたね」と。そして、息子の練習を2人で観察しながら会話が弾む。息子は見られている意識が作動し、ドライバーに持ち替えてマン振り。いつもこうなってしまう。ここではジュニアスクールに力を入れていて、通常のジュニアクラス以外に、上手すぎるジュニアさんたちのためにアスリートクラスを開いている。小さい頃は、うちのジュニアスクールいかがですか、と何度も誘われました。おそらくアスリートの方ではない? いや量はこなしているように見えるだろうから上手いかどうかは関係なくアスリートクラスに入ることが可能だったのか。ウェブサイトには「ご入会条件はフロントへお問合せください」とある。このアスリートクラス、本日の支配人さんの話によると、希望者が殺到していて、系列店の方は若干空きがあるとのことでしたが、ここは何十人も待ちが発生しているらしい。上手い子が多すぎるのだ。90分のレッスンが月6回で、そのほかに、我々も一度訪れたことのある系列のショートコースでのラウンドレッスンもある。会話が終わり、支配人さんがその場を去ろうとしたところで、ドライバーをキャディバックに戻す。息子はドライバーショットがウリだと思っているのか。
野球とゴルフ。前者はチームに入って取り組んでいるわけではないけど、徐々に費やす時間が長くなってきた。バッティングセンターに公園に、そして今日、野球場が加わった。家では、柔らかいボールや変化球ボールで遊んでいる。ピッチング練習をするためにストライクゾーンのボードも準備。で、卓球に加えて、最近はテニスも加わった。それに、学校のクラブ活動のレベルですけどサッカーをやり、週一回ですけどスイミングはよちよち歩きのころから継続している。そしてバレエもしている。で、今日のように運動教室にも通う、自分の意思で。逆に、合気道やバスケはやらなくなってしまった。バスケは復活するかもしれないけど。
ゴルフだけは私から促されて、言い方を良い感じにしてしまうと、親子でゼロから一緒に取り組めるスポーツを選んで、今日までやり続けてきました。
何が言いたいのかというと、ゴルフだけは始めた動機が他のスポーツと異なることと、昔よりもゴルフに割く時間の割合が減っていること。絶対的な時間はそんなに変わらない感じで(どこで時間を削ってる???)、ゴルフに特化しているのは間違いない。スポーツという文脈でいくと、スイミングを除き、昔は完全に特化していた。ゴルフ、おんりー。
低年齢から特定の競技に特化する弊害はこれまで色んな視点で言われてきていて*1、でもTiger Woodsプロはほぼ特化型といえるしなぁ、と思いながら、でも帝王Jack Nicklausプロはバスケにアメフトに、そして野球にもかなり力を入れてきたことを思い返し、どちらがいいのかな、と考え出す。運動教室で汗を流す息子をクルマで待ちながら。今日始まった全英オープン。9年前に同じ場所Royal Birkdale Golf Clubで制したJordan Spiethプロはジュニア後期まで野球に力を入れておられた*2。左投手として多様な変化球を操っていたらしい。
TPIで何度も強調していたけれど、早期競技特化型は燃え尽き症候群に陥りやすい。この点は、長年現場でジュニア、しかも小学生を見続けてこられたUSKidsのワークショップでも取り上げられていた。途中で辞めてしまうケース以外にも、プロになってゴルフは続けているけど気持ちが離れてしまうことだってある。この点は相当、私は気を使ってきたつもり。Tiger Woodsプロの幼少期を真似て試合にでまくろうと息子に提案しようと思った時もあったけれど、息子の性格と私の方針を踏まえると、低年齢期に試合を重ねてしまうと将来息子がバーンアウトするだろうと賢人たちの意見に触れて結論に至り、絞ることにした。ジュニア後期、カレッジゴルファー、そしてプロゴルファー。この時期に伸び悩むのは、私なりの表現を用いると "辞めずに続けながらのバーンアウト" がスイングレベルの低さと並んで大きな位置を占めていると確信したから。
なんか最近生じた息子のマルチスポーツ化を正当化しているような感じもしないわけではないけど、早期超競技特化型(ゴルフ)ではありつつも、まだジュニア初期ではありますが、実践的には晩期マルチアスリート型で気持ちの中では引き続き超競技特化型ということで、これはこれでアリなんじゃないかと、わたくし父は思っております。
*1 中山佑介, "タイガー・ウッズとジョーダン・スピース(早期競技特化とマルチスポーツ)," TMG athletics x LTAD, 2022.3.8. 中山氏は早期競技特化が必ずしも原因というわけではないものの、次のように怪我との関連を説明しておられる。「左右非対称の動作がメインの30代後半から40代プロアスリートの怪我が早期競技特化によるものだとは言えませんが、リスク要因として考える事はできます」。続いて、"早期競技特化とロボット的アプローチ"と題して、その弊害を示しておられる。偶然にもJordan Spiethプロが制した2015年の全英オープンで予選落ちしたTiger Woodsプロの発言(”I just have to work myself out of it” ここから抜け出すために頑張るだけだ)について、中山氏「自分が重ねてきたやり方・考え方への固執を感じます。肉体的・精神的な変化にも関わらず、問題解決へのアプローチ方法を一つしか持っていないロボット的なスタイルは他の要素を排除してきた早期競技特化の産物とも考えられます。伝説的なゴルファーであるアーノルドパルマ―は、不調に苦しむ前にもウッズを「ロボット」と表現したことがあるそうです」。私の理解が及んでいない可能性大だが、その "ロボット" ??が驚異的なゴルフを長年続けてこられ、人々を魅了している。怪我に苦労されたとはいえ、その活躍は長年にわたり、マスターズも後年制しておられる。早期競技特化とロボット的なアプローチはどう結びついているのだろうか。私はTiger Woodsプロがここでいう "ロボット的なスタイル" だとは思えない。ちなみに、マルチスポーツの良さについて、レジェンドKobe Bryant氏の発言が引用されている。「複数のスポーツをプレーすることは、子供が大きくなった時には怪我の予防の意味でより大切になります。幼い年齢の時は、創造性に火をつけます。その子供が、どのスポーツに惹かれるか。私たちには分かりません。子供を無理やりサッカー選手にしたり、バスケットボール選手にしたりできません。色々なスポーツを体験させて、何に惹かれるか、何を楽しむかを見るんです(中山氏訳)」。スポーツに取り組む子どもを育てる親として考えさせられる。怪我予防と創造性育み。
*2 佐渡充高 (2015), "佐渡充高のPGA選手名鑑: <選手名鑑179>ジョーダン・スピース," ゴルフダイジェスト・オンライン, 2015.11.18. 2015年当時22歳。大学を中退していなければ4年生。メジャー2勝、シーズン5勝。パッティングのスタッツは6部門で1位。息子も左で投げさせようかな。いや、左右両打ちはもう決まったので、左右両投げだな。それにしてもチャンスの掴み方が凄すぎる。