2023.12.11
ゴルフと、他のスポーツ
2023.12.11
ゴルフと、他のスポーツ
(今日はバレエの発表会。男の子は2人...)
「アメリカでは他のスポーツをしながらゴルフもしている」
様々なスポーツを楽しみながら、子供が打ち込みたいスポーツを成長してから自ら選択する。今、活躍中のゴルファー(特にアメリカ)にはそのような方も多いかと思います。ゴルフと併行して他のスポーツに取り組むことについて、先週末もジュニアゴルファーの親御さんと話しました。
それはそれで、おそらく合っているのだと思います。若い男子プロの例で言うと、Jordan Spiethプロは野球、Viktor Hovlandプロはサッカーで、ゴルフと並んでそちらのスポーツでもプロを考えていたそうです*1。Jordan Spiethプロは、13歳の時にゴルフに専念したそうですが、「人生で一番難しい選択を迫られた日だった」と述べておられます*2。こちらのスタイルをタイプ1 とします。
その一方で、Collin Morikawaプロ(8歳)やXander Schauffeleプロ(9歳?)はプロゴルファーになることを早い段階で意識されていたようで、他のスポーツはゴルフをするための身体づくりのためという位置づけ*1*3。こちらをタイプ2とします。今年のIMG世界ジュニアでアメリカの低学年ジュニアゴルファーの親御さんたちと話しましたが、(昔と違って)圧倒的にタイプ2が多い印象です。ゴルフに特化した早期教育が徹底されている。他のスポーツにも時間を割きながら。
どちらのタイプにせよ、色々調べると(今度まとめます)、野球、サッカー、バスケットボール、アメリカンフットボール、水泳、体操、陸上、あたりが王道で、圧倒的に少ないですけれども、キックボクシング、サーフィン、カート、モトクロス、スキー、スノーボード、アイスホッケー、などなど。例えば、2021年のZOZO CHAMPIONSHIPで我々親子に想像のつかない行為にでられた(良い意味です)元世界アマチュアランキング1位のMaverick McNealyプロは、幼少期からアイスホッケーでかなり上のレベルで取り組んでいたそうです*4。こうしたアメリカのジュニアゴルファーの状況を踏まえて松山英樹プロは、ジュニアゴルファーにむけて、プロゴルファーになるのが夢だとしても多様なスポーツに取り組む必要性を強調されておられます*5。
で、うちの息子は、どちらのタイプでもありません。というのは、今のところスポーツでプロを目指すという考えが全くなく、他の仕事を夢見ているからです。これまでプロゴルファーになりたいとは一度も耳にしておりません。ただ、スポーツは沢山してきておりまして、水泳、体操、合気道(スポーツではないですが)、サッカー(学校で取り組むレベルですが)、スキーなど。そして、6歳になってから取り組み始めたのが、バレエ(スポーツではありませんけど)です。
なぜバレエかというと、1,2歳年上のお兄さんとお姉さん(どちらもゴルフの世界大会で圧倒的なスコアでチャンピオンのご実績)とラウンドさせていただいたときに、お姉さんの方なのですが親御さんからバレエをやっていたというお話しを聞きました。そうなると愛読の皆さんはもうお気づきかと思いますが、ミーハーの私は「だからスイングがバランス良くて、しかも鞭がしなるような感じがでるんだなぁ」と確信しまして、バレエをやらしてみようかなと。今振り返ると、やっぱりゴルフに特化させたい親心が見え見えです。
さっそく家に帰って、息子にYouTubeで熊川哲也さんの映像を見せると、「格好いい!」ということになりまして(そりゃ誰が見ても惚れ込んでしまいます)*6、それ以降、継続的にバレエのレッスンを受けております。女の子に囲まれて、仲の良い友だちもできたようで、ゴルフと並んでバレエにも力を注いでおります。ちなみに、わたくし父は、ゴルフ同様(小学生の頃に10球程度打ちましたが)、熊川哲也さんの動画や書籍は昔から読んで感銘を受けておりましたが*7、バレエも未経験者です。
このように、身体を動かすという意味で多様なものに接している息子ですが、冒頭に申し上げたとおり、そのなかで職業として取り組みたいものは今のところないようです。夢は、プロゴルファーでもバレエダンサーでもない。アーティストか(バレエはそれに近いかもしれません)、Uberみたいなものをつくる人、になりたいとのこと。この歳でアートとビジネスの間で揺れているわけです。
親子共々、ゴルフにハマっており、膨大な時間をともにしているのは確かなのですが、プロを目指さないとなると、ここまで… でもゴルフに魅了されているのは確実です。紆余曲折ありましたが、バレエ同様、ゴルフに対して敬意を持って取り組んでいるのも間違いございません。
*1 「フィナウは「シェフになりたかった」。プロゴルファーたちが描いた子供の頃の“夢”」, my ゴルフダイジェスト by ゴルフダイジェスト・オンライン, 2022.3.10 .
*2 「ジョーダン・スピースについて知るべき19のこと」, ゴルフダイジェスト・オンライン, 2015.4.15. ちなみに、12歳から師事しているコーチCameron McCormickさんの教え子にはGeorge Walker Bush元米大統領も。テキサスですもんね。ちなみに私の愛用しているパッティングマットのひとつはCameron McCormickさん監修のものです。日本正規販売のものだと短いタイプしかないのでアメリカから購入しました。ストローク練習器具も合わせて。こちらです。アメリカのフェアウェイゴルフさんで販売されておりました。専用のアプリがあって子供とひたすら遊んでいます。
*3 「「100%ツアーで勝てると信じています」米ツアーの“黄金世代”コリン・モリカワのゴルフ力」, みんなのゴルフダイジェスト, 2019.7.9. この記事によると、12歳の時に「他のスポーツを止めて、ゴルフをやる!」と決心したそうですが、歩き始めてすぐに父がプラスチックのクラブを息子に与えて練習場にも一緒に連れて行ったとの記述もあり、練習量のことも考えると、なんとなくタイプ2のような気がしております。動画もございます。こちら。動画「The Life: Collin Morikawa | PGA TOUR Originals」,YouTube; PGA TOUR, 2022.5.4.
*5 桂川洋一, 「松山英樹が他競技経験者に羨望!? 「ゴルフしかやってこなかったから」」, Number Web, 2015.8.13. 松山英樹プロご自身はゴルフに専念したジュニア時代を過ごされたそうです。その一方で、松山英樹プロご自身の説明ではないですが、幼少期にバレーボールもされていたというお話も。詳細はこちら。「松山英樹を育んだ家族の輪…幼少期はみんなでバレーボールも」, 『女性自身』, 2021.4.22.
*7 熊川さんがTBS「人生最高レストラン」に出演されたときに、「生まれた時から開花してます」とおっしゃていてお変わりないなと。バレエを始められたのは10歳で、バレエの世界ではかなり遅い、いやとんでもなく遅い方です。早期教育すればいいってもんじゃない、後から頭抜けるヒントらしきものは自伝を丁寧に読むと得られると思います。熊川哲也(1998), 『メイド・イン・ロンドン』, 文藝春秋. その後については、熊川哲也(2019), 『完璧という領域』, 講談社.