2024.10.5
親の夢を託す?
2024.10.5
親の夢を託す?
(eスポーツ選手)
木曜日にKTGAのレッスンを受けた後、金曜日はバレエ、本日土曜日は終日遊ぶ。親子共々、2日間ゴルフをしておりません。家でパッティングや素振りはしていますが、一球もショットせず。身体を休ませて、とは後付けで、たった2日間ゴルフから離れているだけで親子共々、下手になるんじゃないかと不安になります。コースに出る日が極めて少なかった週でもありました。
今週はACNチャンピオンシップゴルフトーナメントが開催されています。息子とゴルフを始めるきっかけのひとつとなったジュニアさんが出場されていたので応援しておりました。ご活躍が多くのメディアで取り上げられたこともあり、さまざまなコメントが記事に寄せられたそうです。なんとも愛のないコメント(ほんの一部なわけですが)に対する親御さんの姿に触れて感じたことがありご連絡させていただきました。励まそうと思ったのに逆に私が励まされました...
低年齢でゴルフをしていると、周りから「将来はプロゴルファーだね」と声をかけられることが多いです。息子もだいぶ大きくなり最近は少なくなりましたが、未就学児の頃は毎日のように言われていました。「将来の松山だね」と。余程私の熱量があったのか、息子が上手かったのか、その理由は分かりません。ゴルフに比べると、サッカーや野球だと、小さころから取り組んでいても、プロを目指しているとは見られないような気がします。競技人口ですかね。私としてはキャディとして競技に参加するので熱が入ってしまう側面があります。
その分野を代表する井上尚弥さんも、大谷翔平さんも*1、久保建英さんも*2、もちろん松山英樹さんも*3、関連書籍を読むと、小さいころから親御さんが熱心にご指導されている。側から見たら、子供をプロにさせようとしているんだな、と思われるでしょし、実際にプロを目指してご本人も親御さんも時間を過ごしていらっしゃる。これを子供の夢を応援していると捉えるのか、子供がかなり小さいので親の夢を託している、と捉えるのか。スポーツの場合は取り組んでいる様子が他者に見られることもあり、特にゴルフは大人の環境に入って行うので特殊といえば特殊です。
スポーツの分野では、もちろん例外はありますが早期教育の有効性が高そうなので早い段階から特化して取り組んでおられる方々が多いし、いわゆる一流の選手は始めた時期が早い(くどいですけど例外はあります)。でも、たとえば医者や弁護士、経営者など、その下地は磨けてもその型そのものを早期教育するのはスポーツの分野と比べると難しい印象があります。
ゴルフに特化させつつも、下地を磨くという意味では、他のスポーツに取り組むこともある。私の感想レベルの意見では、多様なスポーツに触れさせてその中から本人が選んだのがゴルフ、というのが理想です。さらに言えば、スポーツ以外の活動にも触れて、やっぱりゴルフが楽しい、と思って取り組んでいるのが良いのかなと。逆に、最初から「うちはゴルフをやらせるぞ!」というスタイルだと、子どもに選択肢を用意していないので個人的には可哀想な気分になります。でもそうは言っても、3,4歳の子が「これ好き!」と選んだゴルフが途中で飽きて(あるいは他のことに興味が出てきて)、たとえばバスケやりたいなぁと思っても、僕はゴルフが得意だし、もうバスケが上手い子いっぱいいるじゃん、学校にもさ、と本人が感じてしまうと、「パパ、バスケやりたい!」とは言いづらくなるかもしれません。
プロゴルファーじゃなくて、イーロンマスクみたいにロケット打ち上げたい、となればまだ遅くはない。バスケもサッカーもまだまだ遅くはないとは思いますけども。いやバレエも一流を目指せるかもしれない。いやいや、そもそも一流になる必要があるのかという考えもある。本人と対話の時間を増やさねばなりません。
今日は朝ひと泳ぎしてから、esportsパークで遊びまくり。多様なスポーツに触れる。要するに身体トレーニング(ゴルフに特化という視点から捉えると余計にそう感じてしまいます)。そのあとは、Apple Pencilを使って絵を描きまくる。アーティストになりたい息子ですから、当然楽しく熱心に取り組んでいる。
うちの場合は私と同時にゴルフを始めたので「パパはガチでやってるしなぁ」と思って、「これやりたい」と言いづらくなる... 惰性でゴルフをやっている、ということにもなりかねません。夢云々の前に、そうなっていないことを願います。
*1 東京武蔵野シニア監督も務められた小林信也さんは、大谷翔平さんが小学校2年生(我が息子も現在2年生)のときに出会った水沢リトルリーグの指導者、浅利昭治さんに取材しておられます。小林信也(2020)、『大谷翔平「二刀流」の軌跡:リトル・リーグ時代に才能を見出した指導者と野球愛風土』、マガジンランド。「逸材と呼ばれたジュニアのホープたちが、期待とおりの成長を遂げる難しさを嫌というほど味わった(p.196)」。大谷翔平さんが活躍している姿が奇跡のように思えると感じた小林さんが、なぜその奇跡が実現しているのかを、これだから、という1点に絞らず立体的に記されております。本書の主題でもある “目標が「プロ野球以外にない」という貧しさ” という項目で少年野球の課題を指摘された上でその課題と結びつけるかのように、あとがきで、大谷翔平さんのお兄さんが地元社会人チームで野球に打ち込んでいる姿を紹介しておられます。大谷龍太さんへの取材から、あとがきで唯一、引用されたご本人の声。「7歳違うから、翔平と一緒に野球をやったことはほとんどありません。私が先に家を離れましたから、翔平が出ている試合もほとんど見る機会がありませんでした(p.198)」。
*2 久保建英さんのお父様の著書には以下の記述があります(久保建史(2012)、『おれ、バルサに入る!』、文藝春秋)。「建英にサッカーをやらせよう、と最初から思っていたわけでもありません。結婚して建英が生れ、はいはいを始めたころから、リビングに大小たくさんのボールを転がし、自然と触れるように配置したのが彼のサッカーデビューです。他にもいくつかのことを体験させて来ました。...いろいろ経験するなかで、サッカーが一番上手になり、いつしか将来の夢はサッカー選手になることと話すようになりました(p.9)」。その夢は、一年ごとに変わったそうで、年中の頃は「プロサッカー選手」、年長では「日本代表になりたい」、小学校1年生で「バルサの選手になりたい」、そして3年生になると「日本代表になってワールドカップで優勝したい」と変わってく。「...私たちは(注釈;夫婦)、子どもの夢に向き合うことに決めました」とあります。翻って我が息子。私が学生時代打ち込んでいたサッカーをやらせようとして公園でボール遊びをさせましたが楽しそうに蹴らず、今度は小さなボールを投げさせようとしましたが(野球)反応は薄く、しまいにはそのボールを近くにあった枝で叩き出す... 楽しそうにひたすら叩いておりました。そしてアンパンマンのゴルフクラブに移行し(インスタのプロフィール写真)、現在に至っております。当初の親の夢(プロサッカー選手)は託せなかったわけです。
*3 松山英樹(2021)、『彼方への挑戦』、徳間書店。 引用だらけになりそうなのでまた別の機会に。