2025.1.17
息子への押し付け
2025.1.17
息子への押し付け
(全部受講したくなってしまう)
TPI(Titlist Performance Institute)のLevel 1: The Body-Swing Connection、Junior Level 2に続き、本日、Golf Level 2を修了しました。来月で受講期間が切れるので追い込まれてのテスト。やはり私には締め切りが必要です。
今回、スイングに関する技術面よりも学びが深かったのが、Practice Principles(練習の原則)です。運動制御や運動学習の科学に基づき、ゴルフの練習に対する原則、哲学が示されます。なかでも反復練習に対する向き合い方。Collin Morikawaプロがコースでスイングを磨いた背景には、この科学に精通した指導者や親御さんの存在があるのでは、と思うほど*1。
学習・上達の錯覚。反復練習(多くのタイプがある)を通じてその場のパフォーマスが上がっても、脳がしっかりとその動作を記憶したのか、長期的視点に立つと学習したのかはあやしいかもしれない。さらに言えば、学びの機会が激減するという負の側面がある。猛烈な反復練習に変わる練習方法があるんじゃないかと示唆された石川遼プロはこのことを言っているのでは、と思うほど。
反復練習の負の側面。この点はJunior Level 2でも出てきました。私もTPIに触れる前に、反復練習の弊害については直感的把握のみならず、国内外のプロゴルファーの発言などを通じて頭に入れておりました。それに、反復練習自体は必要でも(中身によります)、その他やるべきこと、優先すべきことがその反復練習に費やせば費やすほど実行できなくなってしまう。そっちの方が問題かも。ジュニア時代の初期に結果が出ても後々伸び悩むのは、現象面だけでいけば、この学習・上達の錯覚によるものが大きいのかなと。その錯覚の源泉にこの反復練習(くどいですけどいくつかのタイプが存在)がある。反復練習をあまりせずに結果が出てれば後伸びしないということは表面上あらわれづらい、おそらく。
このGolf Level 2には複数のテーマがあり、そのなかのひとつ、パッティングの講座ではゲストとしてScotty Cameronさんが登場*2。ブランドの立ち上げ当初からプロの膨大なパッティングデータを集めてクラブ作りしている。そのことについて世界観を披露されながら語られています。なんと20分近く。Scotty CameronのL字を愛用する親子にとっては、より道具に対する信頼と愛着が高まります。
次は何を受講すべきか。Power、Medical、FitnessのLevel 2は全てオンラインで学べます。でも一番受けたいJunior Level 3は現地アメリカに行く必要がある。 TPI’s Elite Development Programなるものを直接体験できるそう。Eliteというワード... そそられます。
USkidsの試合に参加するついでに受講しようかな。いや、このプログラムを学ぶついでに息子にUSkidsの試合に出てもらおうかな。今年はUSkids世界大会の出場権利がないのでローカルツアーですけども。親が先走る... とは感じながらももっと早く勉強しておけばよかった。
*1 Tiger WoodsプロもRory McIlroyプロも反復の重要性を語られていることは本サイトでも触れてきました。でもそれ以外にジュニア時代に何をやってたのかなと振り返ると、遊びの部分が大いにありそうです。遊びこそ、ランダム学習。一方、何をどのように反復するのか。アメリカでカレッジゴルファーとしてもご活躍された青島賢吾さんがインスタにて、アメリカのトップカレッジゴルファーの現状を共有されておられます。「プロ予備軍(大学生)の練習の8割以上はコース。週末は朝少し校内のレンジで打ったらすぐコースに行く。コースで色々なゲームをしたり様々なロケーションから打つ」。要するに、ランダム練習。ここからは私なりの推察が入りますが、大学生ともなるとスイングがある程度固まりつつあるので、コースでの実践的な練習が有意義なのかもしれません。じゃあ、ジュニア時代初期、例えば年齢が一桁だとスイングが固まっていないし、悪い癖をつけたくない、それを除去したいから、インドアやレンジでいわゆる反復練習なるものに時間を割いた方が良いのかもしれない、となりそうですけど、青島さんは別の投稿でCollin Morikawaプロが歩んだプロセス(8歳から)を紹介した上で、こうもおっしゃっておられる。「小中学生は技術向上よりもゴルフを好きになることが重要な時期。...少しずつ年齢を重ね、自由が増えてくる時期にゴルフを本当に好きでないとプロになるライフスタイルが辛すぎて辞めてしまうリスクが増える」。この同じ投稿の前半には、ジュニア時代に試合結果を追い求めてコーチを変えて長期的な視点で取り組めないスタイルに警鐘を鳴らしておられます。同じ動作の反復というより(それはそれで楽しさを見出す工夫は可能)、長期的な視点でゴルフを楽しく、その子の癖を理解する観察者、他者が必要だなと思った次第です。青島さんが強調される、ジュニア時代に成績にとらわれない親とコーチ。青島さん曰く、コーチに対する親の信頼が大事。でないと、成績が出なければその都度コーチを変えることになる。Collin Morikawaプロのジュニア時代を支えていた存在とコースでの圧倒的なラウンド数。まぁ、すぐにはやりませんけど、親子ラウンドの数を一昨年のレベルに戻そうかなと一瞬頭をよぎったり。まずもって楽しいですから。ゴルフ時間の8割はコース、1.5割は天然芝練習場、0.5割その他、とか。インドアや家では球を打たず軽量棒で素振り。やっぱり、世界ジュニア予選、出るのやめようかな。試合が多すぎる。年間1試合が理想。よほど強い気持ちでいないと、日々の練習が目先の勝ちに向けたものになってしまいそうです。
*2 Scotty Cameronパターご愛用の松山英樹プロは、良いパッティングの練習方法についてジュニアさんから聞かれて、「数」、とおっしゃっております(“松山英樹 スペシャルインタビュー 世界で戦うこと、パリ2024での経験を語る," YouTube; トヨタイムズスポーツ, 2024.12.27. 開始2分15秒あたりから)。が、必ずしも、数=反復、とは限りません。なんとなく。