2026.7.2
USKidsのあとはAJGA
2026.7.2
USKidsのあとはAJGA
(丁寧に)
USKidsの世界大会まで、あと1ヶ月を切りました。久しぶりの試合で、世界大会は2年越し。気合が入らないわけがない。その前に、前回延期になったPGAジュニアリーグの初戦もあるんだから、さらに気合いが入ること間違いなし。父も含めて空回りしないといいですけど。
今日は運動教室の前にサクッとホームレンジで打ち込む。最初の30分はアライメントステックを置いて。父も隣打席で汗を流す。息子の背中を見ながら、その焦りにも似たギンギンの気合いをその姿に感じる取る父。私は優雅に新調したアイアンセットを試す。
息子にとってUSKidsの試合はゴルフライフにおいて大きな位置を占めている。2年前は同級生に全く歯が立たず、かなりの差を感じていた様子。さらに遡ること1年前に世界ジュニアで大敗したけど、その時よりも地元アメリカのジュニアさんたちが大勢参加し、さらに差をつけられていた。ジュニアの試合なんて、という言う大人たちは多いけど、もうこの幼少期の時点で、スコア的にも、比べる相手によってはコアの部分でも圧倒的な差があると親子で認識し、ボッと過ごしていたらその差はどんどん広がってしまうと危機感を抱いた。まだこの時期、試合に出ていないアメリカのジュニアさんたちが沢山いるわけで。恐ろしい限り。ひっそり試合に出ずに練習しまくって、大きくなったら一気にギャップが縮まるとは到底思えない。ガンガン出るかどうかは別にして、Tiger Woodsプロは幼少期からジュニアの試合を大事に、そしてそこで結果を出すことを最重要視されていた。
ということで試合での結果を求めて日々練習、というスタイルではないですけど、今の時期に磨くべきものを大事にしながら、その差を認識つつ練習している息子であります。
そしてそのUSKidsの先にあるのが、AJGA(American Junior Golf Association)主催の試合。USKidsのポッドキャストで、USKidsのJohn Kim氏とAJGAのエクゼクティブ・ディレクター Steven Hamlet氏との対談があります*1。USKidsはAJGAと連携していて、USKidsの大会で上位に入ると、AJGAのPBE(Performance-Based Entry)のスターを獲得できて、AJGA主催試合へと進むことができる。動画によると、USKidsのゴルフ場で試合をやったり、両団体の共同主催の試合もある。AJGAのその試合の参加者、8割以上がUSKidsの試合への出場経験があったジュニアさんたちだそう。AJGAはインターン先としても人気があり、リーダーシップを学ぶ場としても機能していて、その後、PGAの要職についたり、Augusta National GCのChief Tournament Officerを務める人も輩出している。
で、この動画の最後は、"競技ゴルフを続けることを願っている保護者の皆さんへのメッセージ"。これはちゃんと耳を傾けたい。長いですが、私の解釈が勝手に入るといけないので、以下、引用です。Steven Hamlet氏、曰く、
「いくつかあります。まず一番大切なのは、ゴルフを楽しいものにすることです。楽しくなければいけません。それが、仕事、になってしまった瞬間、すべてが終わってしまいます。実際、それは私の息子が野球で経験しました。ある日、お父さん、野球が仕事になっちゃった、と言ってきたんです。朝6時30分から練習。学校が終わってからまた練習。家に帰るのは夜8時。そこから夕食を食べ、宿題をして。そんな毎日でした。楽しさを失わないでください。そして、ゴルフだけではなく、ほかのスポーツもやってください。体のさまざまな筋肉を発達させることは、将来のケガの予防にもつながります。US Kids GolfやAJGAに参加すると、ここまで来ればジュニアゴルフの頂点だ、と考える人もいます。でも私にとっては、それもまだ育成の途中に過ぎません」
耳が痛い。この点は、Cameron Youngプロの父、Davidさんも "仕事" という言葉を用いて語られておられた。続けて、このサイトでもご紹介したBob Rotella氏の考えに触れて、以下のメッセージを保護者に伝えておられます。
「…忘れられない出来事があります。スポーツ心理学者のBob Rotella博士が、娘さんの試合でAJGAの大会へ来られました。私はお願いしました。保護者向けに15分から20分ほど話していただけませんか?と。もちろん、と引き受けてくださいました。会場は満席でした。皆さん、Bob Rotella先生の話を聞きたかったんです。話が終わって質疑応答になりました。一人のお母さんが手を挙げて質問しました。先生のお嬢さんも今週プレーされていますよね、親として先生はどんな役割をされていますか?、と。Rotella先生はこう答えました。娘が望む役割です。毎ショット見ていてほしいと言う時もあります。コースには来ないでと言う時もあります。スイングを見てほしいと言う日もあります。何も言わないでほしい日もあります。私は、その日、娘が望む役割をするだけです。このように答えたのです。私は本当に深い言葉だと思いました」
耳が痛いどころか、頭全体が痛む。そして、今度はJohn Kim氏が、グサッと刺さる説明で私に追い打ちをかける。
「私も保護者の方によく話すことがあります。時には少し反感を買うこともあります。7歳でどれだけ上手いかはそれほど重要ではありません、と私は言っています。私が大切にしているのは、子どもたちがゴルフを好きになり、正しく成長し、17歳になった時に、自分が望むレベルまで上達できること。その方がずっと大事なんです。17歳になった時に、もっと上手くなりたかった、と言われて、John 、あの時そんなことを言ったじゃないか、と責められたら、私は喜んで責任を認めます」
頭どころか体全体が痛くなる。現場で数多くのジュニアを長年見てこられたお二方に反論する気は毛頭ないですが、ただ、現時点でも上手になることを私は求めたいし、息子も日々の鍛錬の成果を練習でも試合でも感じたいはず。 "それほど重要ではありません" とのことなので、そんなこと承知の上だとは思うけど、出る試合は勝ちたいし、勝ちを重ねていけば、そして目の前の試合に勝とう日々練習すればとその先に大きな果実が待っていると息子は確信している。そもそも果実云々の前に、その過程が充実すると私は思う。冒頭で触れた、アメリカで感じた同世代との圧倒的な差はそうそう埋まらないと思う。途中参戦組も含めて、欧米の層の厚さが男子ゴルフの世界は半端じゃない。今の息子の年齢ぐらいだとまだスコアに反映されないコアの部分が、わたくしド素人が観察しても否が応でも突きつけられる。息子は現場で見て、互角に張り合えている部分とその他ギャップの存在をたっぷりと感じている。
さて今年はいかに。どれだけ上手くなっているのだろうか、同世代の子と比べて。他人と比べる必要なんかない、とは思えない、息子の場合。試合に出ずにコソコソ練習してもその日々の鍛錬の質は下がると感じるし、そもそも過程が充実しないと思う。過程と捉えている時点で難ありとは思うけど。まさしく、ある意味で "仕事" そのもの。表面上、単純作業、という意味においては。
*1 "Stephen Hamblin, Exec. Director of the AJGA, talks about the path from U.S. Kids Golf to the AJGA," YouTube:U.S. Kids Golf, 2026.5.15. 動画によると、"競技ジュニアゴルフを通じて大学のゴルフ奨学金獲得を目指す若い男女の成長と育成に尽力することを使命" としていて50年間一度も変わっていない、大会を通じて "子どもたちが質の高い競争を経験し大学ゴルフのコーチたちに自分を知ってもらえる機会を提供" しているとのことだが、私的にはなんか引っかかるものがある。日本とは異なり、大学経由でプロの世界に行くケースがアメリカでは大多数だが、親の期待がデカすぎると感じる。大学に対しても。その点に関連して、以下、Steven Hamlet氏のご発言。「若い才能を育てるには段階があります。まず地域レベル、州レベル、地域ブロックレベル、そして全国レベルです。US Kids GolfもAJGAも全国レベルに位置しています。ただUS Kids Golfはもっと若い年代、AJGAはもう少し年上の年代を担当しています。私たちは育成プロセス全体の一部なんです。私が少し心配になるのは、子どもたちが途中のステップを飛ばそうとすることです。大学ゴルフやアマチュアゴルフを飛び越えて、すぐにプロになりたいと思う子もいます。もちろん、その話はまた別のテーマになりますが」。現象の本質的なところでは日米共通しているのか。USKidsの理念とはだいぶ違う気がする。