2026.2.25
行くなら早めに?
2026.2.25
行くなら早めに?
(父の打席でアプローチの手本を見せる息子)
先週行われたGenesis Invitational。U-NEXTでの実況はレックス倉本こと倉本泰信プロ、解説は佐渡充高さん。アメリカのゴルフ、そしてアメリカのジュニア事情に精通しておられるお二人。中継を見ていると、どちらが実況で解説か分かりません。そもそも実況者なしでお二人で解説している感じがする。しかも4日間通しで。これは贅沢。AJGA(アメリカジュニアゴルフ協会)の最新の取り組みや、奨学金、大学とプロの世界との橋渡しの話など、大変勉強になります。
そのなかのひとつ、日本の大学ゴルフ部の海外遠征について。先日ラウンドさせていただいた高校生のお兄さんと話題に上がりました。レックス倉本さんと佐渡さんが、日本を本拠地にしながら将来アメリカPGAツアーで活躍を目指す学生をサポートする素晴らしい取り組みだと評価されておられた*1。強く同意。小さい頃から日本で過ごし、その後渡米して大学ゴルフ部に入ったジュニアさんはこれまでたくさんいらっしゃったと思いますが、現状を見る限り、男子に話を限っていうと松山英樹プロを筆頭に、久常涼プロ(高校は日本でそのままプロ転向)、金谷拓実プロ、中島啓太プロ、平田憲聖プロと、高卒の久常プロを除いてみなさん日本の大学ゴルフ部ご出身。今年のソニーオープンに出場された日本のゴルファー、金子駆大プロ(高校は日本でそのままプロ転向)とアマの長﨑大星さんを除いて、比嘉一貴プロ、米澤蓮プロ、杉浦悠太プロは日本の大学ゴルフ部で研鑽を積まれている。ちなみに、今田竜二プロ、今平周吾プロや大西魁斗プロは大学入学よりも前に渡米されておられる。大西プロは9歳で渡米。今の息子の歳!
私としては、アメリカのゴルフ環境は良さそうだし、芝にも慣れるし、将来PGAツアーで活躍する若手の層が日本よりも厚く厳しい環境で切磋琢磨できるならアメリカの方がいいのでは、と考えてしまう。松山プロがその昔、アメリカの環境に慣れるのに時間がかかるというようなことをおっしゃっておられた記憶があります。じゃあ松山プロが東北福祉大学ではなくアメリカの大学に行かれていたら、今の松山プロのご活躍があったかと考えると... 分かりません。ただ、監督さんや先輩たちのサポートが大きな飛躍の背景にあったと松山プロは時あるごとおっしゃておられる。
アメリカに早くから行けば、環境にも慣れて早く活躍できるとは頭の中では考えられるけど、なんか違うような気がするわけです。どこでも一緒でしょ、ともなかなか。アメリカ生まれじゃなく、それこそ小さい頃からジュニアの海外試合でガンガン成績を残し、そちらの空気を吸う方が合っているというなら、中高ぐらいから渡米しても大丈夫? 環境に慣れるのは出来るだけ小さい頃の方がいいかもしれないけど、そこまで幼少期ではないなら、体もできていないし&目の前の競争に明け暮れるぐらいなら、本拠地日本の大学で充電して(注: アメリカの方がゴルファーの層が厚い)、それから、というのがベターのような気がする。身体上の伸び代を使い切っていないジュニアさんは特に。結局、いつでもいいじゃん、という結論に。ただゴルフを中心に(=本人がやりたいことをとことん追求すること)、と考えると日本の学校で過ごす時間の長さと言いますか...
そもそも渡米している日本のジュニアさんの絶対数が少ないのでなんとも言えないところがある。感覚論か。またまたちなみに、日本アマを制したレックス倉本さんはアメリカの大学ご出身。アメリカの大学ゴルフ部の良い部分だけでなく負の側面も分かり切っておられるはず。
そろそろ息子の話を。今日は東宝調布で雨のなかラウンドする予定でしたけど、そちら方面は事故渋滞、急遽変更して我々親子のホームレンジで息子はラウンドしてきました(注: トップトレーサーのコースモード)。息子には、パパは雨で濡れたくないからレンジ行くんでしょ、と思われている。それも数%あるかもしれない、が、我々の方針はゴルフ場がクローズしない限り予定通りラウンドするというもの。ん... 徹底できていないな。
サービス券を投入して90分間、父は隣打席で息子の背中を見ながら練習。息子の左足かかとがバレエダンサーのように浮いている。ヒールアップ王子。左足をヒールアップしながらバックスイングし、ダウンで珍しく右足をベタ足っぽく使って僅かながら左に流している。Tiger Woodsプロの全盛期の足捌きを見ているかのよう、と言ったら言い過ぎか。Tiger Woodsプロの場合は見た目上はあまり動いてない。
最近、青木功プロのパッティングに始まって、Sam SneadプロやJack Nicklausプロの動画を見まくっています(注: 父に促されて)。今日もJack Nicklausプロの動画を見ながら朝食。で、スイングに関して往年の名選手が口を揃えておっしゃっておられることのひとつが、頭を動かさないこと。先生から息子が言われ続けてきたことでもある。Jack Nicklausプロはご自身のビデオでこれをものすごく強調されておられる*2。
「ゴルフの基本で一番大事なのは頭の位置。頭の位置によって間違ったスイングが生まれます。上下、前後、信じられない問題を引き起こす。頭は体のまんなかで動かさないこと」
強い口調でここまで言われてしまうと、「でもさ...」とは言い合えず。Jack Nicklausプロのスイングを凝視すると、動いていない。びっちり固定。目線ではなく。頭全体。頭の中の軸。
頭を動かさないと怪我を誘発する? 頭が動いているプロ、いるじゃじゃん? いえいえ、帝王が一番大事だとおっしゃっておられるわけで、マスターズでは46歳でも勝ち、58歳の時に6位。
先生からは常日頃、頭の位置についてチェックされ、だいぶ改善されてきた様子。ダメ押しで、Jack Nicklausプロのアドバイス。
冒頭のGenesis Invitationalの初日、レックス倉本さんがScottie Schefflerプロのスイングスタイルに着目し(ゴルフ界の "King of Rock and Roll")、クラブが変な挙動をしない、と分析された上で、幼少期からコーチをつとめるRandy Smithプロの言葉を紹介されておられます*3。
「ジュニア時代からこう彼に教えるのはこう映像を見てこういうイメージで打ったらと言ったら彼はすぐに取り入れるらしいんですよね。それをこう数値にあらわしたらなかなかこう消化できないんだけど、こうイメージからこうやって言ったらすぐに彼はできるんだということをおっしゃっていましたね。ですからこうスイング的にどうしてこうすんじゃなくてこいう弾道打ってごらんと言ったら彼が勝手にこうそういう動きになってくるという。右脳の選手と言ったらいいんでしょうかね」
数字や言葉ではなく、映像でイメージをつけて動作に落とし込む。Scottie Scheffler少年ほどではないかもしれないですけど、息子はこれが得意です、私と比べて確実に。高いモノマネ力?
今日の息子はおそらく帝王からイメージを受け取って左足ヒールアップを再現している。あくまでも一コマだけ。現代風のスイングとは異なり腰が回りに回って肩が100度以上回って… 「バックで腰が回りすぎるとぬけちゃう感じがするな」と息子。
左足ヒールアップ。もしかしたら帝王ではなく、Bryson DeChambeauプロを真似しているのかもしれない。そう、飛ばすために。
*1 全日本大学ゴルフスーパーリーグは全米ゴルフコーチ協会(Golf Coaches Association of America)と提携。双方向で選手やコーチを派遣するという内容。Arizona State、UCLAやStanfordといった多くの大学のコーチがメンバー。競技成績のみならず学業も含めて表彰される制度があって日本にもと。なんといってもGCAA、帝王も学生時代に支えたゴルファーのひとり。日本の組織の代表は日本大学ゴルフ部の和田光司監督。監督曰く、「以前は日米学生対抗のような国際交流がありましたが、今はJGAのナショナルチームに入らなければ国際交流の機会がありません。ゆくゆくはアジア各国の大学チームを招聘しアジア大学ゴルフ選手権、その先には米国大学チームを呼び、交流戦をと考えています。そして英語でルールを読めるような環境にしていきたいですね ("三木GCで開催された「全日本大学ゴルフスーパーリーグ」ってどんな大会?," my ゴルフダイジェスト, 2022.11.11)」。どんどん垣根がなくなる素晴らしい取り組み。和田監督はかつて「日大を背負って」とおっしゃっておられたけど、実現スピードが半端なく速い。
*2 Nicklaus, Jack (1982), Golf My Way, VHS, World Vision (日本語版,『ゴルフ マイウェイ』, 東映,1985).
*3 "ザ・ジェネシス招待 DAY1," U-NEXT, 2026.2.20. 開始6時間40分あたりから。DAY2では、Xander SchauffeleプロがChris Comoプロの指導を受けていることに触れ、「やっぱりもうお父さんの限界を超えたんでしょうね。さらに上に行くためにはやっぱり別のコーチにつけないとやっぱりダメだろうという判断があったと思いますよ。お父さんは引退しましてね、今、ハワイ」と佐渡さん。開始7時間19分あたりから("ザ・ジェネシス招待 DAY2," U-NEXT, 2026.2.20)。