2025.9.19
父によらない指導
2025.9.19
父によらない指導
(もう足がパンパン)
今日はバレエ。服がピチピチな模様。上も下も次のサイズに切り替えないと。背が伸びたのか太ったのか。どっちもか。もともとバレエはピッタリなものを着用するので身体の線がはっきりと見える。こんだけ日焼けしたバレエダンサーは珍しいのでは。夏休みのあいだ、ほとんど外にいましたから。
こんなこと書いたら、また大大大先輩から叱られそうですけど、アドバイスもらえますし、ふと思ったことを正直に書きます。
一昨日の投稿で触れたJackson Koivunさん。お父様からゴルフを習って現在、世界アマ1位に君臨している。アマチュアなのに3試合連続トップ10入り。Scottie Schefflerプロが優勝した先週のProcore Championshipでは4位。その最終日の中継(U-NEXT)で解説をされていた大町昭義プロがJackson Koivunさんの強さを次のように説明されておられました*1。
「ダウンスイングで沈み込む、僕は非常にアイアンの精度が高いスイングをしているなと思います。それとなんといってもドライバーがほんとうに振り切りがいいですね。振り切っちゃうんでシャフトがうまく仕事をしてボールを飛ばしてくれます。320,30ヤードの飛距離をもっていますしね。未来のPGAツアーのチャンピョンになるのは間違いないでしょう」
身長はそこまで高くないし、細めに見えます。かなりトレーニングされておられるようですが、身体を太らせている感じが全くしない。それは、昨年世界アマ1位になりその後ツアーカードを獲得したLuke Clantonプロも同じで、身長はあるけど、太い感じではない。もちろん身体はバキバキかな。
お二人のジュニア時代の映像や写真を見ると、周りのジュニアさんと比べてあきらかに細い。中高生でデカさという意味で身体を作り上げて "伸びしろ" を使い切っている感じが素人的にはしません。でも力まず滑らかに、飛ぶ。なんで。大町プロがおっしゃる「振り切りがいい」「振り切っちゃう」から? それは、幼少期から使う道具にも影響を受けるんじゃないかと思うのは私だけか。私だけかもしれない、いや違うな。色々教えたもらった賢人たちがいらっしゃる。
例えば、昨年USKids世界大会の練習日に話を聞いたクラブ開発者のお一人。なんと偶然にも(だから今ここで取り上げているわけですが)、昨年時点ですでに有名になっておられたJackson Koivunさんのジュニア時代について記憶を遡り、「彼は当時からブンブン振ってたぜ。...飛ばしの能力は若い時にしか身につかない」。どこかで聞いたことのある話。TPI。飛ばしの能力は大きくなってから身につくでしょ、トレーニングもあるし、野球選手も飛ばせるじゃん、とゴルフ始めたての頃は思っていましたが、ツアーで求められる散り具合で現場で振り切る、それを何ラウンドも続けて、というのはなかなか難しいようでして。ティーショットのみならず、たとえ残り距離が同じでも2打目以降のショットで持つ番手が違う。
細くて飛ばないんでショートゲームで、とか考えない。細くても飛ぶ。なんで。
Tiger Woodsプロの幼少期。前に取り上げたように、お父様の考えのもと、ジュニアのある時点からクラブのスペックをあえて落とされた("全てのクラブを軽く、短くなるように調整し、グリップも細いものに交換")。そのTigerプロは小さい頃から高身長だけど、高校生まで身体が細い。でもプロへと繋がる高校大学時代、世代で最も飛ばしていた。細めだけど飛ぶ。その上で身体がデカくなって、道具を合わせてさらに飛ぶ。道具と身体と飛距離。ジュニア時代、飛距離を道具に頼らない(=道具で無理しない)、身体の太さ・重さに頼らない(身体パワーだけにフォーカスしない)。で、振り切り能力なるものが磨き上げられる。もちろん身体のバネ力が元々優れているとかそれを小さい時から磨いてきたとは思います。振り切り能力の高さは、太っていても細くても関係ないわけですけど、細ければ、身体の、いわゆるパワーに頼れないといいますか(注: ここではスピードだけに着目)。
息子は現在、小学3年生。かつて、小学3年生で文句なしの「振り切り」をされていたジュニアさんに出会いました。当時息子は小学1年生。絶対にこれが必要だ、と改めて痛感した2年前。バランスよく振るなんていつでもできる。筋トレもいつでもできる。横にならいつでもデカくできる。あのお兄さんみたいに振り切るためには、明確な考えとそれを実行するための道具が必要かと想像します。親御さんがそのお兄さんのお兄さんを通じてアメリカのゴルフの世界を直接見てきておられるのは偶然じゃないはず。
バレエを通じては、直接的にはパワーとは違うところを磨いている息子。キツくても楽しいようです。卓球も楽しい。サッカーもやりたそう。ゴルフを逆転することもゼロとは言い切れない。そのためにも、この幼少期に太くさせることはできないのです。もうすでにだいぶ太くなった感は否めませんけど。
最後に話がそれつつ、今回の本題に。子供に対して、親がゴルフ初心者でも教えられそうな気がするゴルフ。現にそうした環境でメジャーチャンピョンになられたプロがいらっしゃる。山下美夢有プロ。その他のプロになりますが、ゴルフを始める前に調べまくって私もそんな気がしておりました。男子ゴルフの世界でも。独学で、あるいは、初心者親子二人三脚でプロの頂点に立った人がいると。ただ、バレエに関しては、仮に私が息子と一緒に始めたとしても、教える気には全然ならないと思う。この差はどこにあるんだろう。
芸術的な、美的な要素を教えることは素人には無理だ、との考えが私にあるためか。ゴルフスイングならなんとか形にはなりそうだけど、バレエは外より内を磨く必要あると感じてそこには素人が踏み込めない、という考えが私にある。外より内。ゴルフを始めて1ヶ月ぐらいで、うっすらその考えになりつつあった。形はアドバイスできても内は無理だと。内が大事だから独学でやらせる、とまでは割り切れなかったし、今でも変わらない。内面的対話の時間を圧倒的に確保しながら、3,4歳で遊びをガイドする存在が必要。最初が肝心。だから数多くのゴルファーと接してきたプロの指導が必要だと個人的に確信したわけです。声がけの内容とそれに対するゴルファーの反応、そしてその継続的な成長過程を追うこと。その経験が私にはない。失敗経験はもちろんゼロ。私がその時に指導したら、見た目の美しさ、標準的な形と動きを無理に押し付けることしかできなかったはず。
不思議なのは、私のゴルフ歴はまだまだ浅いし指導経験はゼロなのに息子を教えられるんじゃないかと思ってしまうところ。バレエはおそらくそうならないはず。やっぱり謎。ゴルフとは異なり、レッスンが終わって帰宅したら疲れ果ててすぐに横になりかける。こんなに身体に堪えるのか、バレエ。ゴルフの方が圧倒的に時間が長いのに。ゴルフのトレーニングも相当ハード。謎が深まるばかり。
とりあず早く寝る。明日はお友達とジュニアの聖地でラウンド予定。久しぶりすぎて興奮して寝つきが悪くなるはずなのに、即寝。そんなにキツいのか、バレエ。
*1 "プロコア選手権DAY4," U-NEXT, 2025.9.15. 開始8分30秒あたりから。プレーを見ることはもちろん、解説を聞いていて全く飽きが訪れない。しかも世界1位Scottie Schefflerプロと世界アマ1位のJackson Koivunさんのプレーが入れ替わりながら楽しめる。以下、2つ紹介。PGAツアー・ユニバーシティについて大町プロ。「ユニバーシティっていうのは非常にいいシステムですね。…路頭に迷うというか空白の時間が生まれないんですよね。いろんなことを学んで」(開始1時間33分あたりから)。日本の大学にも似たような制度をつくりたい。こうした制度がないと、ゴルファーとしてますますアメリカの大学が魅力的に思えてくる。アスリートとして大学での勉強が形だけになってしまう。2つめ。15番ホールでヘッドの先にボールを当ててピンに寄せるScottie Schefflerプロ。大町プロ曰く「意図的に真で打たずに、ヘッドを被せることによって、…シェフラー(プロ)がなぜこうランキング1位なんだろうっていうところで色んな細かいところを見るようにしているんですけど、今みたいにちょっとした構え方のアプローチとか打ち方によってね、1打、得するところがあるんで」(開始2時間あたりから)。技術的にも学びの多い大町プロの解説。最終ホールでのBen Griffinプロのティーショットを見ると、身体大きいですけど「振り切る」というのはこういうことかと思い知らされる。いわゆるパワーじゃない。はやく振れる人はアマでもたくさんいらっしゃるのだから。ちなみに、Ben Griffinプロは最後にパットを外して優勝を逃した直後なのにサインにもタッチにも応じておられる。Jackson Koivunさんもアテスト前に柵を挟んでサインしまくり。