2024.2.2
外でゴルフをしない日
2024.2.2
外でゴルフをしない日
(徹底した言語化)
TPI Level 1の内容が米国時間2月1日からリニューアルしました。すでに私は修了済みなのですが、まだ受講期間がありますので視聴しております。本質的なところは変わりません。変わった点といえば、ゴルフスイングの特性が12から15(Big15)に増えたこと。それに応じて、身体とスイングのコネクションがより詳細になりました。Greg RoseさんとDave Phillipsさんとの対話が増え、特に冒頭の「チームアプローチ」では、TPIのフィロソフィーが、たとえ話を交えてスッと頭に入っていきます。前回同様、「フィジカルスクリーニング」では、なぜ怪我が生じるのか、その本質的なところに触れている。ジュニアでヘッドが重いが故に生じるスイング特性や怪我の話も。スクリーニングを受けているPGAツアープロ、LPGAツアープロ、ヨーロピアンツアープロ、カレッジゴルファーの映像も追加されており、その身体能力の高さに驚かされます。Billy Horschelプロのスピネーション・スクリーニングとかBrooke Hendersonプロのスクワット・スクリーニングなどもあります。アマチュアとの違いも... TPIは高いお金を払った方々にとことん満足してもらうということを徹底されている。サービス提供者としてのあるべき姿も学べます。
理想のスイングを頭の中でイメージしそれを動作として表現する。物真似力を高めることが大事なことのひとつだとしても、そもそもその理想のスイングなるものが現状の身体で表現可能なのかどうか。TPIの理念を踏まえると、現時点での身体で表現可能な理想のスイングを頭の中で描く、あるいは、理想のスイングを実現できる身体をつくる、ということになるかと思います。さらにそこに再現性というテーマが入ってくるのでややっこしくなるわけです。さらに怪我を避けるためにいかに身体に負荷を掛けないか。物真似で私が恐れるのは、息子が身体に合わないスイングを表現しようとすること。例えば、一流のプロは側屈の量が半端じゃない。それは鍛え上げられた身体に支えられているわけですが(TPIでも過度な側屈は怪我を招くと指摘)、息子からするとそれが美しく見える。プロっぽい。で真似をする。見た目を気にして生じる怪我。一見矛盾しますけど、それを避けるためには言語化されたものに接する必要がある。座学。
TPIでは当然のことながら、あらゆることを言語化しております。言語化しないと学べませんから。動画を他の人と見ることはNGですが、それが仮に許されても今の息子には絶対に見せたくありません。知識として学んで身体表現がぎこちなくなるという話ではなくて、幼少期にしか磨けない(大人になると磨きづらい)ことにフォーカスしたいから*1。TPIではこれが現時点で最善のスイングだ、という発想はとっていないので、「これが正解か。僕もそのスイングを目指そう」とはならない。今は多様なスイングとそのボールの飛び様を見て、感覚的に何かを掴んでもらいたい。まぁ、息子は自分なり言語化している部分が多いのでしょうけど、すべてを言語化してるわけではないし、そもそも言語化が難しいところもあるわけで。そこを徹底して磨く。
本日、息子はバレエのレッスン。バレエがゴルフ並みに好きな息子。今はバレエの方が好きかもしれません。そのバレエはゴルフ以上に?、理想のスタイルが沢山あり、それを他者の目線を意識しながら身体の隅々まで神経を尖らせて表現する必要がある。スタイルが多様だからそれが個性となり見ている人を魅了する。常に練習は鏡を見ながら身体の細部まで凝視する、自分の思い描いた動きが表現できているのか確認するために。
*1 昨年6月の世界ジュニア事前代表合宿。ワークショップのなかで井上透さんが「今しか出来ないことに集中した方が良い」という点を強調されておられました。「今しか出来ないこと」は沢山ありそうです。ジュニアといっても世代が様々ですが、どの世代も共通して磨くべきそのひとつが感性という名の物真似力のような気がします。小さい頃から感覚的に理想のスタイル(ゴルフでいうと身のこなし)を思い描くこと。それを表現しようとすること。正解なるものがあるとしてもそれを落下傘的に教えるのではなくて、プロセス重視。