2026.7.19
身体能力の高さよりも
2026.7.19
身体能力の高さよりも
(お兄さんと居残り練習)
今日は渡米前、最後のラウンドレッスンでした。試合会場となる1897年開業のPinehurst No1。その後すぐにDonald Ross氏が仕上げにかかった歴史のあるコース。No2より古い。
芝の種類を先生と確認し、対応策をいただく。また、練ランで入念に芝をチェックしながらアプローチやショットをすることの大切さを息子に伝えていただく。
午前中のアプローチエリアではラフとフェアウェイの打ち比べをしながらヘッドの抜け方や弾道・スピンの違いを把握し、アプローチショットへの理解を深める息子。2年前のアメリカも昨年のスコットランドもそんなに芝の違いには苦労しなかったと思う。苦労しなかったというより、そこには意識が向かわずに?、普通通り打っていた感じか。
2年前のアメリカMid Pines Golf Clubではグリーンに着弾しているのにこぼれ落ちるというケースに遭遇し、昨年のスコットランドLongniddry Golf Clubは強風に悩まされた。
Mid Pinesについては、当時、スコアが出ないのはグリーンの形状や芝質に対応できなかったからだと親子で思っていたけれど、よくよく考えれば、それもありつつも、グリーンを狙うアプローチやショットを放つ際のライに対して理解が及んでおらず対応できなかったことが大きかったのかもしれない。で、帰国後は平日ホームコースの東宝調布でいろんなライから自主的に打ちまくってきた。ここは色んな種類の芝があるような気がする。勘違いではないと思う。
Longniddryに関しては強風に対応できず苦戦したけど、コンクリートのような硬いフェアウェイに息子はほとんど苦労していなかった。綺麗にコンタクトできていたように思える。で、帰国後は河川敷はもりろん、嵐の日にもラウンドし、風の強い日に会長のところでアプローチの練習も積み重ねてきた。ノーマルスイングが崩れない範囲で高低左右の打ち分けを遊びの要素を入れて息子は自主的に取り組んできた。
アプローチエリアでの練習を終えるとショットの確認。ボールの位置、アドレスは相当注意を払ってレンジで取り組んできたけれど、昨日のラウンドで雑さが目立ち、その前の親子ラウンドでも予兆はあった。コースだと弾道のイメージを大事にしてショットルーティーンに入るところは評価したいが、アドレスへ意識が薄くなっている。早速、アライメントスティックを置いて丁寧にやってそうな息子に対して、先生からのアドバイスが。ボールの位置、手の位置が、やはり甘い。アドバイスをもとにほんの少ししか変えていないのに、1発目から快音「音がめっちゃいい!」とニヤニヤする息子。その後も快音が鳴り響く。毎度のことですけど、これは午後からのラウンドが楽しみでならない。
本人は納得のいかないラウンドだったようですけど、ホールアウト後の息子の表情に並々ならぬものを感じ取る。「ここに残って練習する」と息子。ついにきた、ラウンドレッスン後にそのまま練習。これぞ自主性。かつて、ラウンドレッスン後、帰宅途中で練習場に寄ったことは1度だけあるけど、居残り練習は初。いや〜、長かった。2024年3月3日に入校して以来、父は毎回、ラウンドレッスン後の息子に接して、今日はやるのか?と心の中で問うてきた。そして本日、猛暑の中、こんな小さい体で朝から集中して取り組んだ後に、再度、パッティング、レンジ、アプローチと、競技ゴルファーのメンバーさんたちの熱量に負けていない。研修生以外、ほぼメンバーさんが帰っても、取り組んでいる。中学生のお兄さんは、ずっとパッティンググリーンで練習していた。で、息子が疲れ果て帰ろうとしたところで、小学生のお兄さんはレンジに戻って、先生から与えられた課題にママと一緒に取り組んでいた。息子はまだそこまでは到達していない。ただ、この自主性、成長を感じる。
このまま帰って、と思っていたら、公園でシャトルランしたいと言い出す息子。これは自主性なのか。昨日のお友達の影響なのか。暑さで頭がおかしくなってしまったからなのか。宣言通り、近くの公園に寄る。ついでにキャッチボールもする。こちらが目的か。横には、同い年ぐらいの男の子とパパが、野球の練習をしている。遠投、ピッチング、ノック... 完全に我々親子とレベルが違う。パパが細かく指導している。こちらも負けじと遠投するが、2人とも全然届かない。バウンドした球をキャッチできずに後ろにそらす... これは体力もつく。
野球でゴルフといったら、前々回の投稿で触れたJordan Spiethプロ。TPIの授業でもワークショップでも取り上げられていた、アスリートゴルファーとして。公になっているTPIの記事もあります*1。その記事によると、Jordan SpiethプロはTPI認定の指導チームに支えられていた。他のメディアによるJordanプロのお母様Chrisさんへのインタビューが引用されております。
「私たちは、子どもたちを一つのスポーツだけをする選手として育てようとは思いませんでした。子どもにはさまざまな可能性を探る機会を与えるべきです。人生は、一つのスポーツや一つの目標だけではないということを理解させることが大切なのです。...チームスポーツで競い合うことで学べることは本当にたくさんあります。そうした経験は、人としての土台を築き、スポーツ以外の人生においても役立つ力を育ててくれると思います。幼い頃にゴルフの才能を見せる子どもがいると、親がそのスポーツだけに時間を費やすよう勧めてしまうことがあります。でも、その結果、燃え尽きてしまい、世の中には他にもたくさんのことがあるのに、それを経験する機会を失ってしまうことがあるのです」
こちらも前々回の投稿で触れた、燃え尽き症候群。親の先回りによる子供の選択肢の制限。小さい頃から取り組んでないと、将来上の上にはいけないじゃん、という親の気持ちが強くなってしまう分野がある。TPIによると、その一つが体操。じゃあ、ゴルフは? TPIとしては体操と同列には扱っていない。オリンピアンがジュニア時代に複数の競技をしていたデータを紹介しながら、「世界最高レベルのアスリートでさえ、成長期には一つの競技だけに特化するのではなく、複数のスポーツを経験しながら運動能力を総合的に高めていたということです。これは、本記事で紹介してきた "まずアスリートとして育て、その後に専門競技へ" という考え方を裏付けるデータと言えるでしょう」と結論づけている。
反論する気はないですが、ただ、と私は思うのです。Tiger Woodsプロは、基本、早期競技特化型。燃え尽き症候群と怪我の予防、という点でマルチアスリートを目指すこと。同意。ただゴルフで上のレベルにいくのと運動能力を高めることがどれだけ結びついているのだろうか、と考えてしまう。運動能力が高ければ、そもそもパワーを含めて、その出力や再現性を高めるとか、動かしたいように動かせるとか、いいことづくしだけど、道具を手にして日々練習するゴルフ。幼少期から取り組むなら、その手にした道具による身体への影響がかなり大きいと思う。いくら運動能力が高くても、身体動作に無理が出るクラブで、日々、質の悪い練習を積み重ねてしまうと上へとは難しいと思う。運動能力が高い子がゴルフをしてくれたら、という話はよく耳にするけど、その場合、幼少期からゴルフをしておらず、あるいは幼少期から適正な?道具を用いていれば悪い癖が相対的につきづらいので吉と出る可能性がある。練習の質と手にする道具のスペックにどうしても私は関心が向ってしまう。大人用のものに早く慣れるというのは、ん... と思う(注: 松山英樹プロが間接的に下支え、"ハードすぎる") 。
このTPIの記事は締めにむかって次の説明を準備している。
「13歳でマスターズ・トーナメントに優勝することはできません。しかし、13歳で競技に燃え尽きてしまうことは十分にあり得ます」
私なりの表現を用いると、先回りしての選択肢の制限。他の競技をやってみたいという息子の自主性。そして、私がある意味引っ張ってきたゴルフにおいて出てきた本物の自主性。わたくし父としては救いでもある。
*1 "Jordan Spieth: Athlete First," Titleist Performance Institute. ワークショップでも取り上げられたBig Break Theory。身体は、安全に減速(ブレーキ)できると脳が判断した範囲までしか加速できない。左右両方でのトレーニング。身体に左右差(アンバランス)が生まれ、パフォーマンスの可能性まで制限される。運動能力を幼少期から磨くのも大事だけど、いわゆるトレーニング、との混同はまずい。身体が成長し終わった頃のトレーニング。それを身体をデカくする傾向で早期にもってくる弊害の方がデカいと思う。その時はパフォーマンスが出て良いのでしょうけど。伸び代を小さくして早めに消費する感じか。早期競技特化型が伸び悩むのは、私が名付けた?早期伸び代消費型との連動だと私は感じる。