2025.4.22
東日本決勝、4日前
2025.4.22
東日本決勝、4日前
(ロブショット。半分以上は遊び...)
今日は東宝調布でのラウンドをキャンセルして、昨日に引き続きホームレンジで汗を流してきました。2日連続でここで練習するのは初めてでは? 試合を控えてコースに出てないとそれはそれで不安になり、コースに出ればおそらくまた不安になる。日に日に迫る練習ラウンド。どういう方針で回るのか、考えを巡らせています。
2006年のダンロップフェニックス。最終組でTiger Woodsプロと回られた片山晋呉プロ。当時のTigerプロの戦い方について次のように語っておられます*1。
「…並ぶまでは絶対にピンを狙わない。グリーン真ん中に打って2パット、長いのが入ったらラッキーみたいな。超安全にプレーしていた。それが、同じ最終組で回っていた(パドレイグ・)ハリントンが並んだ瞬間から、残り3ホールは全部ピンにいったのよ。『うわー、変わったー』って思いましたね。あれを目の当たりにしてから、僕も最終日にトップに立っていたら絶対にピンを狙わないって決めている。…相手が墓穴を掘るのをタイガーはずっと待っている」
1打差でもブッチギリでも優勝は優勝。Tiger Woodsプロというと、マスターズでTom Kiteプロに12打差をつけて圧勝したように、私にはブッチギリで勝つイメージがあるのですが、状況に応じて相手を意識した戦いをされているようです。
スコアーボードを意識しながらのゴルフ、もしくは、その状況において少しでもスコアを縮めようとするゴルフ*2。
大日向の予選では、この記事にある「グリーン真ん中に打って2パット」を意識してゴルフしました。ただ、ことごとくグリーンを狙うショットがショートしてしまう。ピンを狙った方がグリーンに乗る確率が息子の場合は高い。ジュニアの試合でピンの位置が優しい&グリーンが固くないのもあるかもしれない。それに器用なゴルフはまだ難しい。技術の前に、気持ちの問題が大きいかなとも思います。
なので、試合までの過ごし方は普段と異なりながらも、試合本番は普段のラウンドと同じ、すなわちバーディーを取りにいく息子のゴルフに徹した方が今のところ結果は出るんじゃないかなと考えています。そちらの方が伸び伸びとゴルフができ、スイングのリズムも悪くならないはず。よほどピンの位置が厳しいホールは除いて。それでも息子はピン方向に打って、失敗したら得意のアプローチで、と思うことでしょう。それが本人にとって楽しいゴルフであり、結果もついてくるゴルフ。そう確信しております。
と、考えながら本日も外レンジで練習する息子の姿を後ろで観察していました。昨日と比べると、うるさい父。はやくも理想の先生像は消えてしまったのか。ビシビシ落としたいところに打てておらず(プロじゃないんだから当たり前)、これだったら「グリーン真ん中に打って2パット」がいいじゃないかなと頭をチラツキました。美浦だとピンを狙って引っ掛けたら or 押し出したら(ショートならまだ救いはある)、片山プロのおっしゃる「墓穴を掘る」ことになりかけない。
「真ん中にピンがあると思って打て!」と息子に言ったらどうなるかな。「パープレー」呪文ではなく、より具体的な光景が思い浮かぶであろう「ピン、ド真ん中」呪文。何度も唱えれば錯覚に陥り、グリーンのド真ん中に仮想のピンが浮かび上がるはず。ホームレンジにはグリーンがいくつかあり、他の練習場同様、ピンの位置はグリーンのド真ん中。そこを狙ってショットを積み重ねる。今日ラウンドしていたらそうしたショットはなかったはず。運がいい。
「ピン、ド真ん中」呪文。なんとなく効果が薄そうですが、「ピン、ド真ん中」練習を昨日、今日とできたので、練習ラウンドの数ホールで試してみます。
*1 “「1打でも勝てばいい」シニア初Vの片山晋呉; 18年前にタイガー・ウッズとの最終日最終組で学んだこと,” ALBA NET, 2024.6.2.
*2 昨日紹介したSeve Ballesterosプロの著書『Natural Golf』。本文最終ページの項のタイトルは「常識」。それについての説明(翻訳 p.249)。「常識をもってプレーするというのは、積極的にいくのか、はたまた安全第一でいくのかを "自分の能力を冷静に見定め" 決定しろということである。その際は、なによりも失敗した場合のマイナスと、成功した場合のプラスを考慮すべきである」。そして、「修練」こそがその際に一番求めれるものだと説明された後で、次の一文で本書を締めておられます。「ゴルフの辞書でまたこれほど重要な言葉もないといっていいだろう」。技術や「こころ」について分厚い記述をして、最後にこの項タイトルと一文です。考えさせられます。勝っても負けても、今大会、この常識を育てる修練になる。確実に。