2025.4.21
東日本決勝、5日前
2025.4.21
東日本決勝、5日前
(いい球が出そう)
昨日の答え合わせ。うるさい父の姿は消せたのか? YesでもありNoでもある。外レンジで息子のスイングを辛抱強く観察し、最後に一言。「アドレスもいいし、構えも決まってるし、いい球出てたじゃん」。私の経験・知識不足、不安があるので、昨日先生から指摘されたポイントを意識させただけですが。意識させなくても息子は分かっているはずで、余計な一言だったかもしれない。ただ放っておいたら、60度を取り出してロブショット連発。スイングが崩れそうです。そこは我慢して、父は息子のドライバーやアイアンを手にして息子の後ろでチラつかせ、ショット練習へと誘導。声はあまり発せずとも過干渉な私。
講義型のスタイルではないゴルフレッスンで、たとえば教えてもらおうと高いお金を払って行ったのに、1時間、あまり言葉を発せずに先生はただ見ているだけ。それでお金をもらう。あり得ないーーー、お金払ってるんだから教えてよ、と。で、こう返される。「今のままでいいですよ。続けましょう」と。よほど信頼関係がないと、こうはならないと思います。その信頼関係は先生の実績というより(それが起点になるケースも多いわけですが)、長い時間かけて構築されるもの。
試合まであと5日。先月の大日向の試合に向けては、熟考した結果、球数制限をして臨みました。普段とは違う時間を過ごして試合に流れ込む。反省点としては、直前の練習ラウンドを3回もする必要がなかった点(ダレる)、及び、あまりにもスイング数が少ないのでドライバーの伸びがイマイチだった点です。今回はどうしようかと考え抜いて出てきた結論。いつもより球数を少くするが前回よりも素振りを含めてスイング数を増やすこと。
本来なら、試合だからといって普段とリズムを変えずにゴルフライフを過ごして、そのまま試合に、というのが何となく良さげな感じがします。ただ、指定練習日やその前の練習ラウンドが直前にあり、普段の時間の過ごし方は必然的にできません。そもそも平日、学校がある日は本コースに行かず、朝から夕方までコースにいるという平日は過ごしていませんから。
指定練習日やその前の練習ラウンドもやり、さらにその前にいつも通りホームコースの東宝調布を回ってしまうと、その週は全部ラウンド、という日程になってしまう。ラウンドでスイングが削られていく、という片山晋呉プロのお話はその通りだなと腑に落ちるところがありまして、試合前にハーフラウンド&レンジならともかく、ラウンドを本気でこなす息子ですから、スイングが整う時間がありません。足りない技術やラウンドでしか磨けないものを求めてラウンド、とは試合前にはなかなか思えず。
ということで、春休みが終わり、学校の大きなイベントも幕を閉じたので、そろそろ東宝調布での親子薄暮ラウンドを再開しようかなと思っていましたが、今週は外レンジとインドアで過ごしてから、美浦に行こうと考えています。今のところ。
今日は外レンジで90分。久々のホームレンジは居心地がすこぶるいい。何時間でもいれそうです。トップトレーサーに目を奪われつつも自分との対話。父ともほとんど対話せず? いつもより静かに練習。それによって何が磨かれるのか。
日本オープン2勝、全英オープン3勝、マスターズ2勝のSeve Ballesterosプロ。著書『Natural Golf』のなかで、フィーリング、について次のように説明しておられます*1。
「わたしが他のゴルファーからいちばん多くきかれるのは、"セベ、きみのすばらしい『フィーリング』は生まれつきなのか?" という質問である。…わたしはクラブをスウィングしているあいだは、終始注意深く体に耳を立てている。体の各部分がどういう役割を果たしているのかを知りたいのだ。頭、肩、腕、手、腰、足の相互の関係を知りたいのである。特に知りたいのは、スウィングの始めから終わりまでの動作の流れである(翻訳 p.23)」
おそらく今日の息子はこのフィーリングを磨けたんじゃないかなと思います。意識は自分の外にはあまり向かない。この点において、父の一言は邪魔になる可能性がある。
隣の打席では中学生ぐらいのお姉さんが練習されていました。コーチとお話しされていて、品がないですが耳を澄ませていると、試合の話を。日は今週土日。場所は美浦。東日本決勝。息子も「えっ!」。近くに親御さんがおらず、淡々と練習されていて、声をかけることができませんでした。世代が違うとはいえ、身近なところで同じ試合にむけて準備されている姿に息子は刺激を受けたようです。運がいい。
今朝までは、明日は東宝調布で、明後日はインドアの予定。でも明日もホームレンジかな、スイング量を求めて*2。それに加えて、今日みたいに何か得られそうな気がするから。
*1 Ballesteros, Seve and John Andrisani (1988), Natural golf, Atheneum(戸張捷訳,『バレステロスのナチュラルゴルフ』,TBSブリタニカ, 1990年)。Ballesterosプロは試合直前において何を大事にされていたのか。本書をプロと一緒にまとめあげたゴルフ雑誌編集者のJohn Andrisaniさんが冒頭でこう記しておられる。「人間は機械ではなく、前回プレーしたときと全く同じスウィングをすることは、決して期待できないからである。…したがってプレーの前に練習場でアドレスやスウィングをする際は、"体のいうことに耳を傾け" て、その示唆する小さな変更を行うことが肝要だ(翻訳 p.3)」。技術から「こころ」まで網羅している本書。色褪せない。また別の機会に紹介します。はやく息子が語学力をあげて精読して欲しい。
*2 ゴルフの上達を決めるものは何か。Ballesterosプロは上述の著書において、練習の量&質、と力説。絶賛されるプロのフィーリングは、おそらく絶対的な練習量があってのこと。やはり球数制限は意味なしか… 5歳でクラブを握り、7歳から本格的にゴルフを始めたBallesterosプロ。技術練習ばっかり低年齢期にやってると後伸びしない、まずは身体を作りましょう、というのは超トップレベルを目指すなら当てはまらないかも。どっちも高次元でやる。どちらかというと技術より。色々調べていつも結論は同じ。身体能力が高い人はたくさんいる。技術練習量はおとさない。技術練習を通じて磨かれるフィーリングこそ、低年齢期から意識するもの? 試合前はなおさら? とりあえず今週のテーマは、フィーリング。あとリズム&テンポ。著書では、リズム、テンポ、タイミング、という言葉がたくさん。