2025.2.25
難しいクラブとは?
2025.2.25
難しいクラブとは?
(ある意味で難しい)
先日、手元に届いた4番アイアン。1日にして息子はその難しさを痛感し、今日のレンジでは全く使用せず。おそらくその存在すら頭から消えている。早々にキャディバックから外れることになりました。私が使うわけにもいかないし、リシャフトして息子が使うのはかなり先になりそう。お金がかかるけど、トライアンドエラー。それは、平日ホームコースの東宝調布に通われていた大先輩のお父様のアドバイス*1。
これまで息子は、アイアンに関しては718AP2のような若干寛容性のあるアスリート向けアイアンのみならず、マッスルも試してきました。1週間ほど経つと、パッと見は慣れて振れているように感じるのですが、選び抜いたシャフトをうまく組んでもジュニアクラブとちゃんと比べると明らかにスイングがおかしくなっている。ウェッジも同様。ただ、ドライバーに関しては大人用が飛ぶし安定するので、試合だけを考えると結論は明確です。
幼少期から難しいクラブで練習することに関して、肯定派が沢山いらっしゃいます。例えば、レジェンド、岡本綾子プロ。笹生優花プロのお父様が、幼少期のクラブ選びに関する岡本プロの考えに触れておられます*2。
「岡本綾子さんの本に『幼い時には難しいクラブで練習させないといけない。プロになったら簡単なクラブを選んだほうがいいよ』って書いてあったのを覚えていたんです。それで大人が使うクラブのシャフトを切って使わせた。シャフトがしならないので球が飛ばないけど、結果は求めなかった。プロになって壊れない体を作ってやろうと思っていましたから。私も学生のころは柔道、空手、剣道のほかキックボクシングもやってきた。だから体づくりにおいて、何が大事なのか。下半身と背筋が弱かったら、何のスポーツをやってもダメなんです」
ジュニア時代に難しいクラブを使うメリットがある。レジェンドも現代のスターもそれを示している。重く?硬いシャフトでは目先の結果が出づらい。上手くしならせられないので球が飛ばない。それが難しいクラブ。
私としては、ドライバーやフェアウェイウッドなら大人用ヘッドだったら「結果」は出るんじゃないかと思います。息子もテスト済みでジュニアのクラブと比較したらバカっ飛びですから。ジュニア用のシャフトでなくても、柔らかめの大人用シャフトを少しだけ長く組めば、カチ上げてキャリーも出るしゴロゴロ転がる。強い弾道。ジュニアクラブのドライバーはロフトが15〜18度程度あるし、大きさや重量、素材の関係で比べてしまうと圧倒的に飛びません。それは音でもわかる。アイアンに関しても大人用の方がロフトが立っており、距離だけ見ればジュニア用の同番手よりも飛びます。
お父様はシャフトに注目され、しなりづらいので球が飛ばず、それを難しいクラブと捉えておられます。ただジュニア用のシャフトが簡単か、と言えば一概には言えません。例えば、息子が愛用中のウッド系のシャフトやそのシリーズよりもさらにしなりを感じるシャフトだと、ヘッドスピードが出せるジュニアにとっては、スピードを落とさないで球をコントロールするのはかなり難しい。限度やタイプはありながらも軽硬シャフトの方が当てやすいし、弾道は安定します。息子のドライバーシャフトはUSkidsのクラブだと「エリート」の位置付けですが、めちゃくちゃしなります。悪い癖がつくのと紙一重ではありますが、身体動作に少しでも狂いがあると球を上手く捉えることができず、その点で「超難しいクラブ」では?、と屁理屈みたいに思っています。それに、かなりしなるのでヘッド軌道自体はアッパーになりやすいわけですが、ロフトのあるヘッドを叩こうという意識が必要。じゃないと理想の打ち出し角が得られない。スピードを落とさずにタイミングよく振って叩く。岡本プロがおっしゃる「難しさ」を別の形で捉えているわけです。というか、愛用中のクラブの開発者がそう考えている面もあるので、私も共感して。受け売りと自分の考えがちょっとだけ。
お父様の後半のお話し。体の強さ。クラブで筋トレしろ、というわけではなさそうで、その大人用の重たく?硬いシャフトのクラブを振れる体づくりに関するものかと。岡本プロも身体能力が高く、ジュニア時代にソフトボールをされていたことは有名な話。興味深いのは、その能力の高さはダントツ、というわけではなく、当時所属していてクラブには同程度の身体能力を持つ人が何人かいたそうです。じゃあなんで岡本プロがそのなかで突出して結果をその後の残されたのか、という点は別のところで。
本日息子は火曜日定例の運動教室でした。未就学児から通い続けてきましたし、ドリルを宿題として家でこなしてきましたので、タイヤ引きとかはしていませんが、身体はだいぶ強くなったのでは。ホームの練習場の会長からは、キックボクシングやれば、とのアドバイスを受けております。時間が足りません。会長はキックボクシングのジムも運営されてきたので思い入れが強く、親子で巻き込まれそうです。先週末は、「俺に蹴りを入れてみろ」と会長に促され、息子は躊躇せず蹴りを入れまくっていましたので、その兆候が。
前々から笹生プロのトレーニングメニューに触れ続けてきたものの、今もなお特殊メニューを組んでの下半身強化はまだ先で、と思ってしまう自分がおります。なぜなら、父自らも息子と一緒に取り組むというのがポリシーなので。それだけじゃないかな。
*1 "予選通過!関東アマ決勝へ、、、," リンリンパパとリンリンのブログ,2019.5.9. 小学校4,5年生時代を振り返ってお父様曰く、「不自由だった、大人クラブから、身長にあった適正クラブに変わったら、やはり一番打ちやすかったようで、ヘッドスピードが上がり、体幹も安定した」。お父様の記事を何回も読んでいたのに、同じことを繰り返してしまった私。しかも、息子が当時のリンリンさんよりも低年齢のときに。トライアンドエラー。と言いながら、ドライバーだけは大人用でかっ飛ばしたい気持ちが息子にはなきにしもあらず。リンリンさん、東宝調布にふらっと来られないかな。
*2 Kim Myung Wook (2024), "「絶対に恨んだりしない」涙する娘が父と交わした“誓約書”…ゴルフ笹生優花の原点「この書面にサインしたら、練習時間は親子じゃないよ」," Number Web, 2024.8.8. 笹生プロの幼少期のトレーニング話は有名かなと思います。記者のKIMさんが触れておれる「ケガのリスク」。お父様の考え、対処法を知りたかったです。朝5時に起きてダッシュ、重いギアで自転車、ラウンドを挟んで?、インパクトスティックや1キロを超える野球バットで100回素振り。足には錘をつけて。「父が課した過酷なトリーニング」。別の取材記事(2020年取材時の振り返り記事)には、このトレーニングについて笹生プロご本人が、「やってることが正しいかどうか最初わかりませんでした。でも今(17歳当時)の飛距離を考えると正しかったんでしょう」と説明しておられる("全米女子OP2度優勝、笹生優花の飛距離の原点。6年前にフィリピンで取材した父考案のスパルタトレーニングの中身とは?," みんなのゴルフダイジェスト, 2024.6.3)。17歳。低年齢時のトレーニングではなかったにしろ、朝6時すぎに起きて優雅にヨガをしている我々親子。対照的... こうしたトレーニングメニューを息子と取り組むタイミングはいつになることやら。そうこうするうちに、どんどん私が歳をとってしまう。