2024.11.5
父はマッスルバック
2024.11.5
父はマッスルバック
(あえて右に打ち出せない状況)
最近、レンジ練習場ではボールを曲げる遊びをしています。ラウンドでは、曲げる必要がないところでも曲げようとショットしています。息子は今のところドローヒッターですが、左右どちらともやるので、結局スイングは通常に戻り、たぶん軌道も安定。
素人的には、コースボールに比べるとレンジボールはその曲がり幅が少ないような気がします。これが正しいなら、私のように球が散るゴルファーは、ラウンドだとより球が曲がるのではないかと心配になります。練習場ですら曲がってしまうのに。
先日、私のセッティングを変えました。2つのタイプのセッティングがあるのですが、競技志向でない方をマッスルバックに戻しました。単純に見た目と打感(打音)が好きなので。私のスキルだとガンガン意図せずに曲がります。
本日はいらっしゃいませんでしたが、かつてマッスルを使っていた時にホームのレンジ練習場で賢人からアドバイスをいただきました。「これは上手くなるよ。ミスがミスってはっきり現れるからね。お父さんが上手ければ、マッスルでもいいんだけど、正直まだ早いな。球が上がりやすいのを使わないと上達のスピードが遅くなる、もったいないねぇ」と。難しいクラブを使えば上手くなる。そう単純な話ではないようです。賢人からしたら、私のマッスルバックが可哀想な姿に見えたことでしょう。
前に久常涼プロが小学3年生からペラッペラのマッスルを使い始めたことに触れました。でも、現在超一流プロでもマッスルを使い始めたのはかなり遅い時期です。Tiger Woodsプロは時折マッスルを使っていたようですが、17歳の時点でキャビティで大きな試合に出場されていた。Collin Morikawaプロは、アマ時代にキャビティを愛用、マッスルは2018年から*1。そして我らが松山英樹プロ。マッスルはプロになってから。当時ツアー担当だったダンロップスポーツの藤本哲朗氏の説明をそのまま引用させていただきます*2。
「彼は中学生ぐらいの早い時期からスリクソンを使い始め、高校時代は初代のZ-TX、初めてマスターズに出てローアマに輝いたときもZ-TXでした。その後、二代目のZ-TXに移りましたが、どちらもキャビティでヘッドは大きめ。プロになってからはマッスルバックに変え、最初はZ925、今はZ945。これらもプロが使うアイアンの中ではヘッドは大きめです」
競技志向のアマチュア(社会人)にも好まれそうなアイアンです。アメリカのカレッジゴルファーの試合を動画で見ているとマッスルも多いですけど、意外とハーフキャビティが目につきます。若手プロも、例えばLudvig ÅbergプロはT100を愛用中。
久常涼プロは見た目が気に入ってブレードアイアンを使い始めたということなので、上手くなるためではありません。技量を高めるために使うなら、明確な根拠はありませんけど、高校生ぐらいからかなと。パワーもついてきてスイングも安定しつつあるから? 私みたいに、寛容性のあるアイアン(競技)と難しめのアイアン(上達用、そして見た目&打感&打音&所有感)を併用なんて意味ないですかね。素人的には、ミスがミスとしてはっきりと現れるという以外に、ブレードでしか身につかないヘッドの入れ方みたいのが学べるし、ロフトも35度前後なのでジュニアには良いのかなと思ったり。
息子は私のマッスルバックの見た目をいたく気にっておりまして、今日も練習場で私のアイアンを手にすると、「やっぱりきれいだねぇ。美しいねぇ。マイクテーラー、さすがだわ」と言うほど*3。いかんせん息子には重たすぎ。仮にこれが軽い、例えば7番でヘッド重量240gぐらいだと、何か問題が生じてしまうのでしょうか。前にも本サイトで何度か触れましたが、ジュニア版マッスルバックがあったらなと思って三浦技研に相談したところ、削るにしても限界があるとのこと。番手をズラさずに(番手をズラすとロフトが立ち、さらにそれを寝かせるという複雑さが生じる)、20gほど軽くすることが実現できたとしても、息子のパワーだと球を上げるために逆にすくい打ちを誘発する?
とりあえず私はマッスルで極上の打感を味わいたいと思います。その回数は少ないですけども。冬になると、より手が痺れることを覚悟して。
*1 「【コリン・モリカワ】ライバルたちに“マシーン”と恐れられる23歳。「Mr.リピータブル」は“R11”からのテーラー好き!」, ゴルフへ行こうWEB by golfdigest, 2020.6.19. アマチュア時代は、RSi。ミスに強そうです。ショットメーカーすらジュニア時代はマッスルじゃなかった。早い時期からマッスルを使うかどうか、あまり意味ない論点かも。
*2 舩越園子,「松山英樹のアイアン世界」, ワッグル ONLINEアーカイブ, 2016.5.23. ウェッジに貼る鉛の0.5gの違いに気づかれるとのこと。ちなみに、初代Z-TXはこちら。松山英樹プロが道具にこだわりまくっておられる点については、以下の記事で。「今季日米5勝の松山、用具へのこだわりを披露」, GOLF報知, 2016.12.12. 2016年。当時世界ランキング6位。
*3 "Mike Taylor Designed Irons," ARTISAN. アイアンに関しては日本製。私的にはこれ以上ない組み合わせ。ウェッジもARTISANに戻すことに。やっぱり好みは変わらない? 使えるようになりたいという願望? Mike Taylorさんについては、こちら。「夢のクラブ? “元ナイキ”の職人が立ちあげた新ブランドとは」, ゴルフダイジェスト・オンライン, 2018.12.26.