2026.7.14
ふたつの「白い雲」
2026.7.14
ふたつの「白い雲」
(重ねてしまう)
今日は朝5時に千葉を出て東京に行き(父のみ)、お昼頃に東京を出て千葉に戻ってきて息子と公園でキャッチボールをし、14時に千葉を出て東京に行き(息子をつれて)、19時半に東京を出て千葉に戻ってきました(もちろん息子と)。
まずキャッチボールについて。ゴムボールを使った素手でのキャッチボールを除いて、グローブで本格的にキャッチボールを息子としたのは初めて。私自身は30年ぶりぐらいか。マイバットが手元にあると、今度はグローブが欲しくなる。ゴルフの練習道具として併用するためにバットで奮発。グローブはそこまでお金をかけられない。ただバットと同じ世界のミズノにしたい。で、ミズノで一番安いものを買いました。Dear Rookie! シリーズ。"ここからはじまる野球人生、思いっきり楽しもう" とミズノさん。息子は「ジュニア軟式用ディアルーキー(オールラウンド用/サイズM)」のブラック。Dear Rookie! シリーズのなかではグローブのみ、大人用もラインナップされている。父には若干小さめですけどサイズ9で色はクリアオレンジをチョイス。このシリーズの大人用グローブは秀逸なコンセプトで作られております。そのまま公式サイトから引用すると、"野球を愛するプレーヤーへ! 柔らかくすぐに使えるのでジュニア用と併せて親子でキャッチボールをするにも適したグラブ!" とあります*1。ちなみにDear Rookie! シリーズはバットもありまして、軽いものだと340g、重いものでも470gで、マイバットより断然軽い。しかもサイズは一番長くて70センチ。小学校低学年が主要なターゲットだと思いますが、マイバットより5センチも短い。息子のマイバット、ハイスペックすぎるというか、オーバースペックすぎる。要、再検討。
野球場が併設された大きな公園でDear Rookie! を手にしてキャッチボールを開始。ボールは、ミズノ公式オンラインショップで購入したNAIGAI(内外ゴム株式会社)の「ゆうボール(2個入り)」。Made in Japan。いきなり本格的な軟式ボールが顔にあたると痛いので、キャッチボール専用の練習ボールで。案の定、途中、息子がキャッチしきれず顔にボールが激突するが痛そうではない。30分程度投げ合っていたらお互いだいぶキャッチできるようになりまして、その後はピッチャー役とキャッチャー役に分かれ、息子が敬愛してやまない山本由伸選手になりきってさらに30分ほど過ごす。ここまでは絵に描いたような親子風景だった。もう時間だから行くぞ、と言っても、あと5分、と息子。そして5分が経過しても、まだそこを去ろうとしない。「間に合わないなら、レンジで練習しないですぐにラウンドすればいいよ!」と言い出す息子。父はそこでキレる。炎天下でキャッチボールし過ぎて体力的にもキレる。
このラウンドについて。お昼過ぎにスマホを確認すると、なんと週末ラウンドレッスンでご一緒させていただいている大学生のお兄さんから連絡が来ているではありませんか。「本日、4年ぶりに調布に行こうと思います」と。これは東京に戻るしかない。「息子が夏休みで今、千葉にいるんですよ」と伝えると、お兄さんがおそらく気を使って、だったら悪いですね、みたいな感じになってきたので、「行きます。ラウンドお願いします」と返して、無理やりラウンドする流れにもっていく。日本アマ、その他試合や学業でお疲れのところ、そして8月の大事な試合に向けたこの時期に大変恐縮です。
我々の平日ホームコースの東宝調布。5年以上通い続けてきて、そのほぼ全てを親子2人で回ってきた。雨でも、雪でも、暴風でも、炎天下でも、暗闇でも、ヒョウが降っても。お兄さんとのラウンド、楽しみでならない。意外と早く着いたので、レンジで課題に取り組み、整える。父の体力が限界に近づいたところで、お兄さんが到着。東宝調布のレンジには奥ネットに、ゴジラの幕?が大きく張られていて、そこにボールがあたると「ドスン」と音がする仕掛けになっている。スピーカーとかではなく、単純にボールが幕にあたった音。数字は230ヤード書いてあるけれど、奥ネットに貼り付けてあるので240、250ヤードぐらいのキャリーがおそらく必要。我々親子だと厳しい。仮に届いたとしても幕が大きいとはいえ、全体に貼られているわけではないので、左右、高低、調整しないといけない。お兄さん、お願いします!ということで、頼んだら、ドライバーで低い球を打って「ドスン」とあたる。さすが。ラウンド後もレンジで披露していただきましたが、なんども「ドスン」と。超低弾道&強弾道。しまいには、直ドラで... 打席の端っこには部活動としてきていた中高生たちが10人ほどいましたが、視線を感じる。そして予想通り、声が聞こえる。「あの人、やばくない?」と。息子に対してではなく。そして打席横ではONOFFの試打会が開かれていて、そのスタッフさんたちも凝視。もちろん息子ではなく。「どうだ!」と言わんばかりの態度を私はとる。親として認識されていそうだから。
で、ラウンドについて。今日はベントグリーン。ちょいアゲインスト、295ヤードの4番ホールを「そっちの方に打つの?」と思うスタンスで木の上を打ってグリーン横まで。5年以上通ってきて、数多くのゴルファーを見てきたけれど、この弾道はないし、そもそもこのアドレス方向もない。こちらもちょいアゲ、275ヤードの7番ホール。抑え気味にショットしてグリーン真横。ピンよりちょっとオーバー。ゴルフがやさしく見えてしまう。ゴジラ相手だったので、レンジでちゃんとしたウォームアップもされていないし、ショットやクラブも含めて色々と試しながらラウンドだったと想像しますが、得るものがデカすぎる。途中、息子に教えていただく。難しいライからの打ち方やバンカー目玉&アゴ目の前からの打ち方。極め付けはスピンを入れてドンと止まるアプローチ。手前ピンでグリーンが受けていない状況で使うとのこと。この打ち方ができるライの特徴についてもご教授いただいた。もちろん、お兄さんみたいには打ててないけど、「今の感じ!」と声をかけてくれて息子のテンションが爆上がり。お兄さんには使う状況を考えて、と配慮していだいたけど、そこはお兄さんを華麗に無視して、息子よ、ぜひUSKidsの試合でも使って欲しい。現場での失敗こそ、次の練習につながる。緊張したところで成功したらそれはそれで素晴らしい経験になるから。単調になりつつある日頃の練習に楽しさが加わるし、感覚が磨かれそう。ありがとうございます。
ラウンド後、お兄さんはレンジで練習。我々は併設のレストランでご飯が来るまで、お兄さんのショットを見学する。いや〜、贅沢な時間だ。同じ場所であっても親子2人での時間と比べると密度が違う。当たり前か。
で、調布から千葉に帰る途中、いや厳密に言うと、1番ホールでお兄さんがティーショットを放った後に、息子がティを指しているところで思い浮かび、そして7番ホールでカートを引く2人の姿を後ろから見ていてさらに映像として鮮明に蘇ってきたのが、とあるCMです。なぜ思い浮かんだのか、論理的には説明できません。ただ頭の中をよぎっていきました。
Tiger WoodsプロとRory McIlroyプロが共演したNIKEのショートフィルム。
帰って改めて確認してみると2015年作で、"NIKE RIPPLE"(YouTube; Nike Golf Japan, 2015.4.6)。
ご存知の方も多いかと存じますが、ぜひ改めて見ていただきたいです。CMという概念を超越していると思う。ニューヨークのリエイティブコミュニティThe One Club for Creativityの記事によると、制作当初、Rory McIlroyプロは主人公でなかったらしい*2。Tiger Woodsプロに憧れる少年、という架空の人物?の設定だったけど、ストーリーに本物らしさが足りず、実話を元に練り直したそう。以下、担当したWieden+Kennedyによる説明です。
「最も嬉しかったのは、このCMがゴルフという枠を超えて、多くの人の共感を呼んだことです。ゴルフファンだけでなく、ゴルフに興味のない人たちにも広く支持されました。"ヒーローにもまた、憧れるヒーローがいる" そんな普遍的なメッセージが、多くの人の心に響いたのだと思います。Roryの物語の中に、自分自身の姿を重ね合わせることができたのでしょう。さらに、このCMが公開されたタイミングもこれ以上ないほど絶妙でした。公開されたのはマスターズ開催週。そして偶然にも、その大会でRoryとTigerは、メジャー大会では初めて同じ組でラウンドすることになったのです。もちろん、これは私たちが狙って計画したことではありません。そして制作中には、さらに驚くべき事実も判明しました。Roryは少年時代、タイガー・ウッズ宛てに手紙を書き、"いつか大会であなたと同じティーグラウンドに立ちます" と綴っていたのです」
"自分自身の姿を重ね合わせる" たしかに! 息子ですけど。雨が降りしきるなかレンジで球を打つシーンなんて、息子を思い出させる。そして最後のシーン。まずはTiger Woodsプロのティーショット。続いてRory McIlroyプロがドライバーでティーショットを放つ。そしてTiger Woodsプロが "good shot" と投げかける。この2つのシーンも何年経っても忘れない。記憶の奥底に刻まれている。
本日の東宝調布。17時スタート。1番ホール。まずはお兄さんがアイアンでティーショット。続いて息子。ドライバーを手にする息子。会心の当たり。お兄さんが息子に投げかける。「ナイスショット」と。このショートフィルムを思い出す動線が出来上がっていたかもしれない。
フィルムで流れてくる曲。今日のラウンドでずっと私の身体のなかでも流れていた。
"Nuvole Bianche (Live From The Steve Jobs Theatre / 2019)" (YouTube: Ludovico Einaudi, 2020.10.9.)
曲名のNuvole Bianche。イタリア語。訳すと「白い雲」。Rory McIlroyプロとTiger Woodsプロが2打目へと歩いていく後ろ姿でこのフィルムは閉じる。2人の先には「白い雲」。場所は変わって、東宝調布。とっさにカメラを回したくなってしまった7番ホール。ティーショットの後、歩いていく2人の後ろ姿。その先では、「白い雲」が夕日に照らされていた。どちらのシーンも涙が出てしまう。私から離れていくような感じにも見えてしまう。
*1 "軟式用【ミズノ直営限定】ディアルーキー【オールラウンド用/サイズ9】," ミズノ公式オンラインショップ. 他にも野球関連グッズが同シリーズから出ている。全部揃えたくなってしまう。
*2 Lynn Paszek,"Nike Ripple," The One Club for Creativity, 2015.7.21. ちなみに、NIKEの "Just do it."もW+Kの作品。タイトルのRippleは、水面に広がる波紋を指している。雲と水。空と地。素晴らしきゴルフの光景。
(人生初、親子キャッチボール@野外)