2026.7.11
「自分のゴルフじゃない感覚」
2026.7.11
「自分のゴルフじゃない感覚」
(人生初の円陣)
今日は息子のゴルフ人生初のチーム戦でした。PGAジュニアリーグ。場所は東京国際空港ゴルフクラブ。スタートは14時。スクランブル形式。以下、PGAの公式ウェブサイトに記載されていた説明です。「チーム2名がティショットを打ち、その中から1名のボールを選択。2名が同じ場所からセカンドショットを打ち、その中からまたサードショットを打つボールを選択」*1。
午前中は会場の近くにあるダイナミックゴルフ成田に集まって練習。去年の今頃もここにいた、世界ジュニアに釘付けになりながら。息子が到着するとすでに2人のお兄さんがレンジで球を打ち込んでいた。ご挨拶してお兄さんの隣打席で練習開始。まずは1DAYカードで140球。なんだか球が巻いている。ドローというより意図しない大きなフック。これはマズイ。いつもより若干インサイドに上げていたので指摘すると、「ハアッ〜」と両手を広げて返してくる。それがどうかしましたか?というような表情を浮かべている。ここで父が反撃してしまうと親子で見苦しい姿を披露してしまうとになるので作った笑顔を振りまいてその場をしのぐ。でもやはり球が巻いている。
で、隣打席のお兄さんの練習風景に目を映すと、一球一球丁寧に、そしてスタンスに工夫をもたせて身体の動きを確認している。練習の質がまるで違う。それもそのはず、その6年生のお兄さん、今年のJGA全国小学生ゴルフ大会@我孫子ゴルフ倶楽部を制した実力者。全国レベルの小学生ならその多くがその決勝大会で勝ちたいと思って焦点を合わせて練習してきて、そこで勝つ凄み。さらに横の一個上のお兄さんも一球一球動きを確認しながら取り組んでいた。スピードが早いのに力みがゼロ。そしてお父様とも柔らかな感じでその都度やりとりされていた。濃い対話。
一方の息子。140球を早々に打ち終わる。お兄さんたちが併設のレストランで食事をと切り上げているのに、空気を読めず70球追加。よほど球が曲がって納得がいかなかったのか、俺はこんな量をこなしているぜ、とアピールしたいのかわかりませんけど、最初の140球と変わらず、ただ打ち込んでいるだけのように見える。質より量? それはゴルフではおそらく当てはまらない。いく人ものレジェンドが口を添えて仰っておられるから。そのお一人、Tiger Woodsプロは唯一のご著書(書き下ろし)で、次のように記しておられる*2。
「どれだけ長い時間やったか、どれだけ数多くボールを打ったか、そんなことで練習を評価しちゃいけないよ。僕はたった20分の練習で、すごい成果を挙げたことがある。練習は量より質!(日本語版, 上, p.92)」
今、目の前で繰り広げられている息子の練習は質が伴っていない。量をいくらやってもその質が悪ければ、ゴルフの場合、悪い癖を強化する量となる。量をこなしているうちにコツを掴むという話は特に野球の世界で耳にするし、さらに道具を介さないスポーツでは昔から言われていることかと。質を伴えば球数は減る? 「球数は減るけど、時間は長くなるでしょ」、とかつて息子は言っていたけど、レジェンドのこのお言葉を踏まえると、どちらも当てはまらないという。一時、量はやって当たり前だと私は思ってきたけど… とにかくちゃんとしたことに取り組み、その上で量と時間が見えてくる。逆ではない。悪い癖がつくから。量をやらないと何がいいのかわからないというよりも、基本を教科書通り(注: 先人たちが蓄積してきた知見)に学んで丁寧に動作する。Tiger Woodsプロが指摘するように、基本は存在する。それを身につけようとする意思を持って取り組むことが質のひとつ?
70球を爆速で終えると、レストランに合流。お兄さんたちの温かい配慮もあってなんとか輪に加われていた。私の方は親御さんたちからレンジに引き続き、色々と聞きまくる。この時点で帰宅しても十二分に成果を得ている。成果がありすぎて、今日はここで終わってもいいと思えるほど。
会場に到着し、ユニフォーム一式を受け取り、ルールの説明を受け、パッティング練習してからスタートホールへと向かう。相手チームの皆さんとも写真撮影。この状況は、昨年、チームに参加したくても声をかけることができずにインスタで指を咥えて親子で見ていた光景だ。昨日一緒にラウンドしてくれた6年生のお兄さんと組んで、最終組。お相手は中学生と5年生のお姉さんたち。
当たり前ですけど、ほぼ全部? お兄さんの球を打ち、お兄さんがカップに沈めてラウンドを終えた感じ。7アンダー。昨日、お兄さんの前で宣言した通り、パッティングはお兄さんが打った後にラインを読んで息子が打つという順番。ただ、そのお兄さんが「お先に」レベルで寄せるか入れちゃうので、息子の出番がほぼないという... 昨日寝る前に「お兄さんのリズムを崩さないことを第一に考えて回れ。ラウンドが終わってお兄さんから "R君と回れて良いゴルフができた" と言ってもらえるように考えて回れ」と呪文のように唱えて寝かせたので、それが効いたのかもしれない。キャディみたい。
仕上がってるな、と思っていたけど、そうでもなかった。違うな、お兄さんと一緒に回っているからそう見えてしまうのかもしれない。レンジでも、隣、そしてその隣、そして後から来られたその隣のお兄さんたちと比べてしまうから。言い訳がましいですけど、最初にパッティングの役をやっていれば、もっとキレッキレで入っていたかもしれない。普通に考えればラインを知って打てる訳だから入る確率はそちらの方が高いけど、慣れていないといいますか。強く打っちゃうとか。そしてショットでは最初に打つケースもあったけど、特にピンを狙うショットについて、「お兄さんよりも寄せるぞ」となり、いつもだったらそうはならない力みが生じるとか。これは完全に言い訳か。最初の方が悪く出てしまうかな。息子は「いいゴルフだったな」と言っていたから、混乱する。お兄さんのショットとパッティングを自分のゴルフと勘違いしている模様。こうした疑似体験という意味でも素晴らしい経験ができました。ありがとうございます。
*1 "ルール紹介," 公式ウェブサイト: 日本プロゴルフ協会.
*2 Woods, Tiger (2001), How I Play Golf, Grand Central Publishing (川野美佳訳, 『タイガー・ウッズ: 私のゴルフ論 上.下』, テレビ朝日事業局ソフト事業部, 2001). ちなみに、この「量より質!」という説明がされていたのは、第4章の"HOW TO SWING"で、右ページの項目タイトルはTHE FINISHED PRODUCT。そこでTiger Woodsプロはこう書かれている。「...グリップは技術的に完璧であるべきです(日本語版, 上, p.93)」。ここに出てくる「手」に関する記述は私だと理解が及ばない。手のフィーリングを持ちながら「手ではなくもっと純粋にボールを打つ」とか。
(先輩が見つめるなかで)