2026.6.2
哲学のある組織
2026.6.2
哲学のある組織
(台風のカゼで飛んだかもしれない)
USKids Golfにジョインして10年を超えるJohn Kim氏が司会を務めるポッドキャストがあります。その名は、The U.S. Kids Golf Mission Podcast。最近始まりました。その初回*1。4ヶ月ほど前の動画で、ジュニアが手にする道具に関して、USKidsの道具作りの哲学とその実践が語られています。ゲストは、製品開発のシニアディレクターのJosh Kenchinさん(親しみを込めて)。2年前、アメリカに行った際に直接相談し、その後もアドバイスをいただいてきました。もちろん渡米前も。こんなシツコすぎる顧客、いないだろうな... 嫌われることを超えて、ある意味、優良顧客かもしれない。パターは練習用として、その他13本、長年使ってきた。息子は契約できるのでは、と思ってしまう。タイトリスターからまさしくユーエスキッズ。USではないか。話を元に戻して、動画ではその哲学が共有されています。
「クラブは大きくなってから使うものではなく、使っているうちにサイズアウトするものだよ(原文; "Our philosophy for clubs is you grow out of clubs, not into clubs"」
これだけじゃ、理解不能... 翻訳能力の問題か。意訳するとこんな感じか。
「今の実力に合ったクラブを使い、上達した結果としてそのクラブを使わなくなるべきであって、将来を見越して難しいクラブを使うべきではない、というのが私たちの考えだよ」
私の解釈が入りすぎか... それにしても深すぎる。私がお話の内容を説明してしまうとこのように解釈が多分に入ってしまうので、長いですけどそのまま引用&真面目訳で。
「簡単に言えば、常に少し軽めのクラブを振って欲しいね。軽いクラブは速く振れる。速く振れば手のスピードが鍛えられる。手のスピードが向上すれば、長期的にはスイングスピードも向上する。私たちは長期的な成長を重視しているんだ。だから軽いクラブを使うことで、より速く振れるようになり、将来的により良いゴルファーになれると考えているのさ。だから、クラブに合わせて成長する、のではなく、今使っているクラブを使い切ってから次へ進む、ことを推奨している。例えば、身長54インチの子を57インチ用セットへ早めに移行させるとするよね。するとクラブは長くなり、重くなる。もちろん振りにくくなる。それより54インチ用を使い続ければ、スイングスピードも手のスピードも向上し、より良い成長につながると考えているわけさ」
偶然にも54インチ用といったら息子が使う長さと重さと硬さ。息子にとっては、USKidsの推薦身長57インチ用のクラブでも相当軽いのに問題があると。で、大人用のヘッドを使う? 大人用クラブの開発にも長らく携わっておられたJosh Kenchinさんを筆頭として、USKidsの試合で小学生、そしてAJGA主催(アメリカンジュニアゴルフ協会)、その他試合で高校生、大学生を経年でデータを取りながら観察してきたスタッフ陣・チームにとって、それは長期的な視点からするとあり得ない。
「ちょっと待って、Oさん! とは言っても、PGAで今をときめく男子プロたちだって小さい頃にジュニアクラブ使ってるケースなんて稀でしょう。まして小学生高学年、中学生は!!!」と言われそうですけど(注: 実際に言われました。5人に)、検証できないけど、チームのメンバーさんたちがおっしゃるように、小さい頃にそんな重いヘッドで長いクラブを使っていなかったら、今、こんなスイングの特性は生じなくて、もっと...(以下、省略)
"ヘッドスピード" ではない。バランスよく体感をつかってノロノロスイングでもない。TPIのワークショップで散々聞かされた。耳にタコ、と私は言わないが、ハイハイまたですか、という感じ。技量向上に関する哲学、その実践形態のひとつ。
ジュニア専業。目の前の結果ももちろん気になるし大事だけど、それだけじゃない、いやそれに勝るものがある。道具作り。メーカーとして哲学がフワフワな企業もあるかと察しますが、キッチリしていても大人用クラブを主に開発販売する企業では考えによってはジュニアの成長とは両立しないものもある。小学生の試合を自ら開催し、膨大な数のジュニアとその成長を見てきた組織が蓄積した資源の幅と深さ、それを活用する力は計り知れない。弾道計測器でデータを取らずとも、試合や練習場での観察だけで深いことがわかる、チームにとっては。
で、ここからは私のUSKids(注: 現行のTour Series)への疑問というか反抗。ここで何度も記してきました。ウッド系をなぜ今になって伸ばしたのか。30年間、続けてきたことを変えた。実験的な道具を除いて。
1ヶ月ほど、息子に振らせてきて、しっくりこなかった。前作の推薦身長54-57インチのセットもすでに購入していた。そしてタイミングよく4月に新作が販売開始となったので推薦身長54-57インチのセットも購入しすぐに届く。前作の封を開けて試しても良かったけど、迷いに迷って前作は開けずに、新作の開封の儀を息子と行なってへ移行。
ウッド系だけが長い。で、新作の推薦身長51-54インチのウッド系(ドライバーはepTOUR Lite、長さも元に戻す)を微調整していただき、昨日午前、日本に届き、昨日、今日と東宝調布のレンジとコースで打ってきました。私的にはスイングウェイトに関する考えは視点を深めれば今なお有効だと思っているので、上述の動画にある通り、セット物の方が流れが良いのですけど、そこは微調整でなんとか。ドライバーは12.5度から15度へ、フェアウェイウッドもユーティリティもさらに寝てしまい、転がりをいれた飛距離は減ですけど、その息子の振りざま、そして弾道は文句なしに良かった。新作のTS−6の54を打てる技量、スピード、がまだ息子にないだけなのかもしれない。あくまでも、しれない、で。ショットを放ち、ボールのところに歩いて行くと表情が暗くなる。ここ東宝調布で何万回、いや何千回、いや何百回?とラウンドしてきたので、ここ1ヶ月間で叩き出した距離と比べてしまうと、激減は明確。「飛んでない」と息子。
ラウンド中のスイング動画を明日見せまくれば表情は明るくなるだろう。
先にふれた前作の推薦身長54-57インチのセット。袋すら開けてない新品未使用。調整済みのウッド系が届いた昨日、正確に言えば前夜に売れて朝、気づいたのですが、偶然にも某フリマ経由でお譲りすることに。息子と同世代か、成長を見越して前もって購入された年下の子を持つ親御さんかもしれない。ぜひこのクラブで基礎基本を磨き技量を向上していただきたい。お譲りした後で後悔しております。一番、流れがいいのが推薦身長に合わせたセットをそのまま使うことなのです by USKids製品開発チーム。個人的な見解で言うと、30年間、基本、踏襲してきた長さなのです。ジュニアクラブ専業メーカーが増え、大人用のクラブをジュニア用に調整する工夫の余地・技量が向上した現在、老舗ジュニア専業組織も時代の変化に対応しなければないのかもしれません。親として、見極めたいものです。
やっぱり我々親子は優良顧客じゃないな...
*1 "Kids Golf Equipment Talk Josh Kinchen, Senior Director of Product Development at U.S. Kids Golf," YouTube: US Kids Golf, 2026.1.20. 最新が最良ではない、ケースもある、人によっては。道具作りを包含する哲学。Josh Kenchin氏がご自身の前職に触れながらこう記している。「私がここで働くことが好きな理由もそこにあります。以前は別のゴルフ会社で働いていました。そこは非常に企業的で、数字ばかりを重視していました。でもここは違います。私たちの目的は、ゴルフ人口を増やすこと。そしてできるだけ多くの子どもたちがゴルフに触れられるようにすることです」。じゃあ、ゴルファーとして、てっぺんを目指すジュニアに対しては目を向けていない?そうではない。ジュニアツアーの開催もしているし、そしてこう説明している。「初心者もいます。ゴルフ未経験の子もいます。少し経験があって、初めての本格的なセットを買う子もいます。長くプレーしていて、より高性能なクラブを必要としている上級者もいます。さらに、ジュニアゴルフの最高レベルで戦うエリートジュニアもいます。能力が様々だからこそ、それぞれに合うクラブラインを用意しているのです」。最後の、"ジュニアゴルフの最高レベルで戦うエリートジュニア"。ドライバーに関しては、その答えが、epTOUR Lite。で動画の内容ばかりで私の考えがなく、内容を貼り付けてばかりだが、最後に。「5種類のヘッド重量カテゴリーがあります。単なる5種類のヘッドではありません。30%軽量から10%軽量まで、異なる重量設計のヘッドです。Tour Seriesではさらに3種類の重量カテゴリーがあります」。ヘッド重量にも、30年間相当こだわってきたUSKids。で、他のジュニアメーカー群を指して、「グリップも小さい子には太すぎます」とJosh Kenchin氏。ここは成長する上でデカいと思う。