2026.3.27
与える自由の中身は
2026.3.27
与える自由の中身は
(ハットではなく久々のキャップ)
今日はKGA(関東ゴルフ連盟)のジュニアイベントに参加してきました。場所はなんと袖ヶ浦カンツリークラブ・袖ヶ浦コース。ブリヂストンオープンのイメージが私には強くある。同時にゴルフを始めたのに父より先にプレーすることになるとは。こんな歴史があり格式の高い、いわゆる名門に行かせたら勘違いしそうで恐ろしいですけど、KGA主催なんだからしょうがない、と言い聞かせる。
親は帯同できず、受付まで。手押しカートで18ホール。3年生の男の子は2人だけ。別々の組に。お兄さんたちと4人で。7時に高校生の組からスタートして息子は9時36分。アウトスタートが男の子、インスタートが女の子で、終日ジュニアで貸切。さすがKGA。
試合のピリピリした雰囲気が全くないのに息子は完全に試合モード。「お兄さんたちに勝つ!小学生には絶対負けたくない」と。伝えてなかったけど、5,831ヤードありますよ。キレずに頑張っていただきたい。スタートまで時間があるのでレンジで整え、パッティンググリーンでみっちり練習。遠くから見ていてガチで戦う準備をしている。ヘラヘラしていない。おそらく周りの小学生を対戦相手だと勘違いしている模様。
クラブハウスの前でずっと観察していたら息子の組担当の櫻井委員が近くにおられたのでご挨拶。「お父さん、心配ないですよ、私がしっかり見ていますから」とのお言葉を頂戴する。よほど、過保護でコース慣れしていない親に見えたのかな…
小学生の親御さんらしき人たちが周りで話をしている。耳を傾けてみると、これまで息子が一緒にラウンドさせていただいた5,6年生、そして中学生のお兄さんたちの名前をあげて、うまい、強い、頭抜けている、などと語っている。実は我が息子、そのほぼ半数以上のお兄さんたちとラウンドしたんですよ、とは切り出せず。特に皆さん、L君の凄さに言及していた。同感。横でフムフムと頷く。実は息子、2回も一緒にラウンドしてて、私もプレーしたことあるんですよ、とは意味がないので言えず。確かにあの2ラウンド、凄まじい内容だった。
1番ホールは駐車場から全く見えない。父は泣く泣くその場を去り、まずガソリンを入れた後にPGA TOUR SUPERSTORE千葉浜野店に行って息子用の小物を調達し、ついでに?これが目的で?私の競技参加のためのアイアンを検討する。「マッスルはメルカリ。優しいのにして」「ディージー(注: 元祖ダイナミックゴールド)も変えて」と息子から忠告を受けているので、真剣に。5月に会長のところで研修会もあるから変えたいけど、そろそろ息子のクラブも入れ替えなので現実的には無理かな。腕を鍛えることに注力しよう。近くのココスでカチカチした後に、家から持ってきた文庫本を再読する。
『ゴルフレッスンの神様ハーヴィー・ペニックのレッド・ブック』
なんで朝この本に手が伸びたのだろう。先日コヤマカズヒロさんが言及されておられたのもあるかな。Harvey Penickプロは、Ben Crenshawプロを8歳から指導し、テキサス大学のコーチとしてもTom Kiteプロの活躍を支えてきた名伯楽。他にも名プレイヤーがずらり。本書の前半で、子供がゴルフする上での助言を記しておられる*1。そこでの1番大事なこと。「英才教育を施すなら、子供のやりたいようにさせること」という見出しで、次のようにわたくし父を目の前にして説教していただく。
「プレーでも練習でも、子供のやりたいようにさせれば良いのです。一番いけないのが練習場であれコースであれ、ほら頭を上げるな、左腕を曲げるな、ボールから目を離すなとうるさく注意し続けるような父親です。どれをとっても関心しません。父親はそれが楽しいのかもしれませんが、子供の成長は大いに妨げられてしまうのです。子供に自由な時間をたっぷりとゴルフコースで過ごさせ、プロの教師の指導を適切に受けさせることができれば、どんな父親でも、思っているよりずっと早く子供に負かされるようになるでしょう(翻訳書, p.75)」
自由は確保してきたつもりだけど、パパに見られてチェックされているなぁと息子は感じながら親子ゴルフ時間を過ごしているはず。基本を叩き込むために先生からいただいた課題に取り組んでいるので完璧な自由さはないけれど、父は限界まで堪えて息子に考えさせて楽しくやってきたつもり。あくまでも、つもり、であって第三者が見たらそうでもないかもしれないけど。
ココスの一番奥の席に陣取ってサラダとスパゲッティを食べて、コーヒー片手にHarvey Penickプロとみっちり対話し、時間をおいてデザートを注文してゆっくり味わってもまだまだ時間がある。混んできたので席を立って、コンビニに寄り、かつて上述のL君とのプレー後に親御さんからいただいたジャイアントカプリコを思い出して購入し、ゴルフ場へと戻る。それでもまだ時間がある。朝スタート組の高校生、そして8時台スタートの中学生が続々とホールアウトしてくる姿を観察して、どんな道具を使っているのか、目を光らせる。ジュニアさん同士&親御さんたちがどんな会話をしているのか、耳を澄ませる。昨日に引き続き品がない。
GPS付きの息子がようやくホールアウトしたことをスマホで確認し、クラブハウスの前でお迎え。ちゃんとお兄さんたちと打ち解けている。よかった。それにしても態度がデカく見えるのは私の先入観か。
で、結果は、5,800ヤードで超余裕の80切り! 喜んだのも一瞬。時間切れで2ホール残してホールアウトしたとのこと… 先に言ってくれ。2ホールともボギーで上がったら80超えてしまう。ショートとロングなので切れなくはなさそうだけど、ピン位置は難しそうなのでボギーだろうな。ただ一緒にラウンドしたお兄さんから褒められる。スコアを聞いた親御さんからも「すごい!」の褒め言葉をいただきまして、昨日に引き続き息子の自信がはぐくまれます。
帯同なしで歩きで回ってきたのにスコアばかりに気を取られる父。反省。Harvey Penickプロに説教されそう、柔らかい物腰で。息子はスコア云々ではなく、内容について明るく父に伝えているのに、なんとも冷めた表情で数字だけが頭の中を駆け巡ってしまう。
明日はジュニアの聖地に行く予定。息子「年下の子と回りたい」。理由はわからない。数字を忘れて、最大限の自由を確保することが、明日の父のテーマ。朝起きたら忘れちゃうんだろうな...
*1 Penick, Harvey and Bud Shrake (1992), Harvey Penick's Little Red Book: Lessons And Teachings From A Lifetime In Golf, Simon & Schuster (本條強訳,『ゴルフレッスンの神様ハーヴィー・ペニックのレッド・ブック』,日本経済新聞社, 2005;『奇跡のゴルフレッスン』 マガジンハウス1993年刊の増補) 。子供のクラブについても。ロフトが多いクラブを選択することに加えて、重さについてもアドバイスされておられる。「またクラブは必ず軽いものを与えましょう。小さな子供が重過ぎるクラブを使ってスイングしていると、悪いグリップを身につけてしまうからです(翻訳書, p.73)」。半世紀以上にわたってジュニアからトッププロまで幅広く教えてこられたアメリカ初のティーチングプロ。テキサス大学ゴルフ部のコーチも務め、優勝回数20回。子供(というより親)に対する助言・忠告を親として見過ごすことができないのは、Harvey Penickプロは、その教えを乞うたゴルファーの数だけでなく、プロ志望者を含む子の幼少期から大人に至るまでの経年変化を生で追っている数が半端じゃないこと。個性を優先されるプロなので一概には言えないが、この時期にこう指導したら後々こうなる、という知見を蓄積されておられわけで。一方で、父親にがんじがらめでゴルフをしているジュニアであっても上へと到達したケースもあるので、その例外とも言うべきケースに対してプロがどのような考えをお持ちだったのか知りたい気持ちがある。ゴルフにおいて例外こそ最強との考えがなんとなく私にはある。例外というのは技術的なことではなく、ゴルフ時間の中身のこと。私的には、その父親が狂ったように一貫していれば吉と出る感じがする。文字通りの自由には芯が育たない可能性があると思うため。