2026.2.2
擬似ナショナルチーム・ピラミッドの構図
2026.2.2
擬似ナショナルチーム・ピラミッドの構図
(これで準備は整った)
今日は学校の後、親子で高田馬場に向かう。調布には向かわずに。平日ラウンドをキャンセルしてまでクルマを走らせたその目的は、息子の誕生日プレゼントを買うため。まだ2週間近く先ですけど。息子同伴ですけど。そもそも祖父母からのプレゼント。要するに、私は購買代行サービス係。
以下、卓球の話が長くなります。なんとか最後にゴルフの話につながれば。
場所は国際卓球株式会社の高田馬場本店*1。前身は1946年創業の国際卓球センター。80年の歴史。超、老舗。我々ビギナーには敷居が高いけど、ほぼ全種類のラケット、ラバーがあると聞いて居ても立っても居られず。
恐る恐る店の中に入る。ネットで事前にリサーチしたけど、どう選べば良いのか全く分からず。棚には、ラバーがまだ貼られていないラケット群。足元から天井までビシッと並んでいる。後ろを振り返ると、数千枚はあるんじゃないかと思われるラバー群。想像を遥かに超えている。群に囲まれ身動き取れず、呆然と立ち尽くす。
もちろんスタッフに聞く。息子からの要望は、①月1、2回の8歳児エンジョイ・ピンポン・プレイヤーで扱えるスペック、②激スピン、③木製ラケットならMADE IN JAPAN、④出来るだけ長く使えるもの。
スタッフさんの丁寧な対応。まずは2種類のグリップ違いのラケットを握る。真っ直ぐなものとカーブしているもの。息子はなんども試して、ストレートを選ぶ。プレイヤー全体の2割が選ぶ少数派のグリップとのこと。次に、スピードと操作(色々とやりたいか)を聞かれ、「スピンかけたい!!!!」との息子の一声。即答。息子の身体で扱える大人用の軽量ラケットがいくつか候補に。その中からMADE IN JAPANのBUTTERFLY『ティモボル CAF』に決まる。お値段8000円ほど。木材3枚合板 + CAファイバー2枚、という仕様。ラバーが張られていない素のラケットには原産国やブランドネーム、ロゴマークなどが描かれていてかっこいい。同じメーカーでも5万円近いものもある。違いを説明していただく。うん、息子には絶対必要ない。
ラバーはドイツ社のandroのGTT45。MADE IN GERMANY。スタッフさんによると、日本が誇るYasakaの作るマークV(MADE IN JAPAN)が1969年から世界で愛用され続けおすすめだけど、息子の要望にはGTT45が良いかもと。ボールも変わってきているようで各社それに対応してラバーも変わってきているそう。
そしてラケットの側面に巻くシール?は、BUTTERFLYのHT・プロテクター、色はパープル。ラバーのメンテナス用品も選び、それら全入れのケースはYasakaのおしゃれなブルーのグリッドケース。
息子の選ぶ楽しみ(好き嫌い)とその息子にとって適正なもの(良し悪し)を高度に共存させてご対応いただいたスタッフさんに脱帽。ラケットの握り方まで教わって、他のベテランスタッフさんからは今後の用具選びに関してアドバイスいただき、店内にいる時間、フル対応。ここまでの対応をゴルフショップで受けたことはない。これぞ老舗と感じる。帰宅後、パッティングそっちのけで遊びまくる。
で、少々無理矢理感がありますが、卓球とゴルフの違いについて。なかでもジュニア育成。日本は世界でも活躍するプレイヤーを多数輩出する卓球王国。でもてっぺんには中国の存在がある。その強さについてジュニア育成に焦点を合わせて論じたものとして学びが多かった文献があります*2。記事の取材相手は、羽佳純子さん(中国名・李雋)。中国代表として世界選手権でダブルス2大会連続3位、その後、日本に帰化され、日本代表としても活躍、日本女子ジュニアナショナルチームのコーチをされておられた。
中国の強さを「どれだけ基礎をやりこむか」に求めた上で、日本のジュニア強化システムについて、中国との違いを交えて説明されておられる。
「小さい頃から結果が求められるので、日本では年齢が低いうちからサービス・レシーブからのシステム練習(戦い方)のような、実戦的な部分を優先する必要がある。やっぱり、どれだけ基礎をやってもサービス・レシーブができないと勝てませんから。...中国だと結果だけでなく、指導者が才能があると見込んだ選手にチャンスを与えることもあるので、そこは日本とは違っていますね。日本のシステムが悪いということではなくて、どの選手にも平等にチャンスがあって、結果によってチャンスが与えられるというのはフェアだし、スポーツとして良いシステムだと思っています」
記事では、前提として両国のナショナルチームの運営方法に起因する違いについて触れている。日本ではトップチームとして位置付けられているのがナショナルチーム。その下にジュニアナショナルチーム(高校生年代まで)、さらにその下にホープスナショナルチーム(小学生年代)がある。ホープスに関しては、U12、U10、U8ごとに分かれており、メンバーは大会の成績によって選ばれるとのこと。
要するに、"日本の場合、トップを目指すには小学生から結果が求められ、大会で結果を残せばホープスナショナルチームに選ばれて、次のステップに進むチャンスを手にする。逆に言えば、小学生のうちにチャンスをつかめないと、トップを目指すことは難しくなってくる"。すでに8歳から「結果」を求めるという意味での競争が始まっている。
一方、中国は先にあげた通り「結果」だけではないし、「才能」を見る。結果だけを追い求めないから、基礎のやりこみに注力できる。試合でミスを連発するような動きをしても問題ない。羽佳さんによれば、「長期的な視点で伸びしろのある選手を選抜していくイメージ」。世代が上がり、"U15、U19の国際大会で海外選手が中国選手に勝てても、そこからシニアに上がっていくと中国選手に大きく差をつけられることは多い" のも同じ理由とのこと。
日本ゴルフにおいては、日本卓球の世界のようなステップバイステップではない。成績を出せば、大学生からナショナルチームにヒョイっと入ることも可能。今の日本男子若手プロでアメリカでプレーされている方々はナショナルチームご出身が多いのも事実。ただ日本卓球の構図とはだいぶ違う。小学生で結果を出さなくても全然問題ない。一見すると、だんだんと削れていくスタイルではない。
ただただ... と思うわけです。ゴルフは小学生世代からナショナルチームはない。超長期的な視点で日々取り組めそうな気がするのに、競技特性もあいまって... 国内の伝統ジュニア試合や国際大会につながる予選試合で結果を残すと、前者なら地域の強化チームに入り、後者ならナショナルチームではないけど代表の意識をもちやすくなる。高校生ぐらいならそれで良い気がするけど、小学生世代となると弊害が多いのではと感じる。目先の結果にとらわれやすい。目の前のベストの結果が出るクラブを選びやすくなる。道具に問題がなくても、スイングも変則だらけ。そこは個性で、とは感覚論。
羽佳さんのお話の続き。中国と競っていくために必要なものは何か。中国のスタイルを真似てもおそらく追いつけない。基礎は基礎としてやりこむことは必須。
「日本ならでは、選手ならではの個性的な部分、新しい部分を持ちながらも、ベースとしてのラリーの強さを引き上げていくことが大事ではないでしょうか」
個性が一番ではない。やはり基礎。
「センスや才能のある選手、いわゆる『天才』は自由にやっても勝手にできてしまうので、基礎練習や反復練習が嫌いな選手が多い(笑)。ただ、中国はそういう選手にもしっかり基礎は教えますし、それがあるからさらに強くなる。指導者が全て教えてしまっても発想力がなくなるし、逆に全てを選手に任せても足りない部分が出てくるので、そこのバランスというのは求められると思います」
引用ばかりですみません。天才に基礎を叩き込む。目の前の結果にとらわれず。指導者の関わり合い。ゴルフの技術論に関して私は何も息子に教えませんし、レッスンでは型を、そして基礎中の基礎に触れていますので、前向きに捉えて、発想力は豊かだと思われます。地味練やりすぎて発想力が削れている感はありますが、そこは親子ラウンドを重ねて対応、ということで。コースでも地味練している感はありますが。やはり発想力は課題だな。
競技特性は異なるけれど、超早期教育、それに早くからトップの国際舞台に躍り出るプレイヤーが多い卓球の世界から学ぶことは多そうです。
*1 ウェブサイト: 国際卓球株式会社(高田馬場本店). 選手のサイン入りラケットが数多く展示されている。芸術品に見える。各々の商品が共鳴し合って森になっているかのよう。明治神宮にいるような空気感。
*2 月刊『卓球王国』, "中国の強さは「基礎」に裏打ちされたラリー力: 日本の対抗策はコピーではなく個性," Sportsnavi, 2022.10.5. 強いボールを打つためにはフィジカルが必要、と強調されておられる。「強いボールを何球も連続で打つのに必要なのは足のパワーであり、土台になる下半身が重要です」。読み返していると最初の時と同様、後藤修氏とジャンボ尾崎プロがトレーニングに励む姿が思い浮かんでしまう。下半身。そして連動する身体の各「部品」。