2025.9.5
10年後のドライブ
2025.9.5
10年後のドライブ
(先週末、人生初の10万キロ、息子と歓喜)
今日ラウンド予定の東宝調布は台風のためクローズ。土砂降りだろうと強風だろうとラウンドしてきましたが、クローズは仕方ない。夕方から雨があがったけど足元がダメなのかな。現場に行けば回らせてくれるかなと思っていたところ、タイミングよく私の携帯が鳴り、「申し訳ございません。コースはクローズとさせていただきます」とご丁寧にお伝えいただきました。自動音声ではなく。長年通っているので私の考えを察知されたのか。
ラウンド予定だったので時間がありすぎる。こんな時こそ腰を据えてと、ある番組を家で見ました。早稲田大学ゴルフ部キャプテンの中野麟太朗さんのドキュメンタリー*1。私は配信直後に見ているので今回2回目、息子は初めて。
本編の冒頭。後部座席に麟太朗さんを乗せてハンドルを握るお父様が語り出す。初っ端から釘付けになる私。昔からお父様のブログ愛読者ですし。一方、息子の目が奪われたのは、キャンパスで授業を受ける麟太朗さんの姿。「なにしているの?」と息子。ゼミの先生から課された宿題が麟太朗さんのスコアを乱すらしい。かつて同じようなことを私も学生から言われた記憶がある。それは野球部の学生に。課題が多すぎて試合でパフォーマンスが落ちると。「調べるというのがいい意味でリフレッシュになります」と麟太朗さん。大学で身体のことやスポーツビジネスを学んでゴルフに活かされているそう。学業とスポーツの連動。
60分間集中して最後まで息子は見続けていた。8歳児から見てもカッコ良すぎるはず。特にトレーニングと団体戦の様子については言葉も発せず、凝視。今後に繋がる大切な何かを息子なりに掴んだと思いたい。例えばそのひとつ。麟太朗さんは左手にハンデを負って取り組んできた。「それなのになんであんなにスピード出るの!逆にプラスになってるじゃん。すごい努力!」。
で、麟太朗さんには大変申し訳ないのですが、それ以上に息子の関心を惹き付けたのは、本シリーズ「スター・アスリート」の他の番組です。堀米雄斗さん、猶本光さんとスーパースターの姿を立て続けに見て、今これを書いている時には若き柔道家、斉藤立さん。おそらくゴルフとは違う世界が新鮮に映っているのでしょう。大学ゴルフ部の現場は私が息子を引っ張り出して見せているけど、スケートボード、女子サッカー、柔道は、息子の知らない世界。どの世界も上へとのぼりつめていく人には独特なものがある。ずっと見ていられる。
みなさん、共通するのが先生や監督(親御さんの場合を含む)の存在の大きさ。競技に触れた小さい頃にかけてもらった言葉や、ジュニア後期になってさらにアスリートとして高みを目指す際に受けた重みのある指導。ひとりじゃ、そこまで到達しないというメッセージをみなさん発しているように感じる。
"ゴルフ中野麟太朗~自分を信じ抜く先に~"
エンディングへと向かうところで、冒頭の映像の続きが挿入される。後部座席に座って取材を受ける麟太朗さん。力強いお言葉。その画面左端に映された、ハンドルを握るお父様の後ろ姿。冒頭とは異なり一言も発しておられない。息子さんの言葉ひとつひとつに耳を澄ませているご様子。なんともジーンときてしまう。
*1 “ゴルフ中野麟太朗~自分を信じ抜く先に~,” FOD, 2025.8.31. 麟太朗さんの強さについて、斉野恵康監督は次のように説明しておられる。「自分がこうするんだって決めたら迷わずそれをできること。なんでゴルフってやっぱり迷いってのが一番ミスを生むんですね。恐れだったり迷いだったりとか。そういったものを払拭して、こうする、っていう意思の強さが彼を支えているし... やはり他の子と違うのはもうボールに向かった時に迷ってないなと。まあそのへんが彼の強さなんじゃないかなと思っています」。麟太朗さんが他の部員に教えている姿がある。かつて斉野監督がおっしゃっておられたこと、そのもの。