2025.8.9
向上心と信頼
2025.8.9
向上心と信頼
(また左足にカゴが)
今日はプールと運動教室のために東京に戻って、午後は息子の意思を尊重してコースに行かずに会長のところへ。はやいお盆休み?で大渋滞。プールでは今月同じクラスに加わった年下の女の子に後ろからガンガン煽られ、逃げまくって疲れ果て、運動教室の土曜日担当カズコーチからはバランス能力と変換能力をテーマに指導を受けて力がほぼ尽きてしまってラウンドどころではないのかと思いきや、「宿題をやりたい」と息子。
前に紹介した『Golf is Not a Game of Perfect』。冒頭に原則が記されています。
「スイングしながらフォームについて考えているようでは、安定したショットを打てるはずがない(翻訳書, p.2)」
出版当時はまだBob Rotella氏がRory McIlroyプロと仕事をする遥か前。本書のなかで「"正しい" スイングは存在するか?」という、とある技術論に対する、ある意味挑戦的な説明もある。
練習するのは当たり前。でもBob Rotella氏は、サポートしてきた超一流ゴルファーに触れながら「上達するためには練習しなければならない。ただし、大事なのは練習の量より質である(翻訳書,p.218)」と書き、それを伝えるために「アメリカ人は」と前置きして次の説明をあらかじめ用意されている。
「…練習に時間を費やせば費やすほど自然にうまくなれると考えている。…才能に恵まれた人であれば、スクラッチ・ゴルファーになれるだろうし、大学のスポーツ奨学金ももらえるかもしれない。しかし、そうした考え方では、次のレベル、つまりPGAツアーで優勝するレベルに到達するのはほとんど不可能といっていいだろう。そこまで達したければ、一歩下がって考え、完璧なフォームの追求にむやみに時間とエネルギーを注ぎこむのをやめなければならない。違った練習方法を学ぶ必要がある。ゴルフは、一生懸命練習すれば勝利が保証されるわけではない。それが災いすることすらある(翻訳書,pp.217-218)」
要するに、PGAツアーで優勝するには 才能がまずもって必要。一定のレベルに到達するためには時間(量?)が必要。でもその練習が "災い"となることもある。
この文脈においてイップスという言葉は出てきませんが、私はこの部分を何度読み返してもイップスという言葉が思い浮んでしまいます。
Bob Rotella氏が強調するのは、自分のゴルフに対する向上心と信頼。向上心はスイングの改良や基礎固めにおいて重要で、信頼は勝負強さを身につけるために必要不可欠、という点。思うようにクラブが振れなくなるのは自分のゴルフが信頼できないから。「完璧さは練習によって生み出され...」とBob Rotella氏は考えない。いつも完璧なんてあり得ないから。
息子が宿題を終えるために今まで以上に自発的に時間をかけているドリル、連続素振りと連続打ち。明日のラウンドレッスンで宿題を提出するために今日も会長のところで2つのドリルで練習を締める。息子は向上心を持って宿題に取り組んでいる。表面的に捉えるとフォームの形成。そうじゃないことは息子も深く理解している。インパクトの感覚を磨くためだと。
私が思うに、試合で勝利して得られる自らのゴルフに対する信頼よりも、ずっと続けてきた日々の地味練で得られた信頼の大きさ。「まずは夢を持つこと」と第1章で力説するBob Rotella氏が、その信頼を得るために最終章で提示しているもの。
習慣。