2025.5.10
バガー・ヴァンスの選択
2025.5.10
バガー・ヴァンスの選択
(お友達が見つめるなかで、パー3)
前回の投稿に対して、お二人からコメントをいただきました。お二人とも息子より世代がかなり上のジュニアさんの親御さんです。
最初にコメントをいただいたお一人からは、JGAナショナルチームのヘッドコーチGareth Jonesさんの指導内容の一部を教えてもらいました。詳細は差し控えますが、コースマネジメントのお話し。それを踏まえると、今回の試合でのラウンドはあまりにも雑。普段からコースとしっかり向き合っていないと今と何も変わらなくなってしまう。現在の息子の技量では限界があるけれど、その教えは日々の練習や試合で役立つこと間違えなし。
もうお一人からは、"おさらいラウンド" のすゝめ。息子が今回挑んだ男子7-8歳カテゴリーでかつて優勝、世界ジュニアにも出られたお兄さんの親御さん。今は強豪校の高校生。現在だけでなく7-8歳当時のコースマネジメントの話も。同じ年齢なのに息子の技量のレベルの低さ&我々親子のラウンドの雑さが際立ってしまう… そのマネジメントのことに加えて、もう一度美浦でラウンドして振り返ってみたらよいのでは、というご提案をいただきました。反省ばかりして、父は未練を引きずって動けていない。試合で負けたその場所で、当日を振り返りながらラウンド。このアイディアは全く思い浮かびませんでした。休日は高すぎるので、平日で学校が休みの日に実行したいと思います。
日々考えていること、反省点などを息子より下の世代のジュニアさんをもつ親御さんに参考になればと思って始めた本サイト。少し期待していたところでもありましたが、私よりも経験豊富な親御さんから教えてもらう機会が増えてきました。本当にありがたいです。
ゴールデンウィークの課題として、杉澤伸章さんの著作を再読&積読を崩すことを設定しました。その高々と宣言した投稿に対して、美浦で時間を共にしたジュニアさんの親御さんからコメントをいただきました。杉澤さんの著作読むよ、と。その4冊のなかから、敗戦後のキャディとして、私にとって印象深いところを紹介します*1。
2000年制作の『The Legend of Bagger Vance(バガー・ヴァンスの伝説)』。天才ゴルファーと期待されたラナルフ・ジュナが自暴自棄になっているところをキャディのバガー・ヴァンスが助けていく物語。杉澤さんはその名作を取り上げて、キャディの本質を説明されておられます。とある試合において、ジュナが "無理を承知の強引な戦術" を選んだとき、観戦者から"止めて!"と言われても、キャディのヴァンスは止めさせない。そして杉澤さんの説明。
「この場面、私なら迷わず "無理はやめましょう" とプレーヤーに言うでしょう。それがキャディの仕事だと思うからです。でも、長い人生を考えたときに、バガー・ヴァンスの選択も良いなあ、と感じました。失敗を経験させて気づかせる。しかも、実践の中だからこそその意味は重い。次に同じケースに遭遇したときは、絶対に失敗しないからです(p.218)」
そうなんです、だからわたくし父は美浦の大叩きパー3で息子が手にしたティーショットと3打目の番手を止めなかったんですよ、とは大嘘です。父がここで口出したら息子はリズムを崩し、やる気が失せて叩くと思ったから言わなかった。それに息子の技量を信頼しきっていなかったせいもある。
私なりに解釈して息子にやさしく伝えたところ、前にも繰り返してたように「あれは(美浦での大叩きパー3)、失敗じゃなくて技術がたりなかっただけ」「最初の日だってスコアがでなかったでしょ。技術がないだけ」と息子。コースマネジメントに関して失敗にすら思っていない? 現実逃避なのか、私より上の世界を見ているのか… 失敗だ、と認識しないと次には進めなのでは。
今日はそのGW課題の投稿にコメントをいただいたパパさんと息子さんと4サムでラウンドしてきました。同世代の男の子と試合や練習ラウンド以外でゴルフするのは初めて。試合とは違う緊張感。プレーで遊び出さないか心配で。二人ともナイスショットがたくさんあって、楽しくゴルフできて何よりです。ラウンドの後は近くのゴルフ練習場併設のバッティングセンターで打ち込んで(野球)、焼肉食べて、また元に戻ってバッティングセンター併設のゴルフ練習場で打ち込んで(ゴルフ)から帰宅しました。バッティングセンターではマイバットを持ったジュニアさん、そして険しい表情で後ろから見つめる親御さんの姿。めちゃくちゃうまい。でも親御さんと思われるお父さんが問題点を指摘している。ゴルフ練習場と変わらない光景。たた違うのはバッティングセンターでは子供が多いこと。周りに気をあまり使わずにバンバン打てる。のびのびできる。
ラウンドではパー3でピンを攻めたショットもあったけど奥にはいかず。狭いグリーンに上手く対応できたような気がします。大叩きパー3での出来事を失敗だと認識していた感じもゼロじゃない。
お友達から「はやくまたラウンドしよう」と言ってくれたことがとても嬉しいです。今度はジュニアの聖地でラウンドする確約を得ました。ぜひ我々の平日ホームコースでも一緒にラウンドをしていただきたい。二人でどんどん上を目指してもらいたい。
そろそろ未練は消えてきたかな。バガー・ヴァンスさん、杉澤伸章さん、そして何よりも3人の親御さんのおかげです。ありがとうございます。明日もジュニアさんとのラウンド。未練は完全に消えることでしょう。
*1 杉澤伸章(2011),『ここ一番で、なぜ「普段の力」が出せないのか?』,ベストセラーズ. 杉澤さんの言葉には励まされます。「実践の中」じゃないと意味が薄れてしまう。「同じ失敗という過去でも、その後の努力でまったく "意味の違う過去" にできるということです(p.174)」とも語られている。反省も大事だけど、失敗を受けれて努力するしかない。