2025.2.3
文字通りの反復練習は必要?
2025.2.3
文字通りの反復練習は必要?
(ゴルフのことを考えてしまう父)
先週末は久しぶりに会長&Hプロの練習場に行きました。1月末は諸事情により、行けず。やっぱりランドだけだとダメですね... いや、ラウンドもしつつ芝でのショット&アプローチが必要ですね、と言いたいところですが、アプローチ練習は随分と日が空いたのに以前とそんなに変わらず。目の色変えて毎日練習しなくてもいいじゃないのかなと思ってしまいました。
本日息子は他校とバスケの試合。学校のクラスでしか練習していません。反復練習(反復という名の基礎練習?)なるものをしていない。本人はチームに迷惑をかけずと頑張っておったようです。ただバスケを毎日練習している子には足元にも及びません。
誰かの発言を持ち出すまでもなく、ゴルフは反復練習を通じてスイングを安定させる、再現性を高めることが強調されてきました。ただゴルフのように反復練習が大事だと思われている競技でも、反復練習について否定的な意見を述べる賢人もおられます。
その一人が室伏広治さん。ハンマー投といったらハンマーをより遠くに飛ばすためにクルクルと回るシーンが印象的です。常に同じ動きをすることが求められそう。相手が投げてきたボールを打ち返したり、相手を観察しながらそれに応じて自分の動きを変えるといった競技ではありません。なのに、「いかに反復させないで練習するか」を考え続けてきた室伏さん*1。
「最初のうちは慎重にいろいろ動いたりしますよね。ところが慣れてくると、勝手にできるようになってくるんですけど、それが微妙に運動が狂ってくると繰り返しているうちに、たとえば関節が摩耗したりするような動きになる。それで怪我をしていく。反復運動に感じさせないように慣れさせないようにするのが、やっぱり頭を使った練習」
怪我の防止。年齢を重ねてきたからこそ? ただそれだけではなさそうです。説明の後半に出てくるキーワード、「頭」。お話と実際のトレーニングの要点をまとめると、毎回運動が違うように練習するのが大事。道具に不規則な動きをさせてそれに身体を対応させていく。こうすると反復が避けられるし、脳から正しい指令を送ることが可能になる。怪我の予防と、固定ではない身体制御(促進)の強化。色んな動きができるようになる。
頭では一瞬分かったつもりにはなりますが、その本質を理解するには、高いレベルでの競技経験がない私如きでは限界があります。 反復するな、とおっしゃっているわけではない。でも室伏さん自身が、いかに反復させないで練習するかが肝、と強調しておられる。
ゴルフにおいては特にジュニア時代から再現性を高める指導が昔からされてきたので、反復練習しないなんてあり得ません、となる。基本中の基本でしょうと。しかも国内外を問わずレジェンドや今をときめく中堅どころのプロの多くが、素振りを中心にものすごい量の反復練習を重ねておられる。始めた頃に悪い癖がつくのも避けたい。
でも、ど素人ながら次のような疑問が浮かんできます。ジュニア初期に、ある特定のスイングを理想としてそれが形になるように、そしてそれが繰り返せるように何度も振る。で、少しずつ形になってくる。で、高校生ぐらいになって、こうしたスイングをしたいなぁ、と別の理想が生じた時に(トップの位置を少し低くするとか、少しインサイドにバックスイングするとか、ダウンで右腰が前に出るのを少し遅らせる、などなど、さらにより大きなものもある)、それできるの? と。ジュニア振りから脱するというレベルでなく、より高みを目指して。時代に応じてスイングの考え方が変わると松山英樹プロもおっしゃっておりましたし。本来その人にある癖を活かしながらも理想は変わる可能性大。色んなスポーツをして身体能力を高めてもどうにもならない。圧倒的なスイング量で脳にそれを記憶させているから奥底では抜けない。
コースでは複数球使って同じライから打たなければ基本、ランダム練習。天然芝練習場ではボールを一箇所に固定せずに1球1球違うライで違うところを狙うなら、それもランダム練習。時たま行くレンジでは毎回違う場所を狙って、トップトレーサーがあればコースモード。要するに、息子はランダム学習だらけ。でもスイングが安定する? してないかも... 脳が鍛えられるから問題ないかな。
反復の仕方にもよると思いますが、身体(筋肉、関節、骨?)ではなく頭(脳)が動作を記憶するのだと考えると、なんとなくお二人の会話が腑に落ちそう... やっぱ無理かな。室伏さんがここでおっしゃっているのは、一般的な意味での(イメージする)ランダム練習ではないような気がします。同じ動作を繰り返すという意味での反復練習の対極にあるものではなく。
あれやこれやインプットしすぎて、頭がこんがらがっております。そんなこと考えなくたって、ほぼ自動的に反復練習とランダム練習が組み合わされるわけでして。ラウンドでのランダム学習とレンジでの反復学習(家や公園での素振りを含む)。でも、特にジュニアにとっては要らぬ心配だと思いません... 反復練習を通じて一度刻まれた脳の奥底にあるものは消しづらいから。後々悪さをしそうな気がして。それに、将来的な身体の適応性を自ら前もって削っているような気がして。
ちなみに、先週末は会長自ら息子の60度ウェッジで、多様なライから転がしたり上げたり、インパクト後に右手を離して打ったり、開いて低く打ったり、色々と見せてくれました。ホラ、やってみろ、と。一球たりとも同じ動作はない。これこそランダム学習。そしてグルグルそれをやる。反復。恐れ入ります。
*1 非公式にアップロードされた映像なので引用先は差し控えさせていただきます。YouTubeでお名前と「運動理論」などで検索すれば出てきます。報道ステーションの一コマで、松岡修造さんが取材されているものです。取材の中盤で室伏さんが松岡さんにこう投げかけます。「反復する運動というのは繰り返せば繰り返すほど強くなるというように教わったことがありませんか?」。それに対して松岡さんは、「僕はそれが一番だと思っています」とお答えになる。そこに室伏さんが疑問を呈する形で先ほど引用した説明をなされています。私にとっては、レベルが高すぎる世界で理解できないところがあります。室伏さんが最初に投げかけた問いですら私には理解不能です。今のところ、同じ動作の反復で脳が学習しなくなるのを防ぐように、という意味で私は捉えております、TPIなどで学んだことを踏まえて。