2024.6.21
しだるTV、ジュニア編
2024.6.21
しだるTV、ジュニア編
(数字は見せたくないけれど)
息子のクラブセッティングについて、ようやく落ち着いてきたかなと思っていたところ、また迷いが。その理由は、もっと打感と打音がいいクラブを振りたい、と息子が言い出したことにあります。とりわけアイアンとウェッジについて。一昨日、一緒にラウンドさせていただいたお兄さんがインパクト時に惚れ惚れするような音を響かしておりまして、「ああいう感じの音がいい」と。そりゃ、ゴルフをしていれば誰もが憧れます。
ジュニアのヘッドではどんなに芯で捕まえて打ったとしても “あの音”はでない、という息子による分析。さらに言えば、お兄さんが放つ弾道もヘッドのせい... 私から言わせると、いやいやさすがにそれない。質の高いスイングによって生まれるものですし、音についても仮に同じヘッドを使ってどんなに早く振っても “あの音”を響かせることは不可能。でも息子にはそれが腑に落ちない。とにかくヘッドが... としつこいので、だったら打てば分かるだろうと考えまして、かつて息子が使用していたTitlist 718AP2に加えて、友人からいただいた三浦技研TC101を実験用にリシャフトしたもの、同じく大人用のヘッドをいくつか、さらには長さはまちまちですが所有しているジュニアクラブを引っ張り出しまして、試打させてみることに。全部7番アイアンで打ち比べ。打つ度に息子の解説が始まります。YouTubeチャネル、しだるTV、のように。
その結果、打感や打音は大人用ヘッドの方が息子好みであることが分かりました。ジュニアクラブも私からしたら打音も良いと感じます。三浦技研に関して、息子はその歴史的背景や名声を知っているわけではないのですが、「打感めっちゃいいい。ダントツ」と。驚きです。だた、「“あの音” がでない」と息子。でるわけありません。ジュニアクラブに比べたら自分好みだけど、ヘッドを変えただけじゃ“あの音”は得られない、と理解した様子。弾道に関しては、「ジュニアクラブの方がいい」と納得。「大人のヘッド使っても “あの弾道”がでない」と、こちらも腑に落ちた様子でした。ただこれまた驚きなのは、「シェイプはミウラだな」とも。子どもの感性も刺激する、三浦技研。
ということで、お兄さんが放つ弾道はまだまだ得られないけども、やっぱりジュニアクラブ(ただ、すぐまた迷いが訪れるでしょう、私由来で)。室内練習では私の確固たる信念がありまして、弾道以外のデータはほぼほぼ隠しているのですが、今日はクラブデータを見せました。クラブデータに触れてしまうと、途端に調整しようという意識が働いて、自分なりにあれやこれやと変えたがる。身体が反応してしまう。気持ちよく振れなくなります。それに、数字がこう出てるからこうしよう、というアドバイスは怖くて私自身できません。長期的な視点にたって指摘できる知見や経験がありませんから。今の息子はこんな感じで打っているんだなということを理解するだけにとどめております。そうであっても本日、息子に理解させたかったのは、特にヘッドスピードに関してです。ヘッドが重いとヘッドスピードがここまで落ちるんだ、という点。「重いヘッドの方がボールが強い感じがする」と息子は常々言っていましたが、ヘッドスピードが1m/s強ほど落ちるのを見て、「だからロフトが立ってるのに思ったほど飛ばないんだ」と*1。
小学低学年のジュニアにとって、優先して取り組むべきことは何か。ヘッドスピードをあげること*2、再現性を高めること(反復練習)、悪い癖をつけないこと、感覚?を磨くこと、物真似能力の向上、絶対的距離感の獲得、 ゴルフを楽しむこと etc. 過度に重いヘッドは(軽すぎても...)身体に、スイングに、色々と悪さをする。大人用のヘッドでミスがミスとして現れやすいものとか、フィードバックがたくさんあるもの、それはそれで良い側面もあるわけですが、失うものも多いのかなと。道具にこだわるというのは、物的な属性の良し悪しではなく、そのゴルファーとの関係性においての話だなと、ようやく解禁されたとばかりに数字と睨めっこする息子の姿を見ていて改めて思いました。
*1 息子は久しぶりにクラブデータを見て驚いていたのが、ドライバーのヘッドスピード。前にチラ見せしたときは、平均で28m/sほどでしたが、今日は30m/sを連発で超えるほどに。力んでもいない。それを見て誤ったメッセージを受け取ったのか、「大人のヘッドで大丈夫だな」と。「いや、ジュニアクラブを使用し続けてスピードがあがったんだよ」と私。ちなみに、USkidsは身長129センチ以降(靴を履いた状態)は、ドライバーのヘッドスピードで、UltralightかTour Series、どちらが良いのかを判断しています。55mph(24.5m/s)以上だとTour SeriesかepTOUR(ドライバーのみ)を使ってね、となります("Our Fitting Center," US Kids Golf. epTOURに関しては、前に確認した時はヘッドスピードの値がもう少しシビアだったのですが変更されてのでしょうかね。単に誤記?)。公式ウェブサイトに表があります。身長121センチから128センチまでの間の子はTour Seriesが用意されておらず、50mph(22.3m/s)を超えていたら、epTOURのドライバーを使ってもいいよと。でもヘッドスピードが早い子むけにTour Seriesが用意されてないじゃん、と思うのですが、どこかで境目を設けなくてはいけないので難しいところです。Ultralightで十分よ、しなりを感じながら早く振ってね、というメッセージが込められているのでしょう。振り切れる範囲で、しなりまくって軽いクラブ。ヘッドが暴れるとか言わずに。しなりすぎると飛びませんけど。
*2 とにかくジュニア時代はヘッドスピードをあげることを重視するべきだ、との考えはアメリカでは強いようです。TPI(Titlist Performance Institute)やUSkidsのプログラム、オンラインワークショップに参加していると、細かい技術はあとからで、身体が出来上がると身に付きづらいスピード能力こそ、ジュニア時代に高める必要があるとの考えのもと、クラブの長さは短めに、ヘッドは軽く、というアドバイスになる。軽硬シャフトとまではいかなくても、スピード重視。それだと、再現性の向上という点においてどうなのかなぁと私の素人的な考えが生じてしまいますが、色々と考えがあるのでしょう。シャフトをしならせる技術を養う、極端に言えば、しなりまくる棒をコントロールする感覚も磨くとか。ジュニア時代にヘッドスピードをあげることが大事だという点については、日本語だと、本家しだるTVに出演されている宮崎太輝プロによる説明が参考になります。動画については、「質問に答えるコーナー! ジュニアゴルファーのクラブ選びについて」, YouTube; Taiki Miyazaki taikiprogolf, 2021.11.22. 記事については、息子がゴルフを始めた当初に触れまして大変勉強になりました。 「ジュニアゴルファーのクラブ選び!」, Amebaブログ;宮崎太輝のグローバルスタンダードゴルフ!, 2014.5.3. 別のページで、ジュニア時代における飛ばし能力向上とシャフトしなりとの関係性についても、アメリカの現場での意見を交えながら説明されておられます。「シャフトにかかる負荷と飛ばしの関連性」, Amebaブログ;宮崎太輝のグローバルスタンダードゴルフ!, 2014.5.9. 以下のように説明されておられます。「アメリカ人の子供たちは形にこだわらないので、普通にスイングスピードが速いです。それに対して日本の子供達は徹底的にフォームを教え込まれます。なのでそんな子供達は、プロ顔負けの綺麗なスイングをしているわけです。その代わり皆死ぬほど遅いスイングしてます笑. 向こうのコーチやクラフトマンが良く言っていたのは、『飛ばしのセンスを養えるのはやっぱり子供のとき。ボールを曲げなくすることはあらゆるアプローチがあるので簡単だが、飛ばしのセンスに関してはそうはいかない。飛ばすための『何か』は子供のときに取り掛かるべきだ。』ということでした」。その “何か”については記事をお読みください。行間を読んでいただけると学びが多いかと。