2024.5.14
スイングの完成度とは?
2024.5.14
スイングの完成度とは?
(父もクラブを用意しましたが...)
先週に引き続き、息子は運動教室の後にそのまま歩いてゴルフレンジへ。父はゴルフ肘ということもあって毎日打ち込むわけにいかないので1球も打たずに後ろから眺めておりました。私の観察眼のレベルになりますが、最近、スイング軌道が安定していません。
ずっと後ろから観察していると普段気づかない点に目がいきます。時間も後半に近づくと、まっすぐ飛ばすことをやめ、ドローやフェードを意識的に打ち始める息子。まだまだ思うように打てないし、先生から指導を受けているわけではありません。自分なりにボールの位置やフォローの取り方を変えながら取り組んでいる。私はいつもこれはやらない方が良いと言い聞かせてて、遊びとして数発打たせるだけにとどめています。ただ父から指摘しないと、練習時間の半分ぐらい、球を曲げたり、高低の差を出すことを楽しんでいる。単調な練習はつまらないのでしょう。
球を曲げることに時間を割いて欲しくないと思う背景には、野球に関する1本の記事があります。氏原英明さんがNumber Webに書かれた「山本昌 “中高生にスライダーは危険” 大谷・マエケンは投げなかった。」*1。
前田健太さんと大谷翔平さんは高校時代、意識的にスライダーを投げなかったそうです。当時の監督さんの方針でそうなった。なぜかというと、スライダーを投げるときに曲げようという意識が働き身体を横に振るようになってストレートに影響が出てしまうから(前田さんの場合)、スライダーを投げると身体を横に振ってしまってストレートがいかなくなるから(大谷さんの場合)。要するに、「スライダーの副作用」。
この記事のなかでレジェンドの山本昌さんは、「スライダーは肘が下がりますし、手首が寝るようになってしまいます。1度手首が寝る癖がついてしまうと、簡単には直らないんです」と指摘、中高生ではなく、身体ができあがってフォームも固まった段階でスライダーを投げ始めた方が良いとアドバイスされておられる。書き手の氏原さんは、「早い年代でのスライダーの多投は、下手すれば選手の身体を脅かすことにもなりかねない。プロを目指すならばなおさらだ」と総括し、「スライダーを投げる高校生投手に対して、"完成度” というのは安易に使っていいフレーズではない」と警鐘を鳴らしておられます。
この前田さんと大谷さんの話は、高校生時代のことであって、低学年ジュニアにおけるスライダーの練習はさらに悪い癖がつき身体にも悪影響が出るのは言わずもがな。
ゴルフに置き換えた場合、持ち玉や球筋の傾向は個々人あるにせよ、ストレートに近いボールを打つ練習、基本に徹する。フォームが固まった段階で曲げの練習をし始めるということになりましょうか。フェードやドロー(ベイビードローとかだったら別?)を練習しまくることで通常の球筋を出すスイングが不安定になる。ボールの位置を変えるだけでも副作用が出る気がします。
山本さんが指摘する “癖が簡単には直らない” と氏原さんが警鐘を鳴らす “身体を脅かす” という点。後者について詳細な説明はないのですが、スライダーの副作用として身体への負荷があることが読みとれます。ゴルフだと、フェードやドローの練習をして身体に負荷が掛かるというのは想像しづらい。ジュニア時代に身体に負荷が一番掛かるのは、大人が使う重量のあるバットや棒を縦振りすることだと思います。スイング軌道を安定させるために、クラブを早く振れるように、重量のあるバットを振らせようとは思いません。筋トレとしてもリスクが高すぎる。
今の段階では、フェードやドローを打ち分けられるという意味での完成度を目指すのではなく、まずは球がストレートにでる基礎練習を重ねていきたいなと思いながら、方向性を安定させながら飛ばす(早く振る)&スイングの軌道を安定させる(バランスも良くする)ために日々親子で取り組んでおります。安定度。
*1 氏原英明,「山本昌「中高生にスライダーは危険」大谷・マエケンは投げなかった。」, 2017.12.19. 記事の紹介ばかりになってしまいますが、大谷さんの深い言葉が取り上げられています。大谷さんによると高校時代とプロではスライダーへの意識が違うとのこと。「曲げたいなと思って投げようとしているか。曲がるためにどうすればいいかと思って投げているかの違い」。私のレベルでは正直、理解不能です。