2024.2.21
将来スピードを出すために
2024.2.21
将来スピードを出すために
(息子の素振り棒でスピードUP)
丸山茂樹ジュニアファンデーションの公式インスタアカウントで、丸山茂樹プロのインタビューが投稿されております*1。アカウントをフォローされている方も多いと思いますので改めてこちらで取り上げる必要もないのですが、ジュニアの道具選びに参考になるのでその部分だけ共有させていただきます。PGAツアーの変化について、クラブに焦点を合わせて説明されておられます。
「飛距離の部分というのは、もちろん伸びてますよね。みんながやはり子供の頃から自分に合ったクラブを使っているので、スピードを出す能力が全員高い。僕らの時と25ヤードぐらい平均が違うんじゃないかな… クラブは大きいでしょうね。軽いクラブを子供の頃からスピードをつけて振れるんで、何でも軽くなってるじゃないですか。例えば、掃除機一つでもめちゃくちゃ軽くなってるし、車もそうですよね。昔は重たかった物がエンジンのパワーはすごいのに。軽くてだからスピードはつく。そういうのと一緒だと思います」
ここでいう「子供」が何歳ぐらいのジュニアを想定しておられるのか分かりません。ジュニアファンデーションが開催する試合の参加資格が新中学生*2。中学生だとジュニアクラブを使用している子は圧倒的に少なそうです。物理的に大人が使用するクラブが年々軽くなってスピードを出す能力が身についているのだと一見解釈できそうです。ただ、ヘッドはそこまで軽くなっていないと思いますので、質の高い軽量ヘッドや軽量シャフトの選択肢が増えた、とも受け取れそうです。それはさておき、「自分に合ったクラブ」という前提で、小学生のみならず中学生であっても、大人用ではなくジュニアクラブ、そのなかでもより軽いヘッドを使った方がスピードを出す能力が身につくのではと考えてしまいます。
小学生が大人のゴルフクラブよりも重たいバットで素振りを繰り返す。筋トレ?、スイング軌道修正?、再現性向上? スピードを殺すどころか、バットを極端な側屈をいれ、頭も残してゴルフスイングするのは、野球の素振りとは比較にならないほど身体に負担が掛かるので、もってのほか。それに、今の野球少年・少女たちはジュニア用のバットで素振りしてますし*3。ドライバーで大人用のヘッドを使用しているなら、それを補完する形で、軽いものをビュンビュン振り回す機会を他に設けた方が良い。でもそのスタイルだと、大人用ヘッドで数多く練習したり試合で振るわけで、スイングのほとんどは重いヘッドによって身についたものに。たとえヘッドが軽くても大人が使うデカヘッドではスピードが落ちる可能性も。振りづらさもあるかもしれない。だったら、飛距離は落ちて試合でハンディを負ったとしても、ヘッドはジュニアクラブの軽くて小ぶりなもの。以上の話はスピードを出す能力を高める点に限定されたものにはなりますけども。
ということで、今のところジュニアクラブのなかでもとりわけ軽くて小ぶりなヘッドを使用する息子は(しなりまくり)、それよりさらに軽いものを今日の練習のなかでも振っています*4。先端に超軽量プラスチック製ボールがくっついていて、こちらは “あえて” しならない軽い棒。身体に負担が掛かるので素振りの回数も限定して。
*1 投稿 2024.2.10, インスタグラム;丸山茂樹ジュニアファンデーション. 丸山茂樹プロはクラブの軽さに言及する前に、「子供の頃から自分に合ったクラブを使っているので、スピードを出す能力が全員高い」と強調されておられる。ただ単に軽くてもダメ。その子に合っていなければスピードが出ない。要するに、フィッティングが大事。インタビューでは他にも「PGAで勝つためにジュニア時代から心掛けておくこと」についても言及されておられますので、ぜひチェックしてみてください。
*2 公式ウェブサイト; 一般財団法人丸山茂樹ジュニアファンデーション.
*3 野球では大人用のバットを切ることは難しい。野球少年・少女たちは当然のごとくジュニア用のバットを使っている。体力・身長・技量・目的に合わせて、長さや重さ、バランスが異なる豊富な選択肢が用意されている。飛び系だけでなく、打感や打音にこだわったモデルも選べる世界。素材、なんと “顔” まで好みに応じて選べる世界。羨ましいです。さらに高校生にもなると、こんなモデルも選べる世界。それは、イチローさんが考える機能性と美しさを匠が表現したモデル(「一流は、妥協しない」, 公式ウェブサイト;ミズノ株式会社)。イチローさんが実打して作り上げたバットに関しては、“全てのタイプが軽量仕様” で “操作しやすく、次のステージに臨むための自信と技術レベルを高められる” という説明があります。“いいバットは顔がいい” との説明もあります。ひとつの要因にすぎないと思いますが、ジュニアの競技人口が多いと、こういうことも可能なのかと。逆に、こうした魅力的な道具があると、ジュニアが野球をより好きになるような気がしてなりません。道具と競技の好循環。
*4 RS2 Swing Speed Trainers, Individuals, 公式ウェブサイト;U.S. Kids Golf. ジュニア時代はスピードを身に付けることが大事というTPIの考えにも合致。こういう道具を用意しているのはさすがジュニア専門。有りと有らゆる、そして数多くのジュニアを長年見てきた組織ですから。