2024.4.10
ジュニアに芝を
2024.4.10
ジュニアに芝を
(花にChippingを)
ホームの練習場で開催中の川柳大会。息子が詠んだのは、「Chippingした」。まだ息子にとって川柳を作るのは難しい。ルールを踏まえていないものの、桜の花びらに記してさらにそれを桜木に貼るというシチュエーションで季語を入れず、人、それも人生に溶け込んだ行為について詠んだので良しとしましょう。キレもいい。息子のゴルフにおいてChippingが大きな位置を占めている。情が込められていそうです。
マスターズ・ウィークということで、練習場にはTBSが作成した特大ポスターが貼ってありました。歴代チャンピョンの顔写真が1934年から昨年覇者Jon Rahmプロまで時系列で小さく掲載されています。息子が顔写真を指差しながら、「タイガーだ、松山だ、シェフラーだ、スピースだ、フィルだ…」とプロたちの名前をあげ、「ザックジョンソンも優勝してたんだっけ? これガルシア?」と興奮して言っていると、横の紳士が「すごい。ザックジョンソンも... 沢山知ってるね。お父さんの影響かな」と。恥ずかしいです。ここから紳士の顔が変わります。息子「これ、オラサバルでしょ、これがニックで、これはランガー、セベもみつけた。ベンクレーショーはパターうまいよね」と自慢げに。「ジャックニクラスばっかりだなぁ」。紳士は唖然としていました。小さな顔写真の下に名前が記されているのですが、息子が写真だけ見て話していることはおそらく紳士も一目瞭然。「うそでしょ!」と紳士。Bernhard Langerプロのレッスンビデオは見たことがありませんが、José Olazábalプロ、Nick Faldoプロ、Seve Ballesterosプロのレッスンビデオを息子が見ているなんて紳士は想像もつかないことでしょう。Ben CrenshawプロとJack Nicklausプロのレッスン動画は何度見たことか。L字の使い手として、Ben Crenshawプロは息子のお手本なのです。そんなことを紳士に伝えたら私が怪しまれるので控えましたが。
話を川柳に戻すと、Chippingは普段、練習場のマットでほとんどせず、可能な限り毎日芝で遊んでおります。レンジ練習場ではアイアンショットは多少やりますが、ティーを使ったショットが中心です。ただ詠んだ川柳に導かれるように、マットの上で少しChiippingしました。「やっぱりマットだと感覚がズレる」と息子。さらに続けて、「ソールの感触が手に伝わってこない。ボヤけてる」。私はマットだとミスが少なく、芝だと難しく感じます。マットの方が優しい。
未就学児の頃は家のなかで人工芝をひいてそこでウェッジの練習などを親子でしていました。ただ、「距離感がおかしくなる」とか「やればやるほど芝で打てなくなる」と強烈に訴える息子の言葉を聞いて、根拠があやふやなまま、やらなくなりました。徐々にアイアンショットも遠ざかるように。ウェッジに限らず、とにかくボールを打つのは芝の上。加えて、柔らかい土か砂。
隣打席では若いお兄さんがダウンブローに球を打っていて、私も負けていられないなと思って目一杯振っていたら肘の痛みが悪化しました。私の打ち方が当然良くないのですが、いろんな工夫を施しているとはいえマット上でのアイアンショットは身体に負担がかかるなと改めて思いました。はらい打ちならともかく。息子は手への振動を嫌がりダウンブローというか地面に密着したハンドファーストで自然と打たないようになる。だから芝。もちろんChippingなら身体に優しい。
ジュニアが芝の上で打てる環境がもっと増えればなと思います。河川敷でコソコソと取り組むこともできるのですが、思う存分に何発も打てる芝の環境があまりにも少ない。プロゴルファーがジュニアの試合を開催したり金銭的なサポートをしたりと、ジュニア支援は増えつつあります。厚かましい親の要望としては、ジュニア専用の天然芝打席とかショット練習場を作っていただきないなと。お前がやれ、という話ですが。子どもたちにバンバン削られて芝が育たなそうで、やはり難しいかもと思ったり*1。
ChippingやPitchingなら毎日芝でというのは家の庭があれば環境を比較的整えやすいですけども、7歳の息子にとってグリーンをアイアンで狙うショットとなる100ヤード前後の距離を芝で何発も打てる環境を毎日、というのはハードルが高くなる。より成長すると、130、140、150ヤード...と伸びていく。ますます環境が用意できづらくなる。練習場全体ではなく打つところだけが天然芝。それで十分。打つところが人工芝で、着弾点が天然芝。それが現状。ならば、造園業者に相談して、スイングマットのような持ち運び可能なサイズで天然芝マットなるものを作ろうかなと。まあ園芸センターに行けば似たようなモノは売っていますけど。
*1 超一流プロの練習風景をYouTubeなどで見ると、天然芝をガッツリ削っている印象が強いのですが、練習という文脈ではそうとは限らないみたいです。スペシャル動画において松山英樹プロは、アプローチに限らずショットでもターフを取らない打ち方のメリットやその極意を強調されておられます。「タイガーの練習を見てても、ターフ取らないじゃないですか、ショットでも。…ポーンって簡単に …ボールを運んでいるようにしか見えない」(「松山英樹LA密着!初めて語る、進化したスイングのすべて #1:アプローチもドローへ」, ALBA GOLF TV)。となれば、松山英樹プロやTiger Woodsプロが練習でそうされているわけですから、ジュニアも見習ってとなると、ジュニア専用の天然芝打席やショット練習場を作っても、芝が削られて管理が難しいとはならない感じがします。あとはお金次第です。