2024.3.31
The Short Game
2024.3.31
The Short Game
(父もこの場でレッスン受けたい)
今日はカレドニアン・ゴルフクラブでKTGA(Korki Tsurumi Golf Academy)のレッスンでした。今月、3回目。アプローチに関してはロブショットも丁寧に見ていただきました。多くのメンバーさんに囲まれて場違いな雰囲気を出している父と子ではありますが、息子は土手の草むらで練習するかの如く何も気にせず楽しんでおりました。ただ、お姉さん、お兄さんと同じ練習量をこなすには体力不足の感がいなめません。ショット、アプローチ、パッティング、ラウンド。息子は時折、自主休憩をいれながらの1日。ラウンドでは、カートに乗られたカレドニアン・ゴルフクラブ運営会社の社長様が見守るなかで力が入りショットが乱れたようです。
本日初めてお会いしたお兄さんはショットエリアにてマッスルバックでドンっと打ち込んでいまして、頭のなかでは薄々と理解しておりましたけどもマッスルバックはこういうゴルファーのためにあるのだな、と思い知らされました。弾道も音も、別世界。練習場で日頃激うまのゴルファーのショットに驚いていましたが、正直、レベルが全く違う。ラウンドの最終ホールではかなり距離のあるショットをピンそば1メートルほどに上からドンと落としてベタピン。アプローチエリアではキュキュっと止めたり、ラインを這うように転がしたりと、お姉さんお二人を初めて見た時もそうでしたが、息子がこのレベルに到達するには今から相当練習しないと不可能だなと、当たり前ですけど感じました。私にいたっては、やはり寛容性の高いアイアンに戻した方が良いのかなと…
昨日、アプローチ練習場で年上のジュニアゴルファーの親御さんと久しぶりに話しました。話題にあがったのは、試合で1位をしっかりと取り切れるジュニアの特徴と、ジュニア時代に活躍できてもその後、伸び悩む背景について。小学生だと飛ぶ子が有利な印象がありますが、やはりグリーン周りの技量がスコアにかなり反映するかなと。ショットでグリーンを外してもそこから2打に収められる。その日にショットが乱れても崩れない。
ここからは私自身の考えになります。飛距離がでないのに活躍できるジュニアはその後も活躍している。パッティングやアプローチの上手さがスコアに反映されて上位にいるジュニアと、ティーショットでとにかく前に飛ばして次は出来る限り短い番手でグリーンを狙ってスコアが良いジュニア。両方とも高次元で達成しているジュニアもいらっしゃいますけども、後者の場合、特に飛距離で道具に頼っていると、おのずと歳を重ねるごとに飛距離の差は縮まっていくので、伸び悩んでいる感じに見えてしまう。道具が大事なゴルフではありますが、やはりアプローチとパッティングの技量が幼少期に集中すべきところだと感じますし、ジュニア期にしか高いレベルで磨けないのではないかなと*1。こうした特徴のあるジュニアは幼少期からプロゴルファーになるまで、ずっと上位にいるのでは、という印象があります。「小さい頃は同世代の子と比べて飛ばなかった」と語る超一流プロゴルファーでしかも大柄の欧米ゴルファーは結構おられます。また別の機会に。
先ほどの親御さんと別の時にお聞きしましたが(又聞きになります)、日本のジュニアは良いクラブを使いすぎていて道具に頼っている傾向にある、とのこと。米国でも活躍され、幼少期から現在に至るまで世代上位(というかほぼ全部1位の印象)をずっと維持しているジュニアの親御さんの話です。もちろん米国でも、大人顔負けのドライバーシャフトやクラブを使っているジュニアもいますし、増えているとの話を耳にしたこともあります。道具選びも実力のうち。
で、このアプローチというテーマで息子が好き好んで見ているのがSeve Ballesterosプロの“The Short Game”です*2。単に私が好きだということもありますし、Philip Mickelsonプロにならんで本人が愛するゴルファーでもあります。通しで視聴すると、結局感覚じゃん、と私は思ってしまいますが、レッスン自体はマニュアル本の要素が強く、例えばサンドウェッジではなくピッチングウェッジで打つ場面が出てきます。ライやグリーンの状況に応じてクラブを使い分ける。それを受けて息子は、「クラブを変えて打ち分ける方が難しい。距離感がわからなくなる。全部同じクラブでアプローチした方が寄る!」と語り、2年近くボーケイSM9の60度(Tグラインド、バウンス4度、ノーメッキ、限界まで軽く)でひたすらアプローチをしてきました。60度で距離的に届かないときは56度の出番。
本日もアプローチ練習で手にしたのは60度。息子の足元に56度をいつものように置いたのですが、端に追いやり一度も手にしない。2年近く同じタイプのウェッジを使っていますので弾道や転がりのイメージが身体に刻み込まれている様子。この状態をさらに続けて、シャフトの長さを少しずつ伸ばしながら(バランスも調整しながら)さらに磨き続けていくのか、あるいは、今度は56度でひたすらアプローチして同じように身につけていくのか。ただ56度を使い続けていると60度で培われてた感覚が崩れるのか、崩れないのか。グラインドが違うウェッジを使ってより感覚を磨くべきなのか。頭が混乱しながら、アプローチのレッスンを後ろで眺めておりました。
*1 一方で?、幼少期に磨くべきはクラブを速く振る能力だ、との考えがアメリカでは強そうです。TPIも基本的にはそういう考えです。だから、適正なシャフトの長さと重量というのは絶対で、ヘッドは小さく軽いもの、ということになるわけです。しならせられないシャフトを振りまくる弊害は言わずもがな。速く振り切れているのに同世代でも飛ばない、ということなら、それは能力自体はあるけど周りのジュニアが使う道具のせいで表面的にそうなってしまうのか、現在の身長や腕の長さのせいなのか、どちらにせよ歳をとるにつれて(190センチとまでにはならなくても)、差はかなり縮まってくるのかなと思います。速く振り切れる能力が大事、という背景にはそうした考えがある。TPIの質疑応答でもやりとりがありました。私は眺めていただけですけども。これを踏まえると、「同世代の中でも小柄なので」とか「周りのジュニアが飛ぶので」とか考えて、飛ばすために道具に頼ってしまうと将来的にはマイナスしかなさそうです。速く振り切れていないのに飛んでいる、というのは避けたい。無理した道具選びという限定付きの話にはなります。
*2 Seve Ballesteros (1993), [VHS] The Short Game, PolyGram. 非公式ではありますがレッスン動画はYouTubeでも見れます。