2024.3.3
Elite Junior
2024.3.3
Elite Junior
(羨ましい限り)
本日、息子がジュニアスクールに晴れて入校しました。KTGA(Korki Tsurumi Golf Academy)のラウンドレッスンを親子で受講したことはありますが、東京インドア・スタジオでのプライベートレッスンが中心でした。KTGAには “Elite Junior Golf School” があります*1。ラウンドレッスンに加えて、ロング&ショートゲームなど、1日中、ゴルフ場で過ごすスクールです。場所はカレドニアン・ゴルフクラブ*2。
スクールで指導していただきたいなと、息子が未就学児の頃から思っていました。ただ中高生メインで、スクールのメンバーが全体合わせて5人という超少人数。3年前から親子共々レッスンを受けているとはいえ、「息子をお願いします」とは言えませんでした。早くても小学生高学年からかなと。もちろん、それ相応の技量があることが必要なわけで。日頃から先生には、「息子とラウンドしても私がアドバイスできないので…」「カレドニアンいいですよね」「どのような感じで練習しているのですか?」などと聞いたり伝えてきました。しつこすぎる私のせいもあってメンバーに加えていただけたのだと思います。
スクール名にある “Elite Junior”。Juniorはさておき、ここで使われているEliteとは何か。語源に遡ったり、地域・時代ごとの使われ方に着目したりして幾つか解釈ができそうです。科学史家の村上陽一郎先生は、義務と責任を背負った人間、という意味でEliteを捉えておられる*3。その際に出てくるキーワードがNoblesse oblige。「高貴なる者には、それなりの義務を課される」。
ゴルフという文脈にこのNoblesse obligeを位置づけて思い浮かぶのは、ゴルフ発祥地とされるスコットランドや英国の風景。そして私の場合、その風景のなかに白洲次郎さんの姿がくっきりと現れます。ご本人の名で唯一の直言集を拝読すると、恵まれた環境で育った自分が社会に何かを還元せねば、という想いが伝わってきます*4。白洲次郎さんは14歳でゴルフに出会い、28歳から本格的に取り組まれ、ハンデ2までになられたそうです*5。軽井沢ゴルフ倶楽部の理事であられたことは有名かと思います。プレーの際に着ていらしたTシャツには「Play Fast !」の文字*6。
息子は白洲次郎さんとは背景が何もかも違いますけども、親の私が言うのもなんですが、ゴルフに取り組める子供はとても恵まれていると思います。道具の準備もそうですし、ゴルフ場でプレーとなればお金も時間も必要です。そしてジュニアにプレーの機会を与えてくださるゴルフ場やそのメンバーさんの存在も。パッティングについて会長からお褒めのお言葉をいただきました。恵まれすぎております。今後、息子には「楽しくゴルフ」「技量を磨く」にプラスα、何かを考えて欲しいなと思います。だいぶ先にはなりますかね。私の勝手な解釈ですが、スクール名の “Elite Junior” には他者への姿勢に関する意味も込められていそうだなと感じながら、本日、息子の姿を眺めておりました。
引き続き東京インドア・スタジオでのプライベートレッスンを受講しながら、カレドニアン・ゴルフクラブでゴルフを楽しんでもらいたい。ただ今月から父と一緒にラウンドしない日(隔週で日曜日)が必然的に生まれてしまうことに寂しさを感じます。
*1 KTGA Elite Junior Golf School, Korki Tsurumi Golf Academy.
*2 「【ゴルフ】芝を知ればあなたのゴルフが変わる?『芝の種類と特性を学ぶ』|矢作兼のGOLFフリークス #10」, YouTube; テレ東スポーツ, 2023.6.10. 芝の管理の難しさに触れるとプレーも丁寧になりそうです。時間があれば芝についても勉強したい。カレドニアン・ゴルフクラブのグリーンの良さは次の動画でも。「【ゴルフ】芝の世界を堪能…『矢作兼、超高速グリーンに挑戦!』|矢作兼のGOLFフリークス #11」, YouTube; テレ東スポーツ, 2023.6.17. 息子にとって最良のゴルフ環境はどこかを考える際に(もちろん私にとっても)、第1に検討すべきはグリーンだと改めて思いました。単に速いグリーンというだけでなくて。パッティング、アプローチはもとより、ショットでグリーンを狙うわけで技量が試される。カレドニアン・ゴルフクラブはパッティンググリーンだけでなく、アプローチエリアのグリーンも速くて良質。多様なラインで転がせる。さらに、カレドニアン・ゴルフクラブでは目土にもこだわりがある。「【ゴルフ】グリーンの砂にも色々なこだわりが!目土のポイントとは?『芝を学ぶ編』|矢作兼のGOLFフリークス 未公開シーンSP」, YouTube; テレ東スポーツ,2023.10.28.
*3 村上陽一郎(2022), 『エリートと教養:ポストコロナの日本考』, 中央公論新社. その一部がModern Timesに掲載されております。「村上陽一郎/エリートと教養」, Modern Times, 2022.2.17.
*4 白洲次郎(2006),『プリンシプルのない日本』, 新潮文庫.
*5 「【VOTE】一度は回ってみたい!日本の超名門「軽井沢ゴルフ俱楽部」」, みんなのゴルフダイジェスト, 2016.6.7. 学生時代、テレビで白洲次郎さんの特集番組に触れ、影響されやすい私は「これこそ俺の目指す男の姿だ」と思ってしまい、白洲次郎さんにフォーカスした本を結構な数、読みました。もちろん、ブルージンズにシャツ姿という表面的なことも真似て… 白洲正子さんと住まれた武相荘にも訪れ、白洲次郎さんの想いに浸るという…そのときは白洲次郎さんをゴルフという視点で捉えていなかったのですが、今ゴルフをしている身で改めて白洲次郎さんの話に触れると、今度はゴルフスタイルを真似ようかなと思ってしまう自分がいます。そうはいっても、「Play Fast !」Tシャツは着れないですし、軽井沢ゴルフ倶楽部でプレーすることは100%ないでしょけども。武相荘の公式ウェブサイトに白洲次郎さんがショットを放たれたときの写真があります(「白洲次郎」, 公式ウェブサイト; 旧白洲邸武相荘)。どの写真をみても、惚れ惚れするほど格好いいです。
*6 小林一人, 「ゴルフ偉人伝「白洲次郎」:プレイファーストの精神を広めた男」, Honda GOLF, 2012.1.31.