2024.12.3
なにが主なのだろうか
2024.12.3
なにが主なのだろうか
(飛んでる!)
本日はバレエの発表会でした。私がバレエダンサーではないので、ゴルフのようにその成長の幅をダイレクトに掴むことができません。ただ、スゥーっとジャンプ、フワっと着地していたのを見て、こりゃすごい、と感じました。一級品のアイアンショットみたいに。学校のクラブとしては現在、男の子が息子一人だけなのですが、「バレエを続けたい!」ということで、本人の意思を尊重して楽しんでもらおうと思います。「クマカワテツヤ(熊川哲也さん)みたいに飛んでたでしょ?」と息子。
お疲れ気味なので火曜日恒例のレンジには行きませんでした。外でボールを打たない日が1日でもあると親子共々、下手になるんじゃないかと感じてしまうのですが、週末、アプローチ練習場の会長に釘を刺されました。ジャンボ尾崎プロから直接教えてもらったことの一つとして、「マットの上でボールを打つぐらいなら、砂や土の上で打て(素振り?)」というものがあるそうです。低年齢ジュニアへの助言ではないので、それを高次元で実行していたら身体が悲鳴を上げると思います。要するに、会長からの息子への助言としては、バカバカ打ったって上手くなるどころか下手になるよ、ということ。石川遼プロもかつて、平らな「練習マット」の上でたくさん打てば上手くなる世界ではない、とおっしゃっておられました。「練習量を減らさせて....」というお話。日常的にコースで球を打つということ。昨年の今頃にそのお話に触れさせていただきました。
身体を強化するというメリット以外に、小さい頃から振りまくって負担が蓄積されるのを避けるためにも、他のスポーツに取り組むが良いのかなと。他のことをやっていれば、打つ数も必然的に減りますから。
昨年世界アマチュアランキング1位になったGordon Sargentさん。ご本人曰く、14歳まで続けていた野球のおかげで驚異的な飛距離を出せるようになった*1。取材された服部謙二郎さんによると、Gordon Sargentさんは野球の遠征で全米を飛び回っていたそうで、かなり力を入れて野球に取り組んでいた。マスターズで練習ラウンドをともにしたRory McIlroyプロやBrooks Koepkaプロよりも飛んでいたその源泉は、下半身。「とにかくバランスが大事。目いっぱい、力の限り振ってバランスを崩すのは結果的に飛ばないからね。...バランス良く振るためには体のコアを意識してほしいね。あとは下半身の力を使うこともとっても重要さ」。
下半身強化、といえばジャンプ。ゴルフのトレーニング指導を受けている斎藤大介さん、そして今日も訪れた運動教室のジョージコーチも、メニューには必ずジャンプ台を使ったトレーニングを盛り込んでおられます。加えて、家でも息子は飛ぶ。そして、バレエ。そうです、バレエといえば、華の?ジャンプ。素人すぎて恐縮ですが、バレエには複数のジャンプがあるようでして、そこはバランスが要求され、体幹が必要かと。日頃のゴルフにまつわるトレーニングはバレエにも役立っているわけです。バレエやってみたいということで始めたバレエ。ゴルフにも良い影響があるかもと考えてきましたが、バレエが好きになり、そしてゴルフに良かれと思って続けているゴルフトレーニングや運動教室での運動がバレエに役立つとは...
息子はクラブ活動の一環としてバレエに触れています。ただ、息子にとってのゴルフのように、ほぼ毎日バレエに全身全霊を捧げて取り組んでいる子どもたちがいる*2。日頃そうした現場におられる先生に教えてもらえること自体、ありがたい限りで、息子も何かを感じていることでしょう。たまたま息子の場合ゴルフですが、その世界にどっぷり浸かっているので、バレエもおそらくそうなんだろうなぁと息子が思っていることは、帰り道で話していて確信しました。一つの世界に深く関わってしまうと他の世界に行きづらくなるのではと思いながらも、それを凌駕して行こうとするのであれば、それはそれでそちらの世界でも道が開けるのではと思った次第です。
*1 「マキロイより飛ぶアマチュア ゴードン・サージェントに聞いたスイングのコツ」, ゴルフダイジェスト・オンライン, 2023.6.16. Gordon Sargentさん、今年の全米アマは残念な結果となってしまいましたが、中継の映像はGordon Sargentさんばっかり。日本にいると実感できませんけど、現地ではスターなんですね、おそらく。まだ大学生ですが、さらに若かりし頃、USkidsの試合に出場されている姿があります。Boy 13。USkids世界大会では優勝されておられないようですが、そこから著名なカレッジゴルファーに。あっという間ですね、6,7年の年月は。別の記事では、Gordon Sargentさんご本人がコースで育ったことに言及されています(“‘I earned my PGA Tour card but decided to stay in school’: Gordon Sargent will be ready," Gold Digest, 2024.4.18.)。「僕は父と一緒にゴルフコースに通いながら育った。小さい頃からゴルフをしていたけど、無理にやらされたことはないね。上達したいという気持ちが内から出ていたし、それが僕のゴルフに対する責任感を育てたと思う。バーミングハム・カントリークラブのメンバーで、夏になると、兄や友達と一緒に、朝から夕方までそこで過ごしたよ。チッピングコンテストが始まると、それはすぐにwiffle ball games(小さな場での野球ゲーム)に変わった。目標はただ楽しむことだったのさ」。どことなく、マットの上ではあまり打っていなかったように感じます。コースで楽しみ、コースで技量を磨く。日常的に。
*2 The Ballet Garden. 上級生クラスになると週5回以上のレッスンがあるそうです。小学2年生の息子だと、週2回。プロを目指すのであれば、基準が徐々に上がる選考を通過していかないとその先はない。振り落とされる世界。ゴルフとは違った意味で厳しい世界にみえます。おそらくバレエにはジュニアの段階でも目に見えて基準がある。ゴルフの場合は、スコアは横に置いといて(まだジュニアの段階だから関係ないよ、という言葉に表れる)、表面的には篩にかけられたり振り落とされていくイメージは持ちづらい。実際は本質的なところはバレエと同じかと思いますが。試合結果ではなく。また、ゴルフの場合、ジュニアを指導するコーチや先生が厳しくない印象が私にはあるのですが、私としては外の師匠として厳しい指導者が必要だと考えています。息子はまだプロという言葉を発していませんが、プロを本気で目指す子どもたちが最終的になれなかった場合、その後の人生に活きるものの一つは厳しい指導者とともにした時間じゃないかなと。私自身、大学生を教える身で、厳しく指導するのがいかに難しいのかを痛感してきました。子どもたちに厳しさをもって接することができるのか。それが指導者の力量だとの思いが日に日に強くなっております。