2024.12.17
楽しい反復
2024.12.17
楽しい反復
(今日のガスト、初心に戻る)
今日は時間があったので運動教室の前にゴルフをしてきました。運動教室と本日のゴルフの現場。家はその間に位置しているので意外と時間を要してしまう。片方だけなら訳なくても、1日に2つとなるとなかなかの長距離運転。遠征経験を重ねられた諸先輩方が実際の距離を耳にされたら、「なんだ短距離じゃん」と突っ込まれそうですが。慣れに慣れきったレーダークルーズコントロールがないとゾッとします。
休日ホームコースのアコーディア・ガーデン志津でラウンドした後、アプローチ練習場で2カゴちょっと。アプローチ練習場の会長からは、「R(息子)はズル休みか?」と言われましたが、もう学校は “冬休み” でして。平日の朝から家にいられると生活リズムが崩れます。
平日でメンバーさんが少ないので、会長を独り占めして話をしました。大学ゴルフ部やゴルフ技量向上にとっての肝について。大学のゴルフ部の運営。予想以上に考えるべきことが山ほどある。会長にゴルフ部の監督をしていただけたら、との妄想が。
急がずゆったりとバックスイングしてバランスよく。これが息子本人曰く、最近のテーマなのだそうですが、なかなか実現せず。単に全体のスイングが遅くなってしまう。ヨイショとドーン、重たいクラブを振っている感じ。インパクト時のスピード感だけはまあまあ、ある。ただ会長がおっしゃるラインは全く出ていない...
本人は納得せず連打するかと思いきや、数球打って早々にクラブを持ち替えてしまう。会長から絶賛されたレフティ用クラブでの練習。私と会長がしゃべり続けている横で息子は、まだ慣れない60度バウンス4度でダフリ&トップを連発しながら、ひたすら打つ。グリーンに届かずショートしたボールが目の前に散乱している。それらに歩み寄り、一球ずつグリーン目がけてアプローチ。初心者に戻った気分で、反復。
突然ですがTiger Woodsプロは若かりし頃、この反復の重要性をとてつもなく強調されておられました。例えば、1997年のマスターズの練習ラウンド後のロングインタビュー。スイングの良し悪しについて、「要は、反復なんです。ボールをたくさん打って、どこがまずいのかを見つける(p.25)」*1。悪い部分を見つけるためにボールを打ちまくる。スイングを固めるための反復ではない反復もある。
レフティ用の60度バウンス4度ウェッジはジュニア用でソールが優しめとはいえ、ヘッドの入り方、スイングが相当良くないと良い音がでません。「なんでダフルんだぁ」「なんでトップもでるんだぁ」「てうちなのかぁ」「なにがダメなの?????」と息子。“悪い部分”を見つけるために己との対話を重ねておりました。会長も私と話しながら息子の姿を観察されておられましたが、ただ見つめるのみ。答えを与える気は全くおありないようで、良い球が出た時だけ、「いいね」と一言。そもそも私はその答え、悪い原因が全く分からず。本人とっては、悪い部分を見つけるために更なる反復が必要かなと。言語化できない部分が多いのでしょうけれども。
アプローチ練習場は家から少し時間はかかりますが、休日や学校が早く終わる日はできる限り訪れたい。本日インスタにストーリーズをのせたら親御さんからどこですか?とメッセージをいただきました。家から遠いようで、通うのは難しいみたいですが、私としては横に住みたいぐらい。息子が4歳の時からこの場所を中心にしてラウンドをどこでするのか、スケジュールを立て続けてきたとっても過言ではありません。
毎日ラウンドしても芝から打てる球数ってたかが知れています。学校が通常授業の時は、日没が遅い時期以外はアプローチ練習場に行けないので、平日ホームコースの東宝調布で薄暮・ナイターラウンド。アプローチエリアがありラウンド前後に利用しておりますが距離はかなり短めです。でも、とにかく芝の上で反復。
厳密な意味での反復からズレそうですが、どちらの場でも毎ショット、微妙にライが違うので反復にも力が入る。そして何よりも楽しい。
*1 三田村昌鳳(1997), 『伝説創生: タイガー・ウッズ神童の旅立ち』, 中央公論新社. 三田村さんにとって、この1997年のマスターズ、そのさらに20年以上前からマスターズを取材されている。そのトップの世界を現場で見続けてこられた三田村さんが執筆された本書。そのエピローグで、21歳のTiger Woodsプロをこう表しておられます。「ゴルフには、ふたつのオリエンテーションがあると言われる。ひとつはターゲット・オリエンテーションであり、もうひとつはスイング・オリエンテーションだ。前者は、どんな格好でも、ショットでもいいから、自分の落としたいところにボールを落とす。カップにボールを沈める。それを下敷きにするゲームの構築だ。後者は、スイングの完成度を高めれば、結果的に目標にボールは向かう。だからメカニカルなスイングを完成させていくことが下敷きになる。...タイガー・ウッズは、そのふたつの下敷きを21歳という若さで持ち合わせている稀有の選手である(p.265)」。先日本サイトで触れた、“身体を使ったチェス”。この1997年のインタビューから18年後、Tiger Woodsプロご本人の言葉。それは、ここでいうターゲット・オリエンテーション。後者のスイング・オリエンテーションについては、ご本人の言葉を持ち出すまでもなく。三田村さんの書かれたものは、視点がオリジナルの境地で、視野が広がります。有料版にはなりますが、『Number Web』で三田村さんの記事がたくさん読めますのでぜひ。