2026.7.10
道具によって導かれる癖
2026.7.10
道具によって導かれる癖
(チーム戦の準備、お兄さんのラインを活用する)
PGAジュニアリーグ初戦を明日に控え、今日はチームメンバーのお兄さんと薄暮ラウンドしてきました。4サム。お父様と私もプレー。息子だけ赤ティで。これは息子のプライドが許さないはず。案の定、帰りの車で、白からやれたのに… とブツブツ言っている。はい、やれません。
明日の試合に向けて仕上がったように昨日までは感じていたけれど、勘違いだったかもしれない。ドライバーは安定、ピンを狙うショットが若干巻いていた。これじゃ、スコアは伸ばせない。本人は否定しているけど、パッティングも無難に2パット、みたいな気配が漂っていた。なかなかバーディが訪れない。
一方、JGAの全国大会でも上位に君臨するお兄さんは新調したウッドを初試しながらのラウンドで、ロングホールのフェアウェイバンカーに入ってもそこから2打でバーディとか、いやなライからチップインでバーディとか、当たり前ですけどレベルが違う。2学年離れていると、息子は競争意識ゼロで、差があって当たり前みないな感じで、クソッとはならずに比較的安定してプレーしていた様子。暑すぎて父は後半くたびれてドライバーがペラる。技術の問題か。
ラウンド後はパッティンググリーンで明日の予行演習。明日はお兄さんと組む可能性大。チーム戦が初めての息子。PGAのウェブサイトで確認したけど、親子で試合形式がよくわかっていない。試合形式についてお父様から丁寧に教えてもらい、さらにはチームワークを発揮するための基本的作法を伝授していただく。
スクランブル形式なので、例えばグリーンだと最初に打つ子のラインを見た上で2人目はパッティングできる。2人目はプレッシャーがかかるけど、1人目が寄せれば強気で行けるし、1人目が寄せられなくてもラインを見れるわけだから入る確率は高まる。それを知った息子、「明日はRが後に打つね!」とお兄さんに宣言している。態度がデカいし、品のかけらも敬意もない。チームワークの本質を理解していない。コミュニケーション。明日、大丈夫だろうか。
ラウンド後、2人がパッティング練習している間、お父様と色々なテーマで話し合う。そのひとつ。男子の場合、高校、そして大学に入ったあたりからグッと伸びる子と伸び悩む子の違いは何か。プロになった後も、かもしれないけど、明確な答えはないのでしょうけど、これじゃないか、というのはお互いありました。でも共通していない。お父様のご意見は伏せます。以下、私見です。ゴルフ以外で磨いた身体能力というよりも、幼少期からゴルフの道具によって導かれた身体動作が差を分ける要因として大きな位置を占めているのではと。
2つの「癖」。生まれ持った癖と道具によって染みついた癖。見方によっては、後者の癖の比重がでかいと思う。ゴルフに限らず幼少期からいろんなものに触れる過程で癖がつくられていく。そしてゴルフの道具を手にすれば、スイング上、癖が生まれる。癖は再現性に直結するけど、その癖の源泉は何か。
昨日紹介した近藤健介選手のアドバイスにもありました。道具によっては身体に悪さをする場合がある。そのひとつが、重さ。その重さによって「癖がついちゃう」と。「軌道」についても。
生まれ持った癖なるものが純粋にあるなら、それを壊さないで大事に育てつつ、外部の物体によってどんな身体動作と感覚を養いたいのかを考えてその物体を選ぶ必要があるのではなかろうかと。振れるか振れないかだけに集約はされないと思う。
話を今日のラウンドに戻すと、途中のホールでお父様が「振って!」とハッパを2人にかけたシーンがありました。シャフトが切り返したあと手元でグッとしなったところを見ていて感じたのは、当たり前ですけど、パワーが全然違う。筋トレの量とかではなく、単純に2歳の差、だと思う。勝つなんてあり得ませんけど、目の前のお兄さんに勝つ可能性を少しでも生むためには手段は一つしかない。道具で無理をすること。息子が松山英樹プロのように早生まれで良かったなぁとゴルフの文脈にて思うのは、幼少期に年上のお兄さんと試合で勝とうとすら思わなかったので無理が出なかったこと*1。これまでずっと年上のお兄さんが参加する試合は避けてきた。学べることはたくさんあると思うけど、息子の性格からすると勝つ気で挑むから、経験だよ、とか投げかけてもとめられない。
明日は試合前にコース付近の練習場にチームのお兄さんたちが集まるらしい。息子は早朝プールがあるので、終わったらダッシュで駆けつけてその輪に入れていただく予定。お相手のチームには年上のジュニアさんがいらっしゃるので、人生初の年上との対決になる。けど、チームメイトにはお兄さんがいる。これだったら、おそらく道具に無理は出ないし、純粋に自分自身の力を発揮することに捧げられる。PGAジュニアリーグ、楽しみでならない*2。
*1 松山英樹プロは早生まれで、幼少期の頃、周りと比べて体が小さかったとのこと。道具で無理しないと同級生と比べても飛距離は出ず、当然のことながら年上で練習量の多い子に対してスコア的には勝てない。「当時は体が背の順に並ぶとクラスでも前から数えたほうが早かった。だから、飛距離が出るほうではなく、いつも触っていたウェッジやパターで必死にスコアメークした(『彼方への挑戦』, 徳間書店, 2021; p.44)」とご著書にある。
*2 公式ウェブサイト:PGA Jr. League (米国). サポーターには、Lexi Thompsonプロに、Rory McIlroyプロに、Stephen Curry ! ゴルフの裾野を広げるためには、こうした第一線で活躍するアスリートの応援に加えて、小さい頃からガンガン取り組んできた競技ゴルファー志向のジュニアさんが参加し、ゴルフを習い事のひとつとして取り組んでいるジュニアさんに刺激を与えることが必要だと、アメリカの取り組みに触れていると思ってしまう。勝ち負けではなく。