2026.3.28
魅せられる息子
2026.3.28
魅せられる息子
(魅せれたか?)
昨日の投稿で、ジュニアゴルファーの親に対するHarvey Penickプロの助言に触れました。あの助言は、「英才教育を施すなら」という条件付きの話であって、そうでなければ違うアプローチがあるとも読み取れます。自由に、そして特にコースでプレーさせろ、というのは「英才教育を施すなら」という文脈での話なのです。それを象徴するかのような逸話が紹介されています*1。8歳から指導を受けたBen Crenshawプロ。Harvey Penickプロ曰く、
「ベンは、天性の、史上稀に見る偉大なプレイヤーです。彼が子供だった頃は、何か間違ったことを身につけてしまっては大変と、あまり練習をさせなかったほどです(翻訳書, p.50)」
ここでの練習とは練習場での取り組みを意味している。コースでプレーさせることを重視するというHarvey Penickプロの方針。天性なるものを高次元で持っていなくとも、「英才教育を施すなら」変わらない。
今日はジュニアの聖地、北谷津でレンジで1発も球を打たずにコースで1日過ごす。ジュニアと回りたいから北谷津に連れて行って、と春休みなって何度も口にするので本日伺いました。ただ、ジュニアさんが周りにいらっしゃるものの、皆さん親御さんやコーチらしき人とラウンドしているので声をかけづらい。午前中は私もクラブを手にしてグルグル回る。息子の表情がこわい… 併設のカフェでご飯を食べて外に出るも、状況は変わらず。親子ラウンド再開。息子の表情は暗いを通り越している。このまま日が暮れてしまうのだろうか、と思い始めた午後の2周目。1月に北谷津で一緒にラウンドした年下の男の子の姿を発見。ジュニアの女の子と西コースの一番ホールでショットを放とうとしている。入れてください!と割り込んで、1つ年下の女の子、3人でラウンド開始。図々しい。父は帯同に切り替える。
割り込んだのだから、お兄さんとしてプレーで見せてくれ、との父の願いは早々に散り、叩きまくる。北谷津、西コースでバーディ2つ?は取れたけど、ダントツで過去ワーストスコア。バンカーから往復作業するわ、3パットするわで、しかも木に引っかかったのか、木に弾かれたボールが隣のホールに行きゴルファーさんに持って行かれたのか分かりませんが、ボールがないという有り様。これじゃ、スコアなしじゃん。年下のジュニアさんの見本に全くなれず。息子の傾向として、例外はあるけど、女の子とのラウンドで崩す。これまで2人の女の子とのラウンド経験ある。そのうちのお一人、同学年のジュニアさんとは複数回ご一緒させていただいて、崩れなかったのはそのなかの1回のみ。本日、3人目の女の子。崩れる... もう少し詳しく分析すると、年下の女の子とは100%スコアが崩れている。2/2。
女の子のジュニアさんがお帰りになった後、男の子と引き続きラウンドする。素振りを入念にし始め、ストレッチするなど、スタート前から相当気合が入っている。これは期待できる。2学年も違うんだから、「これはお兄さんすごいわ!」というところを見せていただきたい。で、結果は1オーバー。冬のカチカチグリーンではない。今日は午前中、東西何周もラウンドしてきたわけだからスコアは出ると思うし、ボギーもあったけど、バーディも多く取れたのでまずまず。お兄さんの意地を少しでも見せれたのではと思う。次回はお兄さんとして安定したゴルフをしていただきたい。
偉そうに語る父はというと、世界ジュニアの結果が気になりすぎて球が散りました、というのは言い訳で、パッティング以外は過去最高によかったかもしれない@北谷津。世界ジュニア、西決勝大会がなぜ気になるのかというと、U6の時から顔を合わせてきた同学年の男の子たちが1学年上のお兄さんたちを相手にどこまで勝負できているのかを見たいという気持ちがあったから。仲間でもあり同志でもあると私&息子は勝手ながら思っているし、同世代でこれから一緒にどんどん高め合っていくと思うので、お兄さんたちに勝ってもらいたいと思う一方、お兄さんのお一人とは仲良くしていただいているので、3年生よ、まだまだよ、というような感じで強さを見せて、しかも弟さんと一緒に勝ってアメリカに行って欲しいと応援している面もある。複雑な気持ち。息子はそのお兄さんにはまだまだ足元にも及ばない。他にも理由はあるけれど、それもあってか多少逃げ気味で今回、見合わせて、親子ゴルフを今しているというわけです。
明日は最終日。今朝、車のなかで息子と話をしていて、やっぱり世界ジュニア、挑戦すべきだったんじゃないか、と思ってしまった。息子は私の口癖が頭にこびりついてしまったのか、今はまだちゃんとしたゴルフができていないんだから試合は出なくてもいい、出ても1年で1試合ぐらいでいい、ラウンドをたくさんしたい、と言っている。
ただ、今日のように、年下のジュニアさんたちとゴルフをし、勝つのではなく必死に魅せようとする息子の姿に接すると、試合に出るぐらいの価値があったんじゃないかなと思っております。ボギーを取った際には表情は明るくても顔が真っ赤になっていた。
最後に。今朝、トーストを食べながら家でYouTubeを見ていました。朝は、息子の好きな動画を見せることを日課にしていて、その半分をゴルフ(注: これには父が激選した動画を見せることも含まれる)、その半分はゴルフ以外のもの。で、今日は北谷津に行く行く行くアピールをしたかったのか、息子自らの意思で選んだのが、YouTubeチャネル: 中野麟太朗 リンリン ゴルフです。私は通しで3回見ました。息子もすでに1周。私にとってもそうですが息子からすると、プレーそのものに加えて、タイやニュージーランドと海外を飛び回る姿に魅せられているようで、まだ一度もプロになりたいと言っていない息子ではありますが、「めっちゃカッコイイ。楽しそう!」と動画を見ながら連呼している。ゴルフの魅力をまた違った側面から捉え始めているようです。完全に心、奪われている。夜もリンリン ゴルフ。
ここでも何度か触れさせていただきましたお父様のブログによると、小学生の頃から中学生、高校生になっても北谷津で時間を過ごされたそうです。北谷津カフェには日本アマを制した際の写真が飾られている。その中野プロは、小学生の頃、世界ジュニアの決勝大会には駒を進められず、中学3年生で初めて予選を突破し、その決勝大会で優勝されアメリカへの切符を手にされた。
昨日のKGAのジュニアイベントでも感じたのですが、まだ試合に出ていないジュニアさんや、試合に出始めたばかりだけどメキメキと力をつけてきているジュニアさんがたくさんいらっしゃる。当たり前ですけど競技人口の厚みが増してくる、中学、高校、大学と。本日、年下のジュニアさんお二人とラウンド。低年齢期は歳の差がゴルフのスコアに直結する部分が多い。今後、どんどん鈍化する、累積練習量の結果への貢献度を考慮すると、前半息子が年下のジュニアさんたちに追い込まれていく経験は、言葉には表現できずとも、その厚みなるものを体感できたのではと思う。
そんなことを優しく噛み砕きながら帰りの車のなかでやりとりしました。任天堂スイッチでパワプロに集中する息子と。
*1 昨日に引き続き、Penick, Harvey and Bud Shrake (1992), Harvey Penick's Little Red Book: Lessons And Teachings From A Lifetime In Golf, Simon & Schuster (本條強訳,『ゴルフレッスンの神様ハーヴィー・ペニックのレッド・ブック』,日本経済新聞社, 2005;『奇跡のゴルフレッスン』 マガジンハウス1993年刊の増補) 。プロのあるべき姿として考えさせる文章がある。「歳老いたある一人のプロから言われたことがあります。それまでに誰も言ったことがないことを言ったからといって、オリジナリティーに富んでいるとは限らない。オリジナリティーとは、自分が真実であると確認したことを口にすることである、と(翻訳書, p.46)」。ゴルフレッスンにおいてこれまでとは逆のことを言う、というスタイルを本や雑誌、動画などで触れる機会が多い。これもHarvey Penickプロからしたら、オリジナリティーとは言えないんだろうな。