2025.8.25
"パター病"の潜在的要因を潰す
2025.8.25
"パター病"の潜在的要因を潰す
(最終ホール、フォローがこれで入っております…)
今日は広池学園ゴルフクラブでラウンド。ゴルフ始めたての頃に1度だけラウンドしました。その時と比べるとお互いよくここまで成長したなぁ、よく続けてきたなぁと感慨深いものがある。池にも入らず、樹木にも吸い込まれず、炎天下のなか、ひたすら回る。私は最近新調したマレットで3パットなし。息子はバーディラッシュ。200ヤードを超えるホールもあり、ショートコースとしては距離が長め。グリーンの状態も素晴らしかった。
昨日のラウンドレッスンにてクラシックL字を使うことを先生から許可いただいたので、さっそく今日のラウンドに投入。グリーン上で息子の笑顔が絶えない。常にニヤニヤしていて、打つ前にヘッドをなでなでして微笑みを浮かべている。試合ではないので緊張感なくバカバカ打てるわけですけど、試合となるとキャディとしては冷や汗をかく。
ただ、息子にとって初競技となったU6世界ジュニア予選から今に至るまでクラシックL字を例外なく全ての試合で使ってきて、パッティングが不調になった経験がありません。いちゴルファーとして大事なところでショートパットを外すとか、もちろんあるわけですが、全体的に波がないと言いますか。どの試合もいつも同じ。よくよく考えると試合で他のパターを試したことがないので、なんとも言えませんけど。
L字といって思い浮かぶ名プレイヤーのひとりが、Tommy Armourプロ。その名を冠したIMG 5は息子が現在愛用するNapaとは違うタイプのL字。同系統でキャメロンのCLASSIC 6 はすでに手元にありまして(父用)、別のタイプのL字に触れさせるべく、こちらもシャフトカットする日が近づいているのか。
Tommy Armourプロと言ったら、WikipediaやAIでイップ(ス)を調べれば冒頭に出てくるほど、その言葉を世に知らしめたお方。そのご著書の終盤、第26章「Yips ショートパットのうめき病」において、イップを ”トーナメント病” とした上で次のように説明をされている*1。
「私はイップが長年の競技生活の緊張の産物であり、いわばパターにつきものの発作的病気であるような気がする(翻訳書, p.203)」
パッティングの文脈に限定されている話ではありますけど、現在よく主張されているイップの原因、例えばジュニア時代からの過度な反復練習をTommy Armourプロはあげておられない。試合を重ねて生じるものだと強調されている。私はイップス(みたいなものを含む)の潜在的要因が練習にもあると考えて練習それ自体を工夫してきたつもりですが、試合に対しては具体的な策が打てておりません。むやみやたらに試合に出ないことぐらいか。いや、試合そのものに対する向き合い方をその都度変えることぐらいか。同じ世代が集まる試合で常に優勝を重ね続けることを目指すなんてジュニア時代はいいですけど、逆にジュニアを卒業し数年経った頃にある動作が反復できないとか、イップが... 上を目指すのであれば競技には中学生ぐらいから出ればいいんじゃないかなと思ってしまう親がいる。
Tommy Armourプロご自身はイップを回避する策として、「手首を固めてパター病を追放」を紹介しておられるのですが、それはある試合での対処方法。終始頭を動かさない、クラブフェースの狙いをつけること。イップの事後的な対処、回避ではなくて、そもそも生じさせないための方法はあるのか? "イップの魔力"
イップを "競技生活の緊張の産物"と捉えるTommy Armourプロの考えをそのまま文字通り受け取るなら、イップを防ぐためには競技に出ないこと(それはありえない)、あるいは、競技に出ても緊張しないこと(それは現実的でない?)となる。ジュニア時代から試合に出まくれば緊張しなくなるのではという考えも当てはまらない? “長年の” というところがミソかなと個人的には思います。
そのTommy Armourプロご自身がトーナメントから身を引いたのはこのイップが背景にあると、この章で述べられておられます。イップと名付けなくてもそれに類する動作は程度の差あれ、あちらこちらに存在している。今の息子を見る限り、そもそも試合が少ないし、パッティングでド緊張という場面は試合で遭遇したことがおそらくない。
ラウンドを終えて会長のところへと向かうクルマのなかでTommy Armourプロの話からIMG 5の話になり、当然のことながらそろそろ別のタイプのL字を使いたいとなる。父に思考が似る。
Tommy Armourプロはパッティング以外にもイップは生じるがそれは重病でなく直せると述べておられる。イップの潜在的要因の根絶の一環として、そしてショット力を強化すべく、ラウンド後は会長ところの大きなバンカーに親子で入って地味練。Hプロによると、先日バンカーに新しい砂を入れたそうで、その額??円。息子は仰天。聞いた途端にバンカーショットが優しくなる。バンカーそれ自体がより好きになる。その後、バンカーから出て周りにボールをばら撒き、さらに異なるピンをランダムに狙う。高低混ぜながら。バンカーも芝(ラフを含む)も、マットの上とは違い、ひとつとして同じライはない。ランダム練習に最適。
Tommy Armourプロ、バンカーショットにおいてもフォローの大事さを強調されておれる。私を介さないで、息子に読ませて直接対話してもらいたいけど、いつになることやら。ペラペラめくっても読めてないだろうな... 読めてたらあんなフォローにはならないはず。
*1 Tommy Armour (1967), Tommy Armour's Abc's Golf, Simonn and Schuster (今井汎訳, 『ABCゴルフ: 単純な基本の組み合わせが上達の秘訣』,学習研究社, 1979)。今は本書が高騰している。メルカリで1万円以上。本書の内容、技術的な面は当然のこととして、最終章「ゴルフのダイゴ味:ゴルフも人生も楽しみ」は特に。