2025.3.30
ショートコースで腕磨き
2025.3.30
ショートコースで腕磨き
(朝練)
世界ジュニア予選の試合後は2日間(木金)、ゴルフせず。週末はショートコースを回ってきました。土日は群馬県嬬恋村の家をエアビーで貸し切ってゼミ合宿。ルーティンを崩したくないので、練習道具を宿に持ち込みました。恥ずかしいので学生たちが気づかないように部屋へと運ぶ。ただ朝起きて外に出ると、庭にあったスコップで、雪上にラインを描いてバンカー?練習。素振り。「ストイックですね」と大学生。
その往路で、群馬県のライズショートコースに行きました。レンジにはトップトレーサーがあり、ボールは全てV1です。レンジでの練習を早めに切り上げてせっかくきたんだからと、強雨のなかで1周。高低差があって楽しめました。受付で焼きそばをテイクアウト。「超、面白かった。また来たい! ここを回ればもっと上手くなれる」と息子。
復路は埼玉県にある花湯の森ショートコースに立ち寄りました。息子が小さい頃に何度か行こうと思っていましたが、家からだとこちら方面は行き帰りに大渋滞するのでなかなか行けず。フラットで簡単そうに見えますが、グリーンが小さく私の球はキャリーしてもほとんど弾かれます。短いホールは問題ないものの、最長ホールとなる140ヤード先の傾斜&小さなグリーンに着弾し止める技術は息子にもありません。
世界ジュニア予選に向けて本コースでラウンドを重ねていたので、ショートコースは難しく感じます。グリーンが小さいし、息子にとってフェアウェイウッドや5, 6番アイアンでキャリー止めは至難の業。手前からコロコロ転がして止めるのは運に近い。
マットの上にティーを刺してショットするので本コースのパー3対策になります。試合会場よりもグリーンがかなり小さいので技量が試されるし、グリーンに乗らないので、アプローチの練習にもなります。そのアプローチは本コースより難しい。というのもグリーンが極小なので、多くのアプローチがピン近。これまた技量が試されます。で、パッティングはしっかり打てないと届かないグリーンがショートコースでは多いかなと思います。とてつもなく早いグリーンをもつショートコースは数少ない。
パッティングに関して、世界ジュニア予選で改めて感じたのは、クラシックなL字は試合を考えるとそろそろやめ時かなという点です。普段のラウンドと違って緊張感のあるなかで芯をビシッと捉えて、開閉をピタッと合わせるのは酷だし、息子を見ていて可愛そう。ロマン派? 私のせいです。試合中、キャディをしていて冷や汗ばっかり。それに加えて、悪い癖がつくんじゃないかという賢人の声を聞いてもなお、まだ使わせたい(息子自身は他のパターに目もくれず)と強く思うのは、力がつくから。
パターの名手たちがL字で距離感やフェース管理の感性(技術)が磨かれたと強調されておられまして、たとえばL字といえば日本でいうと石川遼プロを思い浮かべる人も多いはず。その石川プロが最近、次のようにおっしゃっております*1。
「極論、結果的に入ればどんな打ち方でもいいし、完璧なストロークをしても最後にフェース面が1度左を向いていれば、打球は1度左に飛び出るわけで、つまり最後はフェース面の管理が優先順位では上回ってくる。この最後の1ミリ、2ミリをコントロールする能力は、自分はこのL字パターで鍛えられたというか、今までの僕のパッティングを作ってくれたパターだと思っています」
石川プロのL字パターはペラペラのクラシックなL字ではなく、いわゆるL字マレットと称されるもの。それでも「鋭く感性を研ぎ澄まされる」パター。「...難しいパターをすごくコントロールしながら打っていくところにロマンはあるけれど...」ということで、ロマンで満足ではなく、「自分の目標に対して最善のものを選ぶ」という結論に至り、悲しいかな、L字の出番は一旦終了らしいです。
練習だけL字。それでは意味が薄れてしまう気がします。緊張感のあるなかで磨かれるものがあるはず。一応、L字マレット(デルマー)を用意しておりますが、息子においてその出番は当分なさそうです。ただ今回の試合のように、スコスコ入らないと、パター変えようかな、と自分から思う時が来るかもしれない。
インタビューのなかで石川遼プロが指摘される「集中力」。裏を返すと、集中力が鍛えられるのは、いわゆる「難しいパター」。
「試合大事だから、デルマー使おうよ」という私の提案を頑なに拒否し続け、「試合だからL字使うんでしょ」との息子の発言には、この集中力と関連していそうな気がしております。
*1 「パターに"ロマン"は、もういらない」,『月刊ゴルフダイジェスト』2025年5月号, p.13-15.("L字パターの出番は一旦終了", Myゴルフダイジェスト, 2025.3.21)。 記事にある「構えた時のライ角を崩さずに平行にストローク」という石川プロのお言葉。ヘッドは勝手に開閉する。息子は最近、この意味がようやく腑に落ちたようです。開閉をピタッと合わせる意識は必要ない?