2024.8.8
男子7歳時点で異なる点 3
2024.8.8
男子7歳時点で異なる点 3
(アウターキャディとしての父)
3日連続で時差投稿になります。これまでの試合も今回の試合も、キャディとしての私の役割はほぼバックを担ぐだけです。距離計でピンやエッジ、バンカーなど色々と距離を測りますが、それ以外、例えば番手選びやグリーンのライン読みも全部本人に任せています。聞かれたら答えようと思っています。ただ、聞かれたことはこれまで1度しかありません。自分の方が分かってると思っているのでしょう。事実、私よりもライン読みは上手です。私に聞いても正直意味がありません。
これまで息子は日本だと1試合しか参加したことがなく、私も日本ではキャディ経験はその1回だけです。なので今回は、私とBoy7で出会った欧米勢のキャディ(全員パパ)との違いを記したいと思います。
まずもって異なるのは、キャディ力。皆さん息子さんと一緒にグリーンでラインを読んでいらっしゃる。読みについてキャディに聞こうともしない息子をもつ私からすると羨ましい光景です。ただ2度、それぞれ異なるジュニアさんでしたが、パパが読んだラインが違ってそれにイライラする息子さんの姿に出くわしました。ちゃんと打ったのに全然違うじゃん、と。パパが謝るお姿も。さらには、息子さんがラインを読むのではなく、パパがラインを読んで息子さんはそこに打つだけ、というケースもありました。これは私たちのスタイルと完全に異なります。うちはプレイヤーだけで考える。日本で唯一参加した試合で同伴したプロゴルファーのパパも、私たちと同様に(というかそのお姿に感銘を受けて続けている側面も)基本、息子さんに任せておられました。プロゴルファーにラインを読まれたら勝負になりません、ルールには抵触しませんけども。シンガポールの試合で同伴した現地のママやパパも息子さんに対して助言をあまり与えていませんでした。
どちらが良いのかという議論ではありません。キャディとの対話がマネジメント能力を高めると思うので私なりに勉強してきました。プロですらキャディがプレーを支えているわけで、7歳児が一人で何もかもというのも酷ですし、対話して学ぶ機会も奪っているような気もします。でも個人的な見解としては、経験の浅いアマチュアゴルファーの私が風やラインを読んだり、私と対話して学ぶよりも(落ち着かせる効果はあるにせよ)、自ら考えた方が楽しんじゃないかなと思っています*1。息子は「パパは黙ってて! 自分で考えるから!!」、と昨年初めて参加した試合の1ホール目でいきなり意見表明したこともあり、それを踏襲しております。
ゴルフでは、他のジュニアスポーツと比べて親が入り込んでしまう要素があります。キャディとして試合に参加するので、どうしても一心同体となりやすい。観戦者気分には、少なくても私はなりません。喜びもひとしお、ミスショットすると表情に出てしまったりして、まるで自分がプレーしているかのような錯覚が生じます。今回同伴したパパたちは、息子さんがミスショットすると、「はい、次ぎ」という感じで切り替える言葉を発していました。一方、私の方は、例えばグリーンからこぼれ落ちる我が息子のボールを見て表情が険しくなると、「パパ、大丈夫だよ。次で寄せればパーだよ」と逆に慰められる有様。そういう息子の態度は、*1 に記した“内的対話” 力を磨き続けてきた結果だと思うのです。よく解釈すると。これが7歳時点での我が息子と今回共にした欧米勢のジュニアさんとの違いでもあり、私が誇りに思うところでもあります。
今回の試合ではT24位となりましたが、コースマネジメント力とも違う“内的対話” 力においては、上位に入ったのではと感じております。私はキャディバッグを担ぐだけのキャディ。事前の練習ラウンドで芝目を読んだり、コースマネジメントを考えたりしていても、息子から聞かれることは1度もありませんでした。余程信用されていないのか、いや確固たる“インナーキャディ” を育てつつあるのでしょう。そう思いたい。
2日目にはホールアウト直後に、同伴したパパが観戦中のママに何か声をかけたあと、なんと私たちのところに駆け寄ってこられて筒状のアイスを息子に差し出してくれました。家族全体で楽しんでおられる。それをパパがラウンドでも表現している。当然息子さんは楽しんでいる。息子の“内的対話” 力の高さを確認するとともに、父としてキャディ力の差を痛感した今大会でもありました。
*1 プロキャディの杉澤伸章さんが強調される“内的対話”。杉澤さんによれば、プロキャディの本質的な仕事は、選手が “気づき”を得られるようにアドバイスすること。正解を与えることではありません。プロキャディに頼る機会がないアマチュアゴルファーに向けての指南は、キャディがそばにいなくても、自分のなかのもうひとりの自分“インナーキャディ”と対話することで、その“気づき”を自分で得ることが出来る、というもの。詳しくはこちら。杉澤伸章(2015)、『プロキャディ杉澤伸章が教える あなただけのスコアメイク』、マイナビ。 現状の私だと、“気づき” を息子に与えることも難しく、正解を与えようとしてもそれが正解でもないかもしれないと、どうしてよいのか分かりません。放っておけば “内的対話” 力が磨かれる。それが私が息子に口を出さない理由のひとつにあります。本人から聞かれない、というのが最大の理由にはなりますが。私には手に負えないので、あるレベルに達したら他の人に頼もうかと思います。理想的な“インナーキャディ” が育った段階で。