2024.8.14
ゴルフをする目的
2024.8.14
ゴルフをする目的
(青木功プロ、ただただカッコいい)
USkids世界大会が終わり、ちょっと燃え尽き感のある父と息子です。息子はそうでもないかも。今週はスコアを気にせずにラウンドしました。本来のゴルフの楽しさを感じるとともに、目先の試合結果を追い求めてしまう自分に反省しております。
息子は7歳なのでまだ先の世界ですが、USkidsやIMGの世界大会に参加するお兄さんお姉さんだとその成績が中学、高校、大学入学@米国にあたっての売り材料となるわけで、親御さんもかなり気合いが入ってしまう側面があるかと思います。プロを目指すジュニアとカレッジゴルファーを目指すジュニア。後者の一部として、いわゆる名門大学に入るためにスポーツ分野で秀でたものを作る、そのひとつがゴルフと位置付けるジュニアとその親御さん。もちろん、カレッジゴルファーで活躍してプロの道が見えるかも、というゴルファーもいるとは思います。ゴルフは個人競技なので明確でわかりやすい。
この2,3日、台湾でゴルフをしております。台湾のゴルファーというと、現役の男子プロで真っ先に名前があがるのが、C.T.パンこと、潘政琮プロです*1。東京オリンピックで銅メダル、今回のパリでは18位、米国PGAツアーでも優勝経験があります。台湾のゴルフ場やゴルフショップに行くと、Titleistのアンバサダーとして眼に触れる機会が多いです。V1を使い始めたBryson DeChambeauプロの広告ポスターとなんで。
その潘政琮プロは、IMG Academy を経て、ワシントン大学でプレーされ、アマチュア世界ランキング1位になっています。他の台湾出身のゴルファー、特に女子では同じように早い段階でアメリカに行き、ゴルフ経験を積んでおられるジュニアがとても多いです。ゴルフ環境が母国よりも良いことに加えて、強いゴルファーがひしめくアメリカで自分の位置を確認しながら技量向上に取り組むといった面もおそらくあるのでしょう。台湾ツアーに参加する日本女子ゴルファーが増えている一方で、その現地台湾の若手女子ゴルファーはジュニア時代からどんどんアメリカに環境を求めて出ていくという...
なんといっても台湾に来て私が感動するのは青木功プロのお姿です。2000年に大溪高爾夫俱樂部で開催された試合で、同じくレジェンドLee TrevinoプロやGary Playerプロと戦っておられる。2000 Martel Skins Golf Classic。ツアーで1000試合出場となる、その前年のことです。
大溪高爾夫俱樂部のクラブハウスには、プライベートではなく、ヨーロピアンツアーなど試合で訪れたプロゴルファーの写真が飾られています。Tiger Woodsプロ、Ernie Elsプロ、Nick Faldoプロ、Jim Furykプロ、John Dalyプロ、Seve Ballesterosプロ、José María Olazábalプロ、Vijay Singhプロ、Nick Priceプロ、Bernhard Langeプロ、Tom Watsonプロ、他にもキリがないのでやめておきます*2。見落としがなければ、そのなかで青木功プロは唯一の日本人。
今からすると往年のプレイヤーばかりという感じですが、それだけではありません。Nelly Kordaプロのお姿も。それは台湾ツアーではなく、米国LPGAツアーへの参加のため。そこでツアー初優勝*3。2位はMinjee Leeプロ。女子の場合、男子と比べるとカレッジゴルファーを経由せずジュニア時代の成績を引きさげてそのままプロになられた方が多い印象です。
ずらずらと書いてきましたが、ゴルフを何らかの目的の手段(生活のため、は別)にするのは良い側面もある一方で、そこだけに気を取られるとゴルフ本来の楽しみが消えてしまうかもしれない。そう感じたエンジョイゴルファーとしての1週間でした。USkidsを推しまくっている感じになりますが、USkidsが掲げるコンセプト、フィロソフィーはやはり秀逸*4。
"The mission of U.S. Kids Golf is to help kids have fun learning the lifelong game of golf and encourage family interaction that builds lasting memories"
家族の絆を強くする。楽しむ。でもUSkidsが開催する試合に成績だけを追い求めて参加したら... 試合で勝つという目的も持ちながらもこのコンセプトを忘れずに、と自分に言い聞かせております。
*1 「プロフィール;パン・チェンツェン」, ゴルフダイジェスト・オンライン. 潘政琮プロはファンデーションを立ち上げ、アメリカのジュニアゴルファーが多数参戦するAJGAの試合を主催しています。C. T. Pan Junior Championship@Texas。母国でもジュニア支援に積極的です。気合いの入れ方が半端ない。詳細はこちら。CT Pan Foundation. 日本語では以下のウェブサイトが詳しいです(「PGAツアー「RBCヘリテージ」で優勝したCTパン 【PGAツアー】」, 一般社団法人 国際スポーツ振興協会, 2019.4.15)。お父様がゴルフ場勤務で、かなり環境には恵まれていたようです。それでも渡米しておられる。この記事では、渡米する他のジュニア同様、その理由を以下のように説明しています。「日本よりも小さな国からこれだけ海外で活躍する選手を輩出している背景には、パンのようにジュニア教育を重んじる人物たちの意識が高いのかもしれない」。潘政琮プロのように、渡米してPGAツアーで優勝というレベルまで到達したゴルファーがいて、母国でさらにジュニア育成。羨ましいです。
*2 "Grea Names," Tashee Golf & Country Club. 自慢話になるのか、変なメッセージの発信になってしまうのか、最初にここを訪れた時にすでに息子は上記のプロを全員知っている。往年の名プレイヤーについて説明できる能力は7歳のなかでは最上位でしょう。
*3 優勝時の模様が映像で見れます。"Nelly Korda Wins Swinging Skirts LPGA Taiwan For First LPGA Title, " Ladies Professional Golf Association (LPGA), 2018.10.28. ウェアがNIKEじゃない!
*4 "About us," U.S. Kids Golf. USkidsの試合で名を残したプレイヤーとして、Alexa Panoプロがあがります。Netflixの"The Short Game"にも登場され、USkids世界大会では4連覇。大学に進学せずにプロ転向されています。ただ、すでに12歳の頃から大学訪問をされています。Alexa Panoプロの場合はプロを目指す過程での大学という位置付けだと思いますが、ジュニア初期時代からどの大学に行くか(行けるか)を考えたり、大学からオファーがこないか考えているジュニアも多いのかと。インタビュー記事はこちら(「翻訳版,大学進学ではなくプロ転向したアレクサ・パノ」,Golf Digest)。