2024.6.28
同じパターを使い続ける?
2024.6.28
同じパターを使い続ける?
(先生とTiger)
パッティングの名手は同じパターを使い続けている印象が私にはあります。少なくても同じタイプのパターを使い続けている。あれやこれや変えていない。一瞬変えたとしてもまた元に戻る。例外もありますけども。
Tiger Woodsプロが幼少期の頃に使用していたパターについて、昨日こちらで紹介しました。5歳のTiger少年が手にしていたのは、クラシックなL字。一つのパターに固定していた感じではなさそうですが、ヘッドの同じ所に当て続ける感覚もさることながら、ボールを捕まえる感覚、それに転がり方から推察されるヘッドの入り方やその強弱などを修正・固定する感覚を獲得する上でL字が果たした役割は大きいのではないかなと。クラシックなL字は機敏ですしシビアですから。
ただ、Tiger Woodsプロはその後、ジュニア時代の途中からピン型を愛用されています。カレッジゴルファーとしてプレー経験もあるAndrew Turskyさん。Golf WRXで特にギアに関する記事を執筆されています。かつてGOLF.comにて、Tiger Woodsプロが使用してきたパターを時系列で詳しく紹介した記事を書かれております*1。
それによると、1990年あたりは(15歳頃)はブロンズのPing Anser *2。1994年と95年、U.S. Amateurを連覇した際は、Ping Anser 2 Stainless Steelを使われていたそうです。1996年のNCAA ChampionshipではOdyssey Dual Force 660を手にして優勝。いわゆるピン型のパターです。1996年のU.S. AmateurではScotty Cameron Newport、その後は他のScotty Cameronパターを経由して、1998年にPing Anser 2に戻る。で、1999年からScotty Cameron Newport 2 GSSを手にして数々のメジャーを制することとなります。要するに、ジュニア後期からピン型を使用されている。
L字好きの息子と私からすると、あ〜やっぱりL字はダメなんだ、とがっかりしてしまいますけれど、NIKE契約時代は、ピン型のパターを手にしながらも、いっときNike Method 003というL字のミッドマレットを使われていて、原点回帰かなとも思える頃もあったことに触れると嬉しくなります。2011年頃の話です。それを昨年知って、すぐにNike Method 003をメルカリで購入し、家に飾ってあります。フェースの溝が独特で、綺麗な順回転が出やすい感じがします。
L字マレットを息子に使わせるという手もあります。例えば、Scotty CameronのDEL MAR。こちらも凄まじく美しいパターです。ただクラシックなL字と比べるとかなり重い。息子に持たせると、嫌だ、の一言。フルスイングしないからパターは重くてもいいでしょ、とはならない。全体の流れが悪すぎる、とのニュアンスで意見表明する息子。
でも軽いパターだと基本、操作性が高いのでパターに関するあらゆる技量が磨かれるのかなと素人的には思うのですが、いかんせん球が転がりません。とにかく球を捕まえて打つ感覚が掴めていないとグリーン上でスロープレーになります。鉛を付けても限界がある。だったら、操作性を感じながらも転がりが良くてミスにも強いDEL MARを少し軽く調整して併用するという手も。ピン型を愛用しているゴルファーが、ヘッドの開閉しやすいショートスラントネックのTaylorMade Spiderを併用する感じでしょうか。
Tiger Woodsプロもマレットを試した時期もあるそうですが、それもほんのいっとき。特性の異なるパターを併用するのではなく、Tiger Woodsプロがジュニア後期からそうしてきたように、同じタイプのパターを愛用し続ける。一方で、クラシックなL字によって生じる悪い癖なるものがあるとしても、L字マレットを使うというのも一つの選択肢かなと思いつつ、Tiger Woodsプロを完全に模倣して、5歳からL字、その後も愛用しながら、タイミングを見てピン型に移行しても良いのかなと。ただ今のところどちらも息子が首を縦に振ることはなさそうです。
*1 Tursky, Andrew, "Every single putter Tiger Woods has used throughout his golf career," GOLF.com, 2020.2.19. 本ウェブサイトで何度か紹介したLinksloverさんが翻訳されております。というか、LinksloverさんのブログでこのAndrew Turskyさんの記事を知ったわけで... 勉強になります。「WITB|タイガー・ウッズが今まで使ってきたすべてのパター|GOLF.com」, はてなブログ: Linkslover, 2020.9.24. 最初に手にしたパターというより、ある程度ゴルフを経験して自ら選んだパターがその人の原型を形作るのでしょうか。Tiger Woodsプロだとピン型。ピン型からマレットに移行して結果を出したとしてもまた数字が悪くなれば原点に戻る。ジュニア時代のパター選びも結構重要なテーマかと。
*2 会社の名前がパターの形状を表す言葉として使われ続ける。凄いことです。クラシカルなモデルが最近まで販売されていましたが過去モデルのページに移行してしまいました。「CLASSIC PUTTER」,公式ウェブサイト:ピンゴルフジャパン。マンガンブロンズ素材のANSERもずっと用意し続けてきたPING。昨日、PING社がG430 MAX 10K HLの無償交換プログラムをアナウンスしました。慣性モーメントが10Kを超えていると思い購入したゴルファーがいるというこでそれに対応したとのこと。軽くしたんだから10Kは超えてないでしょと考えるゴルファーが大半かと思います。でもこの対応。ゴルフメーカー大手では希有な家族経営的で、愛され続ける理由が分かります。Tiger Woodsプロがアマチュア時代、ミズノのアイアンを使用していたことは有名な話かと思います。その前は、Ping Eye 2を使用されていた。パターもアイアンもピンだった。Barath, Ryan, "#TigerTuesdays: Every 2-iron Tiger Woods has ever used," Golf WRX, 2020.5.29. 大学に入る前までキャビティアイアン。Tiger Woodsプロのクラブセッティングの変遷から学ぶべきことは多いです。