2024.6.27
技量を養うアートパター
2024.6.27
技量を養うアートパター
(笑顔が絶えない)
息子は8月に試合を控えていまして、そろそろクラブセッティングを決めなければと。前回出場したのが昨年11月でしたので、およそ8ヶ月ぶりの試合になります。
USkidsのUltralight48かTour51。先生からも48は短いのではと言われていますし、USkidsの開発担当者からもTour51を薦める、とのことでしたので、あれやこれや迷いながらも先週土曜日からずっとTour51を使い続けてみました。一週間ほど継続して使って本人の意見を聞いてみようと考えまして。
当初息子はUltralight48について「ヘッドのコントロールが難しいけど、振ってて気持ちいい」と強調しておりました。ただ5日間Tourを振り続けていると、「こっちの方が振ってて気持ちいい。スピンがかかってグリーンにとまる。ツアーで試合にでたい」と言うように。昨日も今日も、確かにグリーンにアイアンやウェッジで打った球が止まりまくる。
で、早速、Trackmanで比較してみると、7番アイアンでナイスショットしたときのスピン量は、Ultralightだと5000回転前後。Tourだと6000回を超えます。前作のTourよりもスピン量が若干多い。ロフトはTourの方が寝ていてヘッドの構造もあり、上がるし止まる。シャフトに関しては、周りの賢人たちから、Tourのシャフトですら柔らかい過ぎよ、と言われますが、私的にはスイングづくりや感覚を磨くという点において息子にとっては硬すぎだと感じます。とりあえず週末も、Tourでゴルフをしようかなと考えております。
悩みは、パターです。2022年8月、息子が5歳の頃から、クラシックなペラペラのL字を愛用していて、試合でも実戦投入してきました。これ以外のパターを使ったことがありません。私からすると、こんな美しいパターがこの世にあるのかと思うほど。半端じゃなく難しい。最近は周りの賢人たちら、スタンダードなピン型(アンサー型)のパターに変えた方が良い、とも言われておりますし、感性を磨くとかではなくマレット型に早くから慣れるという考えが最近私の頭をちらつくようになりました*1。L字で悪い癖をつけたくないという思いも少しあり。
息子に対して「練習でピン型を使ってみよう」と提案しても、「絶対やだ」と。理由は、構えづらいし、かっこ良くないから。確かにクラシックなL字を手にした後にピン型を持つと、でかい!と感じてしまうほど。試合を控えているので、もう少し優しいパターで打たせたいなぁという気持ちと、ジュニア時代にしか養えない(養いづらい)ものに注力するという気持ち。両立しません。練習だけでも、ということで、前作のUSkidsのピン型パター(最新モデルはミッドマレット)をキャディバッグに入れても、家のパターマットの上に置いておいても、見向きもしない。
なんでそんなに嫌なのか、しつこく聞くと、L字の良さやBen Crenshawプロが云々かんぬん。私に影響を受けすぎております。さらに付け加えて、「タイガーだって小さい頃はL字でしょ」と。「タイガーはピンだよ。ジュニア時代も」と私。息子「L字だよ。小さいタイガーがL字使ってたシーン。パパ見せたでしょ!」と。そう言われてみたらそうだったかもしれないと、どの動画かな本かなと、あれやこれや見返していたところ、ありました、『タイガー・ウッズ 公認DVDコレクション』*2。Tiger Woodsプロの幼少期の映像や写真が沢山出てきます。5歳の時、さらに大きくなった時もL字を手にしている。他のタイプのパターでパッティングしているシーンも出てきますが。
2006 Napa Valley。私が使う予定だったパターを息子に奪われた過去。Scotty Cameronさんの動画を息子は時あるごとに見て、「こりゃ、アートだよ」と*3。息子がピン型パターを手にする時がきたら、返してもらおうと思います。
*1 ピン型パターを愛用されていたScottie Schefflerプロも大型マレットを使い始めて数字が改善されたとなると、どうしても使いたくなってしまいます。大型マレットと大型ヘッドの流れが良いという考えもあり。視点は若干異なりますが詳しくは、「世界ランキングトップ10のうち、7人が使用!大型マレット型パターをトッププロたちが選ぶ理由」,YouTube; コヤマカズヒロのゴルフ批評【ゴルフトレンドウォッチャー】,2024.5.20. コヤマさんの説明、本当に勉強になります。メンバーシップ登録しております。パーシモンの打感が、と言いながら試合で今なお使っておられるプロはいらっしゃらないわけで。パターは別かもしれませんけども。L字使いの息子のキャディをしていると、どんなパットでも安心できません。
*2 『タイガー・ウッズ 公認DVDコレクション』, ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメント, 2004. DISC1の前半は幼少期の話が中心です。そのなかで、ジュニア時代のクラブについて、Tiger WoodsプロとRudy Duranプロ(ジュニア時代の最初のコーチ)が説明しているところがあります。そのままの流れで引用すると、Tiger Woodsプロ「ルーディと父が僕に合うクラブの長さについて話し合っていた」、Rudy Duranプロ「背が低かったので体に合うクラブが必要だった」、Tiger Woodsプロ「僕のサイズに合ったクラブを使えば、クラブに体を合わせずに済む。クラブが使う人に合うべきだ」、Rudy Duranプロ「これでスイングをその動きで造り、体に合わないクラブを操らずにすむ」。最後のRudy Duranプロの説明は日本語訳だと省かれていますが、原文だと、「長いクラブ」とあります。長いクラブを操らずにすむ。ちなみに本やDVD以外にも、Tiger Woodsプロが小さい頃にL字を手にしていた画像や映像があります。例えば、こちら。Instagram; golfdigest, 2022.10.29. ぼやけていますがクラシックなL字に見えます。
*3 "Scotty's Hands-On History Lesson On The Napa | Scotty Cameron Putters," YouTube; Scotty Cameron Putters, 2024.4.27. こういう作り手の意図や実際のものづくりのシーンに触れてしまうと、益々息子は愛着を抱くようになり、私は返して欲しい気持ちが高まります。