2024.4.14
ジュニアゴルファーへの配慮
2024.4.14
ジュニアゴルファーへの配慮
(グリーンも周りも“うねる”)
本日はKTGAのジュニアレッスン。レッスンの場となっているカレドニアン・ゴルフクラブにはその文化と歴史を綴った本があります。『Golf 伝統と革命』*1。はじめて親子レッスンを受けた時にクラブハウスで現物をパラパラとめくり、ゴルフ道(どう)も学べそうだと感じて購入しました。そこには「ジュニア育成について」と題して運営会社代表取締役・総支配人の渋谷康治さんの考えが記されております。戦略性に富み、コースメンテナンスが優れているコースを経験することがジュニアレベルアップには重要で、それは「高速グリーンが強いゴルファーを育てる」という早川治良会長の考えと合致している、と説明された上で、こう述べられております。
「ジュニアの育成は、ゴルフ界を盛り上げていくには避けて通れないことから、今後もジュニア育成に注力していきます。会員様には貸切等で迷惑をおかけいたしますが、日本のゴルフ界の未来のためにご理解いただけますようお願いいたします」(p.231)
その取り組みの具体例としてKGAジュニアゴルフ大会を開催するなど、関東ゴルフ連盟からの大会開催の要望に応えていることが記されております。大会で貸切となってしまうとメンバーさんはプレーできないわけで、ゴルフ場としては大きな決断だと思います。ジュニアレッスンに関してもメンバーさんの理解があってのことで、ジュニアゴルファーの親としては頭が下がりっぱなしです。パッテインググリーン、アプローチエリア、ショットエリア、それにコースを、日曜日丸一日、利用させていただくわけで。親がメンバーでないのに…
「高速グリーンが強いゴルファーを育てる」という早川治良会長の考え。コースのみならず、広大なパッティンググリーンにはマスターズを思い出すかのような(TVで見た印象ですが)、傾斜が強く、うねるところがあります。上手くなるだろうなと感じます、特に感覚が磨かれる時期にバンバン転がしていたら。本日も前回に引き続き3パットは1回。出だしのホールのみ。
今週のマスターズでちらっと映ったDenny McCarthyプロの姿を見て思い出しました。かつて試合中継のなかで実況の方が、“Denny McCarthyプロは幼少期にめちゃくちゃ早いグリーンで練習していた”との逸話を紹介していました*2。どの試合での発言だったのか、うる覚えで断定できません。Denny McCarthyプロはパッティングの巧者として知られている*3。その技量に磨きをかけたであろうグリーンの存在。
「四季を通しての超高速グリーンの“常態化”」。『Golf 伝統と革命』の冒頭で早川治良会長が掲げられている挑戦。14フィート。試合開催前にグリーンを早く仕上げるのではなく、いつ訪れても早いグリーン。前にもお声がけいただいたマダムがパッティンググリーン上の息子を眺めながら、「もう慣れちゃったのかしら。もっと早いグリーンにしないとね。伝えておくわね」と。誰にお伝えしていただけるのか分かりませんけども、ジュニアに優しいなと本日も感じた次第です。
*1 東京グリーン富里カレドニアン株式会社(2021) ,『Golf伝統と革命』, ダイヤモンド社. 本書にはこれまで開かれた座談会や講演、賢人による記事などが収録されています。なかでも目を引いたのが、「座談会 名コースが名ゴルファーを育てる」。カレドニアン・ゴルフクラブを設計したJ Michael Poellotさん、当時伊藤忠商事社長を務めていた室伏稔さん、そして早川会長との座談会のなかで、室伏さんが「今の日本のコースの多くは易しくなり過ぎていると思うんです」「うれしいのは、練習場も美しく自然の中に横たわっていることです」。それもそのはず、「Poellotさんはアプローチ用のグリーンとその周りにまで繊細な感覚を使って微妙なアンジュレーションの変化を盛り込んでいたんだなあ」と早川会長が述べておられる。息子がもう少し大きくなったら、朝から夕方までのレッスン終了後もまだ体力が残っており、真っ暗になるまでそこで時間を過ごせたら素敵だなと思います。親もメンバーだったら一緒に、とは思うのですが夢のまた夢で現実的ではありません。
*2 この実況の試合ではないですが、2022年のThe Memorial Tournamentの際にDenny McCarthyプロへの質疑応答が記事になっております。早いグリーンが好物だとおっしゃっています。原文はこちら。"I really like fast greens. I like greens that break a lot. I think that is an advantage for me over most guys out here". The Memorial Tournament Presented By Workday, ASAP Sports, 2022.6.3.
*3 アンディ和田 (2020),「世界で一番パッティングが上手い選手は誰? 松山英樹はどう? データをもとに分析してみた」,ゴルフダイジェスト・オンライン,2020.4.7. それにしても、3mから20mのJordan Spiethプロの強さは半端ない。それに続くDenny McCarthyプロ。この記事によると、2011年、Luke Donaldプロは1206ホール中3パット15回 (1.24%)。「パッティングのデータはすべての選手が違う場所、違う距離のパットを打つので比較が難しい」とのことですが、パッティング巧者の指標になるかと思います。