2024.2.13
ハーフ休憩の時間延長
2024.2.13
ハーフ休憩の時間延長
(ゴルフの神様?@台湾)
息子の学校が1週間お休み。台湾に来て親子ラウンドをしております。こちらは旧正月でお祝いムード。ゴルフ場を訪れている現地の皆様も気分が良いのか、日本語で私と会話する息子を見ると、「おっ、まつやま !」「ミニ、ひできさん」「まつやまさん、マスターズね」などと多くのゴルファーから声をかけていただき嬉しいとともに、松山英樹プロの台湾での知名度の高さに驚きます*1。まあゴルフをされておられる方々ですから当たり前と言ったら失礼になりますけども。スリクソンのクラブやボールを使われている方も多い印象です。
台湾ではハーフで休憩がないので1ラウンドすると私はぐったりと疲れてしまいます。コロナ禍で日本でもスループレーが一時広がった印象があります。三密を回避するために、クラブハウスで食事をとらないスタイル。とくに若い世代からスループレーが支持を集めているようです*2。ただ最近、元のスタイルへと戻されるゴルフ場もあり、それに日や時間帯を限定したスループレーばかりでして、やはりメインは途中でご飯を食べる文化が根付いています。スループレーが主流とならない背景には、日本の自然環境やゴルフ場の運営に関連した理由が色々とありそうです*3。
台湾で連日スループレーでゴルフをしていて感じるのは、休憩なしのラウンドはとても疲れるということ。私のメンタル?と技術的な問題が大きいのですが、身体が疲れ、ゴルフも雑になり、後半のスコアが崩れます。そして何よりも残念に感じるのは、同伴者とのコミュニケーションの機会が少なくなってしまうこと。朝、ゴルフ場に着いたら練習後にすぐラウンド。ラウンドが終わったらシャワーを浴びてそのままゴルフ場をあとにする。カートで話す内容はゴルフのことばかり。久々にお会いする友人や初めてお会いする人(ラウンドではないと時間を共にできないようなお方)とゴルフ以外の話をじっくりとできないのです。
一人プレーとか親子だけのラウンドだけであればスルーでサクッと回れますし、それに安く済むので一見ありがたい。ただ息子にとってもスループレーだと、ラウンド経験の密度のようなものが薄まっているような気がします。日本において我々親子は、いつもハーフ休憩中に前半のラウンドをじっくりと振り返り、課題を抽出、後半にそれらの課題を解決する、というスタイルをずっと続けてきました。これでだいぶ腕が上がったような気がします。18ホール回った後に反省会をして次のラウンドに、というスタイルだと早くても翌日、遅くて2、3日、間を空けてのラウンドとなってしまい、頭のなかでは分かってはいるんだけど、課題が身体に感覚として残っていない。私としてはハーフの休憩が短すぎとも思っておりまして、スループレーの普及とは逆に、“ハーフ長期休憩”なるプランを用意していただきたいぐらいなのです。その思いが台湾に来てより強くなりました。
本日もスループレー。でもラウンド終了後にクラブハウスで食事。「後半は?時スタートです」というように休憩終了時間が設定されていないので、ラウンド反省会もでき、同伴者のお方ともじっくり時間を共にできる。でも課題解決はすぐに現場で実行できず。せめてレンジ練習場に行きたいところですが、ハーフ休憩がなく私の方が疲れてしまったので、行く余裕がありません。9ホールごとなら記憶も鮮明ですぐに課題抽出となるのですが、18ホールスルーだと頭がごちゃごちゃに。今日もハーフ休憩の利点を感じた1日でした。
*1 これまで何度かラウンドしたゴルフ場もあるのですが、そのほとんどが日本と縁があります。例えば、昨日訪れた大溪高爾夫俱樂部(TaShee Golf & Country Club)では、青木功プロが試合で訪れた際の写真が、レジェンドGary Playerプロだけでなく、今ご活躍中で息子が惚れ込んでいるNelly Kordaプロの写真などと一緒に大きくクラブハウスに飾られております。毎回ラウンドするたびに難しさを感じておりまして、Tiger Woodsプロが試合でトリプルボギーとなったホールで私は一打及ばず+4。本日ラウンドした東華高爾夫俱樂部は、佐藤毅さん(株式会社サトーグリーンエンタープライズ)が設計され、鹿島建設株式会社が施工に携わったゴルフ場で、2000年に世界のベストコース500に選出されている。その7番ホールは美しい限りなのですが難しかった... 一昨日訪れた永漢高爾夫俱樂部は、加藤俊輔さんがコースを、クラブハウスは西岡徹さん(STUDIO 80)が設計されたゴルフ場。太平洋クラブ御殿場コースやJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部を設計された加藤俊輔さん。加藤俊輔さんが設計されたコースを台湾でラウンドできるなんて感無量です。「自然から得たものは、自然に帰す」という加藤俊輔さんの考えが体現されたコースだとラウンドして感じました(古川正則, 「70以上を手がける。コース設計の“革命児” 加藤俊輔氏逝く」, 『週刊ゴルフダイジェスト』 2018/05/22号, オンライン版あり)。加藤俊輔さんの詳細はこちら。「【30年前】日米人気No.1設計家が語る「名コース誕生の条件」加藤俊輔 ゴルフトゥデイ創刊600号記念」, ゴルフサプリ, 2022.4.22(元記事; GOLF TODAY本誌 創刊第2号 p.41-43。
*2 赤坂厚「ゴルフ場に若者激増、突如吹いた追い風の正体」, 東洋経済オンライン, 2020.10.17. ゴルフ場の古い体質や慣習がコロナ禍で変わりつつある、という流れで説明されることが多いのですが、そうした側面の良いところもあるわけで、こちらの記事でのご指摘のように、多様な選択肢を残す、というのが腑に落ちる説明というか提案かと思いました。ゴルフ場の運営者の方々にとっては大変でしょうけども、ゴルファーとしてはありがたいし、若い人がゴルフに新たな価値を見出してくれそうな気がします。
*3 「日本で「スループレー」は何故採用されない?」, 京葉カントリー倶楽部, 2011.2.17.