2024.1.1
ゴルフとチャリティー
2024.1.1
ゴルフとチャリティー
本日夕方、北陸地方で大きな地震がありました。
このたびの地震で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
ゴルフと震災。まず思い出したのは2016年の熊本地震。まだゴルフを始める前の話です。いちファンとしてゴルフ中継を見ていた頃。熊本県ご出身の一ノ瀬優希プロがチャリティーオークションを実施して全額を県に寄付される活動をメディアで拝見しました。プロゴルファーが使用したモノをヤフオクで出品し、そこで得られたお金を寄付するというもの。当時、大手メディアでも取り上げられ、アスリートがどのように震災と向き合うのか、考えさせられた思いがあります。当時は、宮里藍プロ、石川遼プロ、松山英樹プロなどもこの活動に協力されていて、ゴルフに普段接しない方にも幅広く伝わった活動だったと記憶しております。
今、改めてこの活動を調べてみると、支援に協力されたプロゴルファーのなかには、Louis Oosthuizenプロ、Bubba Watsonプロ、Angel Cabreraプロといった海外勢もおられました*1。契約先のメーカーを介してこうした輪が広がったそうなのです。おそらくPINGのことかと。当時は全く考えが及んでおりませんでしたが、こうした活動を陰でサポートするPINGの姿勢に触れると凄みを感じるとともに応援したくなります。
義援金を送ることも現実問題として極めて重要なことであります。この一ノ瀬優希プロの活動の特異性は、プロゴルファーやスポンサー、そしてクラブメーカーを巻き込みながら、数多くのプロゴルファーがメディアに登場して支援を募る行動に繋がっていったことにあると思うのです。
一ノ瀬優希プロは翌年この活動を振り返っておられます*2。
「今回の経験を通して初めて、スポーツ選手がチャリティーを行う意味がわかったような気がします。これまでの活動の中にも、スポーツ選手としてやるべきことがあったはずなのに、してこなかった。これからは、もっと『ゴルファーとして、私がしなければならないこと』に向き合っていかなくてはなりません」
チャリティーオークションで購入したグッズを持って試合会場に訪れたファンもいたそうです。ファンあってのプロゴルファー。ファンも巻き込んだこの活動はアスリートはもとより、私のようなゴルフファンであっても、ゴルフを通じて何が出来るのか、考えさせられます。
息子はテレビ画面を通じて夜遅くまで北陸地方の状況を見守っておりました。この活動の取材記事を書かれた小島沙穂さんは、“ゴルフ教室や子どもたちと選手の対話”といった他の活動も提案されておられます。これまでのプロゴルファーのチャリティー活動を調べ、ジュニアゴルファーの息子に触れさせて、親子ともども考えを深めたいと思います。
*1 「熊本出身・一ノ瀬優希が呼びかけ!熊本チャリティオークション実施中」, ALBA Net GOLD, 2016.6.7. 提供者一覧には樋口久子プロの名前も。当時、日本女子プロゴルフ協会が全面的にこの活動をサポートしていたことがわかります(「JLPGAミーティング委員が東北3県と熊本県にチャリティー金を寄贈」, 公式ウェブサイト;日本女子プロゴルフ協会, 2016.12.7)。
*2 小島沙穂(2017),「プロゴルファーが考える震災復興支援: チャリティーの可能性」,『月刊事業構想』2017年3月号(オンライン版あり). チャリティーオークションにグッズを提供したプロたちに当時どういう想いで協力したのか、取材してみたいものです。