2023.12.14
未来の息子への手紙
2023.12.14
未来の息子への手紙
(今日の最終9番ホール)
連日、東宝調布スポーツパークで薄暮・ナイターゴルフを親子でしております。3年あまり通い続けていますので沢山の思い出があります。そのなかでも運命的な出会いがありました。ただこの出会いのお相手が100%そのお方ご本人であるとは言い切れず、私の勘違いでしたら大変申し訳ございません。そこはご了承ください。ブログみたいな感じで「日常」については書くつもりだったので短くしたいのですが、ちょっと長くなります。お付き合いください。
さて、とある平日の夕方、7番ホールのティーグランド。前の組はまだフェアウェイ上。後ろからお一人でラウンドしている青年の姿。一見すると高校生か大学生。もう見るからに好青年。優しい物腰で幼い息子のところに来られて、ほんの短い時間、サンドウェッジを使ったリフティングを教えてくれました。このとき初めて息子はリフティングなるものを生で見たことになります。好青年どころではない、こんな小さな未就学児を一瞬で楽しませ、没頭させられる。それ以来息子は、あのお兄さんに教えてもらったんだ、と時あるごとに振り返っています。
そのお兄さん、お互い自己紹介をしなかったのですが、一目見てどこかでお会いしたことあるなぁ、と感じておりました。でも誰だろうな… 人違いかな... リフティングをしている2人の様子を見ていて、ふと浮かびました、ここは東宝調布、あっ、あのブログの子かもしれないと。
私は息子とゴルフをするにあたって、未就学児の子がゴルフをするイメージが全くわかず、何から取り組めば良いのか分かっておりませんでした。そもそもゴルフを実際にやるということ自体、よく理解しておりませんでしたので、クラブは何を揃えれば良いのか、服や靴はどうするのか、練習場に行くことすらハードルが高く、なかなか足が運べない状況が続いておりました。パターを1本購入し、次の1本は56度のサンドウェッジ(シャフトは重いダイナミックゴールドS200)。ゴルフ中継は昔から見ておりましたが、最初はこの2本あれば濃密な練習ができて楽しめるだろうと思っていたぐらいですから。ゴルフそのものの理解が不足しており、さらにジュニアともなると別世界に飛び込むような気がしていたのです。あれやこれや情報収集するなかで、あるブログを見つけました。
「ジュニアゴルファー空飛ぶペンギンの成長記録」*1
さて場所は戻って、とある平日の東宝調布スポーツパーク、少し進んで最終9番ホール。後ろからリフティングを教えてくれたお兄さんが。やっぱり、あのブログの子だ。間違いない。お兄さんが見つめるなかで、ガチガチに固まった私のティーショット。ボールはとんでもなく右に曲がり、息子はまずまずのショット。お兄さんに別れを告げて、息子はパー、私は何打重ねたか忘れましたがなんとか時間をかけずにホールアウト。グリーン横のネット越しにティーグランドを振り返ると、お兄さんがティーショット、誰もが憧れるような綺麗に舞い上がったボールはピンそば1メートルほど。単にゴルフ好きです、というお兄さんではないことがド素人の私が見ても一目瞭然。弾道に加えてスピーンのかかり方が絶妙。おっ、と2人で声をあげると、横には同じようにショットを眺めていた女性の姿が。おそらく少し歳の離れたお姉様か、お母様ではないかと。会釈してそのまま帰路につきました。ホールアウトした後にそのお兄さんに声をかければ良かったのですが、あまりにも息子とは世代が違いすぎて話を聞くのを躊躇してしまいました。帰りのクルマのなかで後悔しきり。今もです。
私が最初にそのブログで読んだ記事は、ジュニアゴルフクラブに関するものでした。タイトルは「ジュニアに強いゴルフクラブメーカーって???」(2010.3.24)*2。息子がゴルフを始める10年ほど前の記事で、すでにジュニアゴルフクラブの提供をしていない会社さんもありますし、当然のことながらUSkidsのクラブも旧モデルについての情報です。ただ、ブログの執筆者のお子様がその当時5歳ということで、未就学児のクラブ選びについて親御さんの貴重な考えに触れられるなと感じました。ブログの他の記事も親目線でジュニアゴルフの現状を調べながらまとめていらっしゃるので大変勉強になると同時に、情報以外に惹きつけるものがあるのです。私が言うのもおこがましい限りですが、息子の自慢話や親の頑張りに関する自慢話は何処を見渡しても微塵もなく(私は反省してしまいます、どうしてもそうなってしまう…)、一言でいうと、未来の息子に手紙を書いているような感じなのです。ご本人は、違うよ、とおっしゃると思いますが、結果的にそうなっているような印象を受けるのです。
ブログを始められたのが、2010年2月12日。そこから現在に至るまで、クラブ、レッスン、試合の模様、スイング、ゴルフ場選び、参考にされている本や雑誌、ジュニアの現状、ジュニアゴルファー強化の体制、それに勉強とどう両立してるかその教育論などなど。ジュニアゴルファーをもつ親の先輩として、どの本や記事よりも、学びが深まるだけでなく(特に考え方)、読み物として楽しく触れさせていただけるのです。このブログで紹介されたウェブサイトの記事はすべて読み、書籍や雑誌はすべて購入して拝読しました(また自慢話ぽいですが、本当に信頼できて影響されているのです)。お子様が通われていた場所にも行きました*3。今なお息子が愛用しているUSkidsのクラブも、今年から参加しているUSkidsツアーの存在も、最初はこのブログで知りました。でも繰り返しますが、単なる情報提供の場ではないのです。
1,2年、いや5,6年(例えば小学生の期間だけ)で発信を終えられたら、おそらく“未来の息子への手紙”といった印象は受けなかったと思います。文体、構成それ自体は手紙のスタイルを意識されておられませんし、内容はジュニアゴルファーの親御さんに少しでも有益なものを提供できれば、という読者フレンドリーなものになっておりますので。それが徹底されているからこそ、私の書くものとは違って、自慢話のような印象が一切生じていないのだと感じます。言うは易し、これに徹するには、余程の意志、腕、筆力がないとできないかと。日々の記事が長い年月をかけて積み重なり、プレゼント箱のような塊として認識され、舞い戻ってひとつひとつの記事が“息子への手紙”に昇華されたように感じるわけです。13年。その歩みのなかで、ブログのタイトルを変えられておられます。
「努力と結果の距離感」*4
2017年1月2日にブログを引っ越され、このタイトルに。私の息子はその1ヶ月ほど後に生まれました。その年度、小学6年生としてむかえられた試合、関東小学生ゴルフ大会で優勝され、4月から中学生に。その後は、関東ゴルフ連盟(KGA)の「TEAM KGA ジュニア」強化選手*5にも選ばれ、日本有数の著名な大学の附属高校に進学され、今年の4月からその大学に通われておられるようです。ということは、お会いしたときは高校生。私と息子に対するあの立ち振る舞い、高校生とは思えません。
さて再び場所は戻って、あれから月日が流れた本日の東宝調布スポーツパーク。連日の親子ラウンド。平日のホームコース。この場所の存在、そしてジュニアでも気兼ねなく回れる場所であること。運命を感じざるを得ません。それを最初に教えてくれたのが、このブログの執筆者の親御さん、そしてそのご子息であったのですから*6*7。
*1 Amebaブログ「ジュニアゴルファー空飛ぶペンギンの成長記録」.
*2 「ジュニアに強いゴルフクラブメーカーって???」, Amebaブログ; ジュニアゴルファー空飛ぶペンギンの成長記録, 2010.3.24.
*3 例えば、ACTEK GOLF。そこでフィッティングを行っている遠藤仁史さんのところに、ジュニアクラブをいくつか持って幼き息子と伺いました。USkids Ultralight で何も過不足ないとのこと。超長期的な視点からも低学年で大人用のヘッドを使うことの弊害についてご教授いただきました。それなのにその後、他のクラブに浮気、そしてまた原点に戻ってUSkids。遠藤さんのプロフィールページにはScotty Cameronさんにインタビューした際のお写真も。遠藤さんにはスコッティキャメロンのL字パター2本(NAPA)も見ていただき、これ本物だよと、お墨付きをいただきました。
*4 ウェブサイト; 努力と結果の距離感. 我がウェブサイトのタイトルは「MOR」。ちなみにMはわたくし父の名前、Oは苗字、そしてRは妻と息子の名前。単純すぎですかね。これ以外に思いつきません。ウェブサイトを始めて1ヶ月も経っていないのですが、早くもサブタイトルを変更します。「父と息子、ゴルフの情景」から「親と息子、ゴルフの情景」に。今のところ、ゴルフファーとしては父と息子なのですが、妻にもサポートしていただいていますし、今後、妻もゴルファーになることを熱望して。ただ義理の父とラウンドすることが多いのでそれを考慮すると… なんだか複雑になるので、ひとまず「親と息子、ゴルフの情景」にしておきます。
*5 「TEAM KGA ジュニア」とは?, ウェブサイト; 関東ゴルフ連盟(KGA). 「TEAM KGA ジュニア」はナショナルチームへの登竜門的な位置付け。こういうところに入って私もスポーツに取り組みたかったなと感じる今日この頃です。
*6 「次戦は、東宝ジュニアトーナメント(東宝調布スポーツパーク)に決定」, Amebaブログ; ジュニアゴルファー空飛ぶペンギンの成長記録, 2011.11.6. こちらの記事以外にも、そのお兄さんが東宝調布スポーツパークでラウンドされていることが書かれ、YouTubeでも配信されておられました(「7歳児、東宝ジュニアゴルフトーナメントでのティーショット」, YouTube; ジュニアゴルファー颯汰のパパ, 2011.11.26)。ですから、私はそのお兄さんがこのブログに登場するお方ではないのかと気づき、確信したわけです。当然のことながら、ブログやYouTubeで拝見させていただいている比較的最近のお姿と目の前に現れたそのお兄さんが似ているということが前提にあります。息子は、“リフティングのお兄さん”と呼んでいます。今日も、「リフティングのお兄さんいないね」と。おそらく今、息子が一番会いたいゴルファーだと思います。私もです。この私の記事がいつの日か、“リフティングのお兄さん”とその親御さんに届くことを願って。
*7 ジュニアゴルファーの親(他のジュニアスポーツに取り組む子の親も)があれやこれやと子供の日常を発信することに対して、色々な意見があるかと思います。わたくしには極めて私的かつ大切な目的がありますけども、せめて未来の息子が振り返って読んで「単なるお父さんの自慢話だよ、暇つぶしじゃん」「僕を題材にしないでよ」「このウェブサイトを消してよ」と言われないように、意識して書きたいと思います。写真の選定についても。こうしたエッセイのような読み物について、場数を踏めば筆力も鍛えられるかと思っております。“未来の息子へのエッセイ”。息子が何度も読み返したくなるエッセイのようなものを書ければなと。もちろん、息子より年下のジュニアゴルファーやその親御さんがお読みになって、何かのきっかけになったり、私たち親子とご縁がもてることを期待して。